風船をふくらませていくと, 徐々に内圧が上昇していき,ある程度大きくなると内圧は低下していきます. (実験してみた結果です.)
これってラプラスの式だとかを用いて,数式的に説明可能でしょうか?
よろしくお願いします.
膨らませるというのは体積を大きくするという操作ですか?
風船のゴムがばねとして近似できるならば体積と内圧は正比例します. 逆に体積が単調増加しているにもかかわらず内圧が下がるならば,風船ゴムとしての性質をばねとおいて近似出来ない,という事. つまり,内圧によってゴムが伸びて(ここでの伸び,は不可逆的伸び)体積は膨らんだものの内圧は減ったということです.
大変面白い題材なのでコメントさせていただきました. 風船を半径rの球殻とし,ゴムの厚みをdで一様とします. 内部圧力をp,ゴムの張力をTとします. 圧力pと張力Tには次の関係があります. pS=2πrT ? ここでSは半球の断面積です.この式は半球の力のつりあいから導きます. S=π(rの2乗)? ?と?より p=2T/r? 張力Tは歪に関係します. rは初めにr0の大きさとし,伸びをxとします. r=r0+x? 弾性限界内でフックの法則が成り立ち,かつゴムの厚みdが不変なら,のびxと張力Tは比例します. T∝x? ?と?を?に代入して, p∝x/(r0+x) ? このようにpはのびxが小さいときはxに比例しておおきくなり,r0を大きく超えると一定値に漸近します. この結果は実験と合致しません.そこで,つぎのように考えます. ゴムは伸びると厚みdは減少するのでしょう.この割合は不明ですが,仮にゴムの実質の体積Vが不変とすると v=4π(rの2乗)d? となります. 張力T,ヤング率Eとのびxには次の関係があります. T/2πrd=Ex/r ? ??を?に代入すると p=Evx/((r0+x)の3乗) ? pはxとともに増加し,x=r0/2において最大値となり,以後,減少します. このように実験結果と定性的に一致します.