円錐容器内におけるボールの円運動

円錐容器内におけるボールの円運動

takeman さんの書込 (2008/04/10(Thu) 20:33)

高校物理で,最近テストがあって解答だけ貰ったのですが解説が無く困っています.教えていただけないでしょうか.

厚さを考えない,頂点を下にした円錐容器があります.ただし軸は地面に対して垂直です. 頂角は2θで,今このなめらかな円錐容器内の内面を,速さv[m/s]で大きさを考えない質量m[kg]のボールが水平方向を等速円運動しています.

ボールが面から受ける垂直抗力はいくつですか.

私は最初mg・sinθと思ったのですが,答えはmg/sinθでした. つまり図で考えると垂直抗力の大きさがmgより大きくて,私は別の力の分解をしてしまったようなのです.どうもこの力の分解を間違うことが多く,その他の問題でもよく迷います. 例えばなめらかな斜面を下る物体の進む力と言うのは,重力を斜面に対して水平方向と鉛直方向に分解して考えるのはわかりますが,今回のような場合は少し違います. 完全な素人で申し訳ありません.よろしく御願い致します.

Re: 円錐容器内におけるボールの円運動

toorisugari no Hiro さんのレス (2008/04/10(Thu) 20:53)

遠心力を考えにいれてみるとよいです. (遠心力を直接計算しなくとも3つの力を図に描くだけで十分)

Re: 円錐容器内におけるボールの円運動

takeman さんのレス (2008/04/12(Sat) 11:15)

返信ありがとうございます. 遠心力というのは,ボールが軸に対して垂直方向に向かっている力とは逆向きの力ですよね. しかし,作図できても遠心力の大きさによって分からなくなってしまうのですが. すみません,どうしたらよいか教えていただけませんか.

Re: 円錐容器内におけるボールの円運動

せい さんのレス (2008/04/13(Sun) 12:03)

>円錐容器内の内面をボールが水平方向を等速円運動しています. ことから,任意のある点でのボールに働く力は,重力と遠心力があってこれらの力を分解して考えてみるとき

円錐面方向では釣り合って(打ち消しあって)います.(なぜならボールが水平なままだから.)

また円錐面と直角の方向では,ボールが円錐面に対しては垂直圧力を与え,その結果ボールは円錐面から垂直抗力を受けています.

>私は最初mg・sinθと思ったのですが これは,重力のみを考えているわけで,いわば斜面での静止状態です.

遠心力をFとしてみると 釣り合いはmg・cosθ=F・sinθ 垂直抗力はmg・sinθ+F・cosθ

これから,Fを消去しましょう. toorisugari no Hiro - 2008/04/10(Thu) 20:53 No.19665 さんが (遠心力を直接計算しなくとも3つの力を図に描くだけで十分) と,仰った理由がわかると思います.

Re: 円錐容器内におけるボールの円運動

なんとなく さんのレス (2008/04/13(Sun) 14:53)

横レス失礼します.

私も同じ事を高校時代に感じたことがあるので,少し書いてみます.ひとつの考え方ですが,混乱のもととなる目に見えるものと頭のなかで考えるものがあっているかを吟味し,整理することが大切だと思います. 少し詳しく見てみましょう. 例えば,今のような例であれば,実は結構条件が複雑な事が分かります. (1) 自分が静止していて,回るボールを見ているとき ? ボールは回転している<見える>. ? ボールの鉛直高さは変化しない(水平面上を回転している)<見える>. ? ボールは円錐に接触している<見える>. ? ボールは鉛直下向きに重力が働いている(はずだ)<見えない>. ? ボールは円錐から接触面に垂直に抗力を受けている(はずだ)<見えない>. さて,このとき,ボールに働く力は何でしょう.実は見かけの力(慣性力)を考えるのは,この立場では出てきません.難しく言えば,慣性力は観測者が回転座標系(つまり回転する物体と同じように回転しているとき)にいるとき感じる力だからです. したがって,”本当の”力は重力と垂直抗力だけです.そうすると,力を鉛直方向と水平方向に分解して考えれば,重力は鉛直方向のみ,斜面に垂直な抗力は,鉛直成分と水平成分に分けて考えられます. ここで,?を考え合わせれば,鉛直方向に働く力(の合計)は0(釣り合っている)と分かります.これから垂直抗力をNとして, N*sinθ=mg,したがって,N=mg/sinθがでてきます. 水平成分はどこへ行ったのでしょう.それは,ボールが円運動を行っていることに理由があります.静止系から見て,物体が円運動を行うには,常に中心に向かう力(向心力)が必要です.この例ではまさに水平成分がその力を担っています.これは重力のように静的つりあいではなく,いわば動的つりあいです.このつりあいでは位置は変化しますが,半径は一定です.静止に比べて運動している物体でも運動の変化の無い方向には何らかの釣り合いがあると思っていいでしょう(力そのものが無い場合は除く).力の分解は基本的にそのような釣り合いの組を見つけることです.分解ありきではなく,釣り合いありきです. もちろん,力が釣り合っていなければ,その方向に物体は動きます.

(2) 自分がボールの上に乗って同じ回転(座標)系にいる場合 ?ボールは静止している. ?鉛直下方に重力が働いている. ?ボールは円錐面に垂直な抗力を受けている. ?水平面上,(回転)軸から反対向きに力が働いている. この?が見かけの力(遠心力)で,何も触れていないのにあたかも水平に重力が生じたように,自分にも働きます.この立場では,ボールは回転していないことに注意しなければなりません.静的な釣り合いが成り立っています.そして鉛直,水平の分解を考えれば,結論は(1)と同じですが,考える立場(実は座標系)によって,同じ事を異なる表現で表したに過ぎないことが分かります. 垂直抗力の水平成分はこの遠心力と釣り合っています. 参考になればいいですが.

Re: 円錐容器内におけるボールの円運動

takeman さんのレス (2008/04/16(Wed) 20:56)

お返事が遅くなってすみませんでした. 皆さんの分かりやすい説明のおかげで理解することができました. 本当にありがとうございました.