直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

さえ さんの書込 (2007/08/30(Thu) 10:39)

電磁力についての質問です.

こんにちは.高専4年のものです. 今,電磁力について勉強をしています. 平等磁界中にある電流の流れている長方形のコイルに働く力(トルク) のところで分らないことがあるので質問させてください.

コイルに働くトルクがIBSsinθというところまでは理解できました. (I・・電流B・・磁束密度S・・コイルの面積)

その次に直流電流計の原理図に関する問題があったのですが, 巻き数n,磁束密度の大きさB,コイルの電流Iのときのトルクを求めよというもので, 答えがabnIBでした(ab=S)なぜこの場合θ=90°なのでしょうか. どなたかご指導お願いします.

ちなみに図は以下のような感じです(たいへん分かりづらくてごめんなさい)

―― N(コイル)S ――

←この部分に縦a,横bのコイル (磁石には挟まれたコイルを角度を変えてみたもの)

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

zoro さんのレス (2007/08/30(Thu) 15:40)

さえさん,初めまして.

恐らく,「電流がゼロの時に感度を高くしたかったので,対応するトルクで,sinθ〜最大,故にθ=90°」と設定したのではありませんか.

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

さえ さんのレス (2007/08/30(Thu) 21:49)

お返事ありがとうございます.

問題文にはとくにθに関する文はないのでよくわからないのですが;

ごめんなさい,電流がゼロの時に感度を高くするとはどういう意味ですか? 電流がゼロなのに電流計の感度は高いんですか??

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

zoro さんのレス (2007/08/30(Thu) 23:09)

>電流がゼロの時に感度を高くするとはどういう意味ですか?

そうですね,説明が端折り過ぎかも知れません.

「電流がゼロの近く」の感度を上げる為に,そのような設定をするのだろうと推定します.

逆に考えると,もし「電流がゼロの近く」の位置で,θ=90°のセッティングとすれば,sinθ〜0となって,メータは感度を失ってしまうと思います.

〜〜〜

私は,アナログの電圧計や電流計の世代ですが,このような疑問を持たなかったので,類推モードで書いています.もし,正確な理由をご存知の方がいらっしゃたら,ご回答をお願いします.

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

スパイク さんのレス (2007/08/31(Fri) 02:26)

原理図における二つのコイルの角度はどの様になっていますでしょうか?

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

さえ さんのレス (2007/08/31(Fri) 09:37)

>「電流がゼロの近く」の感度を上げる為に, そういわれると分ります.理解力が悪くてごめんなさい. そうですね.それならθが90度でも納得がいくような気もします.

>原理図における二つのコイルの角度はどの様になっていますでしょうか? 口では説明しづらかったので画像をアップしました. よろしかったら参考にしてください.

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

zoro さんのレス (2007/08/31(Fri) 12:06)

さえさん,

もしも,高校生さんでしたら,トルクの式の角度θの定義と,ご自分の絵で書かれた関係を良く見て,判らない点をご質問くださいね.

もし,大学生さんでベクトルの外積をご存知でしたら,天下りですが,すこし毛色の変わった説明があるのでしてみます...が.

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

スパイク さんのレス (2007/08/31(Fri) 21:39)

こんばんは.

さえさんへ,

原理図を出して頂き有難う御座います. 磁力線の向きと強度が分かれば宜しいのではないでしょうか? #磁力線は,目に見えませんので,可視化が必要なんです.

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

さえ さんのレス (2007/08/31(Fri) 22:54)

>高校生さんでしたら,トルクの式の角度θの定義と,ご自分の絵で書かれた関係・・ はい,ではまた質問させてください.

θはコイル面の法線が磁界の方向となす角ですよね. この図でいうとコイルは斜めに傾いているので,その法線と磁界の方向との角度は90°ではないんじゃないかな..と思ったんです.

・・あと,自分で書いておいてなんなのですが・・磁石から出てるななめ向きの矢印は何を表わしているのですか?

>磁力線の向きと強度が分かれば宜しいのではないでしょうか? 磁力線は磁界の方向とはまた違いますか? なぜ磁力線の向きと強度が分かれば90度ということになるのでしょうか?

ごめんなさい; なんだか混乱してきました.

もう一度ゆっくり考えてみます. よろしければまたお返事ください.

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

yama さんのレス (2007/08/31(Fri) 23:53)

図をよく見てください. コイルは円筒形の鉄心に巻かれていて,その外側に円筒形の凹面をもつ磁石が配置されています. そのため,磁場はN極側では円筒の中心に向かい,S極側では円筒の中心から外側に向かいます.(図の矢印は磁場の向きを表しているのだと思いますが,S極側は間違っているようです.) そのため,電流計の測定範囲内では,θはほぼ90度に保たれていると見なせます.

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

zoro さんのレス (2007/09/01(Sat) 00:07)

>>高校生さんでしたら,トルクの式の角度θの定義と,ご自分の絵で書かれた関係・・ >はい,ではまた質問させてください.

判りました.お書きになった図に近い説明が,今年度版の三省堂の高校の物理II,pp136-137に,「2編電磁気/3章電流と磁場/3. 電流が磁場から受ける力/Dコイルが磁場から受ける力」という項目で説明されています.

それにしても,電流と磁場との関係は,ベクトルの外積で表現されるのですが,それなしに,ローレンツ力まで説明されていて驚きですね.めげずに前進して下さい.

>θはコイル面の法線が磁界の方向となす角ですよね. >この図でいうとコイルは斜めに傾いているので,その法線と磁界の方向との角度は90°ではないんじゃないかな..と思ったんです.

お書きになった図で,11時くらいの方向を向いた矢印がありますが,此れがコイルの法線だと考えていいと思います.で,コイルの回転軸は,「ABの中点」と「CDの中点」とを結んだ線分だと思います.

磁場はN極からS極へ向かうので,図では左から右へ向かっています.従って,図の場合,θ〜-30°を示していると思います.なお,簡単には磁場は均一だと考えて良いと思います.ところが,

>・・あと,自分で書いておいてなんなのですが・・磁石から出てるななめ向きの矢印は何を表わしているのですか?

と,良いとこに目がいってますね.

先に示した教科書では,pp162-163,「4章電磁誘導と電磁波/3. 交流/A 交流とその発生」で,磁石の形状が平面でなく,コイルから同心形状にえぐられた形状が図示されています.要は,コイルの角度が,大きくなっても磁場が急速に下がらないような形状を示唆したいのだと思います.

従って,S極の近くの小さな矢印は,「←」よりも逆の「→」にした方が良い様な気がします.

#最近のデジタル・マルチ・メータでは「針」とは無関係ですが,昔のアナログ型テスターは,目盛りが一定角度で目盛りがされずに,非線形でした.磁石も弱く,形状も小さかったので線形領域が狭かったのだろうと,いまごろ気づきました. #物理実験の時に,実験チュータか教官の方にでも聞いて,アナログ・テスタを見せてもらうと良いかも知れませんね.

【追伸】

書かれた図で,11時の方向に向くとすると,電流の向きが逆の様な気がします.「丸印の中に×」のマークは,電流がAからDに向かっている事を意味しますね.図の面から向こう側,ディスプレイの中に向かった電流ですから,ADは,下向きの力を受けるようになります.

この際は,電流方向を逆にした方が,混乱しないように思います.

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

yama さんのレス (2007/09/01(Sat) 00:43)

角度θの解釈で誤解が生じているのかもしれません. θは,電流と磁場のなす角度ではなく,コイルにはたらく力とコイルの面との角度です.このとき,回転軸から力の作用線までの距離が \frac{a\sin\theta}{2} になるので,トルクが IBSsinθ になるわけです.

zoroさんへ

電流の向きは,図の通りでよいと思います. 電流が増加すると,ADが受ける下向きの力が強くなるのでコイルは時計回りに回転し,そのため指針(11時方向の矢印)が右に動くわけです.

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

zoro さんのレス (2007/09/01(Sat) 01:36)

学年によらず,ベクトルの外積が判っている時にトルクをどう考えるかを示しておきます.

<pre> 【コイルの平面図】

回転軸 │ │ C │ D ┏━━━━━━━━━━━━━┓ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃電流I↑〜〜手前に向かう; S=ab ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃電流I→ ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━┛ B │A │ │

</pre>

この時,コイル面の法線の面ベクトル, \vec S を;

\vec S := \overrightarrow{\mathrm{BA}} \times \overrightarrow{\mathrm{AD}}

と定義します.

このベクトルは,大きさは「ab」で,向きは,右ねじの法則に従って,画面から手前に向かった垂直な方向.

直感的には,コイルを流れる電流(一種の循環電流)が中心点に作り出す方向を向いた方向に,そのコイルの断面積を乗じたもの.

磁気(双極子)モーメント, \vec m として,

\vec m :=  nI\vec S

とします.

直感的には,これが,薄い磁石と等価だと考えていいと思います.

まさに,磁石を糸で吊り下げて,磁場中に持って行くとトルクを受けて回転する訳です.磁気(双極子)モーメント, \vec m も均一な磁場に於かれると,トルクを受ける;

\vec T = \vec m \times \vec B

丁度,重力中のコマが歳差運動運動するのに類似していると思います.

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

スパイク さんのレス (2007/09/01(Sat) 02:10)

さえさんへ,

>>磁力線の向きと強度が分かれば宜しいのではないでしょうか? >磁力線は磁界の方向とはまた違いますか?

若干の表現の違いはありますが,基本的に同じです.

>なぜ磁力線の向きと強度が分かれば90度ということになるのでしょうか?

この辺につきましては,別件で席を外している間にyamaさんが記述されておられます. #詳細検討されておられるようで,間違いは見受けられません.

トルク(偶力)については,zoroさんのご説明の通りとなります.

一時的に消化不良を起こされたとしても,電気を扱う場合には,知っておいて損はないかと思われます. #応用範囲が広く,現場で自作することもありますので(^^♪

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

zoro さんのレス (2007/09/01(Sat) 22:14)

yamaさん,

>電流の向きは,図の通りでよいと思います. >電流が増加すると,ADが受ける下向きの力が強くなるのでコイルは時計回りに回転し,そのため指針(11時方向の矢印)が右に動くわけです.

ちょっと前に,コメントを拝見しました.

私は,図の配置から考えて,この電流計は+/-の電流を検知するデザインと考えました;すなわち,0時方向が「ゼロ(0)電流」で,反時計方向に負の電流,時計方向に正の電流を示すと推定しました.そして,「現在の指針(11時方向の矢印)が示している(負の)電流」の方向が図に示されていると解釈しました.

確かに,鶴巻バネの設定については,図から一意的に決まらない様ですね.ちゃんとした図をアスキー・アートでかけると良いですが,ちと手間が掛かりすぎて....

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

スパイク さんのレス (2007/09/02(Sun) 21:13)

こんばんは.

電流計模式図を掲示致しました. #ご参考になれば宜しくご参照ください.

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

yama さんのレス (2007/09/03(Mon) 10:21)

確かに0時方向が「ゼロ(0)電流」になっているような電流計もありますね. しかし,一般的には,電流計としては左端近くに0点があるものが用いられていると思います. たとえば,中学や高校の理科の実験で用いるものは左端が-1A,右端が5Aになっているのが普通です. (検流計も電流計の一種と考えれば,これは中央が0になっていますが・・・) この問題で想定されているのもこのような一般的なタイプの電流計だと思います.

そこで電流計が実際にどうなっているのか実物を調べてみました. そうすると,スパイクさんの図のように指針はコイルの面に垂直になっていました. そして,電流が流れていない(指針が0を示している)ときはコイルの面が磁石の軸に対して傾いた状態でつりあっていました. 従って図の電流の向きはそのままでいいと思います.

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

zoro さんのレス (2007/09/03(Mon) 12:37)

>電流が流れていない(指針が0を示している)ときはコイルの面が磁石の軸に対して傾いた状態でつりあっていました.

この場合,コイルの面は,どれほどの角度となっているのでしょうか.

なお,センタが左端からオフセットされていれば,電流の符号に依ってトルクの符号も変化しますね.そういえば,メータのゼロ調整は,鶴巻バネを回転して調整していたのでしょうね.

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

yama さんのレス (2007/09/03(Mon) 13:58)

磁石の軸に対して35度くらい傾いていました.

蛇足ですが,「鶴巻バネ」よりは「弦巻バネ」と書くほうが適切ではないかと思います.

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

zoro さんのレス (2007/09/03(Mon) 15:15)

>磁石の軸に対して35度くらい傾いていました.

結構傾いているのですね.針の可動範囲でいえば,110°もあるのですか.そういえば,メータのクラスという分類も何かありましたが....

>蛇足ですが,「鶴巻バネ」よりは「弦巻バネ」と書くほうが適切ではないかと思います.

ご教示感謝します.「弦」の順番がとても後ろにありました(泣).

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

yama さんのレス (2007/09/03(Mon) 18:58)

アサガオなどのつるが巻いている様子から名付けられたのだったら「蔓巻バネ」としたほうがいいかとも思います. それよりも平仮名で書くのが無難かもしれません.

Re: 直流電流計の原理図を使った電磁力に関する問題

zoro さんのレス (2007/09/03(Mon) 19:30)

>それよりも平仮名で書くのが無難かもしれません.

ということで「つる巻きバネ」で検索してみました.

・検流計→「つる巻きばね」

・Galvanometer→「Restoring spring」←まんまの表現ですね.