テンソルという概念がいまいちわかりません. ベクトルや行列とは全然違うものですか?
盾矛さん,素人意見を書いてみます.
私は,最近,物理数学の見直しをしています.何十年といい加減に逃げていた数学的知識をリフレッシュする為です.
テンソルの数学的な観点からの解説は,多くのサイトで説明があると思います.問題は,物理を理解する為のテンソルの解説に,良いサイトなり図書が少ないとおもいます.そのなかで,自分として気に入った図書を下記に示します.
(1)理工系の数学入門コース3 ベクトル解析, 戸田盛和・著, 岩波書店, I SBN4-00-007773-2.
(2)基礎物理数学 第4版,vol.1 ベクトル・テンソルと行列, ジョージ・アルフケン,ハンス・ウェーバー共著, 権平 健一郎,神原 武志,小山 直人・共訳, 講談社, I SBN4-06-153960-4.
(3)理工系の数学入門コース10 微分・位相幾何, 和達 三樹・著, 岩波書店, I SBN4-00-007980-8.
などを,図書館などでご覧になって下さい.
参考までに,自分の感触を書いて見ます.
(1)は初歩からのベクトル解析なので,古典的なテンソルが簡単に出ているようです.ベクトル解析をこれから手をつけるには良いかも知れません.
ある程度ベクトル解析は出来るようになったとするならば,物理的な事例での解説には,(2)が興味深いように感じます.ただ初学者さんが始めに見る本ではない,と思います.
(3)は,野心的な教科書でしょう.もう少し数学色が薄めな方,逆に言えば物理学学徒に解り易い用語で説明したり,物理例を引き合いに出しながら解説されると嬉しいですが.でも,このような解説書を出された事,自体に敬意を表します.当然,この本は読者により,評価が分かれると思います.
詳しい説明はzoroさんのご紹介された書籍を読んでください.
> テンソルという概念がいまいちわかりません. > ベクトルや行列とは全然違うものですか?
テンソルはベクトルや行列(線形演算子)を含む概念です.
きちんと理解するには,双対ベクトル空間(縦ベクトル表示と横ベクトル表示みたいなもの)を学ばれることをおすすめします.
数学書ですが ベクトル解析30講
もあります.
toorisugari no Hiroさん,
数学色の強い本の中では「志賀 浩二さんのベクトル解析30講」は比較的に数学アレルギの少ない本だと感じました.その意味では,意外と;
(4)曲線と曲面の微分幾何(改訂版), 小林 昭七・著, 裳華房, I SBN4-7853-1091-X.
も良いかもしれません.これらの本は,物理の2年生の夏にでも,さらっと読むと頭が数学的に整理出来るようにも感じますね.自分は,来年夏に読んでみたいものです.