糸の張力について

糸の張力について

トワイス 高専3年 さんの書込 (2008/01/16(Wed) 14:48)

前回,同じような質問をさせていただいたトワイスです. 前回の質問は大体理解できたのですが,次の問題がいまいち理解できません.

ある滑らかな平面状に物体A,B,Cが図のように糸でつながれており,物体Cから矢印の方向に15Nの力で引っ張るとき,

ア イ |A|--|B|--|C|-→15N

(1)物体の加速度はいくらか? (2)ア,イの張力はいくらか? また,A,B,Cはいずれも質量は1kgである.

(1)の問題を,解こうと思ったのですが,張力をどのように取り扱ったらいいのかいまいち分かりません. 答えを見てみると,5m/s^2となっており,物体ABCをひとつの物体と考えてF=maでやると答えと合うんですが,張力は無視してしまっていいのでしょうか? それとも,やり方が間違っているのでしょうか? どこかのHPで似たようなものがあり,張力はそれぞれつりあっているので無視してよい.見たいな事が書いてあった気がするんですが,どこだったか忘れたので見つけられませんでした.実際,つりあっているのでしょうか? そこらへんがいまいち理解できずに困っています.

Re: 糸の張力について

トンガリ さんのレス (2008/01/16(Wed) 18:19)

ア イ |A|--|B|--|C|-→15Nの題意は 同質量1kgのAとBとCが矢印の方向に同速度同加速度で引かれる状態である. 糸の張力を埋没させずに鮮明にさせながら,問題を解いてみる.

Aに働く力はAをB側に引く張力(A→B)のみである. Bに働く力はBをA側に引く張力−(A→B)とBをC側に引く張力(B→C)である. ここで,AとBは同質量mが同加速度aで引かれるのでF=maから自ずと, Aに働く力の合計=Bに働く力の合計すなわち, (A→B)=−(A→B)+(B→C)を整理して, 2倍の(A→B)=(B→C)・・・・・・・・・・・・・・・・?

Bに働く力はBをA側に引く張力−(A→B)とBをC側に引く張力(B→C)で前記の通りである. Cに働く力はCをB側に引く張力−(B→C)とCを矢印の方向に引く張力15Nである. ここで,BとCは同質量mが同加速度aで引かれるのでF=maから自ずと, Bに働く力の合計=Cに働く力の合計すなわち, −(A→B)+(B→C)=−(B→C)+15Nを整理して, −(A→B)+2倍の(B→C)=15Nに?を代入して, 3倍の(A→B)=15N・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?

(2)ア,イの張力はいくらか?の答はAをB側に引く張力(A→B)を問うているので, ア,イの張力=(A→B)=5N (1)物体の加速度はいくらか?の答はAをB側に引くときの加速度を問うているので, ア,イの張力5N÷Aの質量1kg=5m/s^2

(2)を(1)より先に解いたが,力を先に知って後で加速度を求めるに違和感はない. ?ア,イの張力?の言葉は日本語として紛らわしいが,私は上記の様に解釈した.

Re: 糸の張力について

komagatake さんのレス (2008/01/16(Wed) 19:44)

運動方程式は考えている力と物体が対応していなければいけません.

Aについて考えているときはAに働いている力です. Bについて考えているときはBに働いている力です.

全体を1つのものとして考えると力は外力の15Nだけになります. これで全体としての加速度が出てきます. A,Bをひとまとめにして考えても構いません.

部分で考えて組み立てても全体で考えても同じ結果が出るはずだというのは物理的な要請です.それを保障するものが作用・反作用の法則です. 物体は必ず部分から出来ていますからどういう分割で物体を考えるかは任意なはずです.

>張力はそれぞれつりあっているので無視してよい.見たいな事が書いてあった気がするんですが,・・・

釣り合いではありません.作用・反作用です.無視しているのではありません.A,Bの間に働く力はA,Bをひとつのものとして考えると外に出てこなくなる(打ち消す)のです. 釣り合いは1つの物体に働いているいくつかの力についての関係です. 作用・反作用はA,B2つの間に働いている力をAの立場で見たときとBの立場で見たときに成り立つ関係です.必ず2つ以上の物体からなる系が存在します. 釣り合いと作用・反作用は力だけについて考えると「大きさが等しくて向きが逆」ということで混乱します.これは力の働いている物体を考えるというステップが抜けていることによる混乱です.

Aに働いている力もBに働いている力もすべて同じ1つの図の中に書き込んでしまうということをやると混乱します. 考えている物体ごとにひとつの図を使うということをやるとわかりやすくなります.A,Bを合わせたもので考えるのであればそれも1つの図にします.

Re: 糸の張力について

高専卒 さんのレス (2008/02/04(Mon) 13:15)

このような問題には物体切断法を用いて次のように考えるのがわかりやすいかと思います. それぞれ糸の部分で切断し各物体にかかる力を正しく示し,つり合いの式を立てれば簡単に解くことができます.

物体に働く加速度をaとして物体に働く力をそれぞれ T1←|A|→15N(左向きに慣性力1×a) T2←|B|→T1 (左向きに慣性力1×a)

|C|→T2 (左向きに慣性力1×a)

として考えれば力のつり合い式ははそれぞれ左向きを正として a+T1 -15=0 a-T1+T2 =0 a -T2 =0 となり,すべての両辺を足し合わせれば結局 3a-15=0 3a=15

a=5

となることがわかります. また, T1=a T2=2a となり求めた加速度aから糸の張力は アが5N イが10Nとなります.

Re: 糸の張力について

komagatake さんのレス (2008/02/05(Tue) 20:48)

現在の高等学校の物理では慣性力は扱っていません. 物体の運動を考える場合,座標系は常に物体の外にあります.2つの物体があればその2つを同じ位置から見ます.運動方程式はその立場から見て組み立てて行きます.加速度運動をしている物体に乗って別の物体の運動を見るということはやっていません.相対運動は出てきますが等速度運動についてです.これはガリレオの相対性から運動の第一法則につながってきますから取り扱います.加速度運動をしている系に座標系を移すと慣性力というややこしい力が入ってきます.等速度の系では力が釣り合っていないのに加速度の系では力が釣り合っているという理解しにくいことが起こるのです.釣り合っているのに何故加速度があるのかという疑問が当然出てきます.新しい穴にはまってしまいます.

電車のつり革が傾くのも電車の運動を外から見て運動方程式で説明します.円運動も外から見ています.向心力は出てきますが遠心力は出てきません.

物体系の場合,着目する物体ごとに運動方程式を立てるということもきちんとできるようになるにはかなりの時間がかかります.これに座標系の変換まで入ってくると混乱します. 別の質問コーナーで着目する物体を変えること(物体Aについて考えて運動方程式を立てた後,物体Bについて考えて運動方程式を立てること)と見る立場を変える(座標系を取り変える)こととを混同している回答があるのを見ました.

Re: 糸の張力について

高専卒 さんのレス (2008/02/05(Tue) 22:15)

komagatakeさんご指摘ありがとうございます. おっしゃることはよくわかりました. 確かに慣性系で考えるという方法は力学を学ぶようになってからだったかなと思いいます.

それをふまえてもう一度…

物体Aにかかる外力を右向きの15Nと左向きの張力T1として考えれば運動方程式は 15-T1=1×a となり,同様に物体B,Cについても張力を外力とすれば運動方程式がたてれます. あとはそれらを連立で解けば答えが出てきます.

多分こんな考え方でいいかなと思います.

Re: 糸の張力について

某予備校講師 さんのレス (2008/02/05(Tue) 23:24)

komagatakeさんの記事について一言

>現在の高等学校の物理では慣性力は扱っていません.

とありますが,今の高校でもちゃんと物理?の力学で慣性力も遠心力も習いますよ.手持ちの教科書(啓林館)には章立てで記載されております.

Re: 糸の張力について

komagatake さんのレス (2008/02/06(Wed) 02:23)

某予備校講師さん

新しい過程ではまた復活したのですね. ご指摘ありがとうございます.

でも多分混乱する生徒が多くなるだろうと思います.