平行波が障害物に当たり回折することと波長が長いほど回折が大きくなることは理解できています.理解できないことは障害物と障害物の間の開口部の広さと回折の大きさの関係です.参考書には開口部が狭くなるほど回折が大きくなるとあったのですが,なぜなのか理解できません.ホイヘンスの原理を使って理解したいのですが,開口部が広くても狭くても回折には影響しないと思ってしまいます.アドバイスいただければと思います.よろしくお願い致します.
はじめまして.本問は単スリットの問題として解析的に解けるのですが,ホイヘンスの原理を使って定性的に説明したいと思います.図が無いので分かりにくいところも多々あると思いますがお許しください.
ホイヘンスの原理によると,回折は開口部に並んだ無数の点波源から出る球面波が重ね合わさることによって引き起こされます.
今,開口部が非常に狭くてそこには一つの点波源しか存在しないとします.すると波は干渉しないのでそのまま球面上に広がっていきます.これが回折(広がり)が一番大きい状態です.
しかし,開口部が先ほどの2倍程度あって,そこには点波原が2つあると考えると球面波同士が干渉し合うので中心(0次の回折)から遠ざかるにつれて合成波はだんだん弱くなります.そして,ある方向で再び強め合いますが(1次の回折),これは0次の回折よりは弱くなります.高次の回折はもっと弱くなるので,だんだん広がりがなくなっていくと考えられます.
同様に,開口部が3倍になると点波源も3つになりますが,点波源が多くなるほど中心(0次の回折)からずれたときの弱まり方が大きくなるので,点波源が2つの時よりも広がりは小さくなります.
以上の簡単な考察から,スリット幅が小さいほど点波源に近づき広がりが大きくなり,スリット幅が大きいほど点波源の数が多くなり,中心(直進)からずれた時の弱まり方が大きくなるので,広がりが小さくなると考えられます.