すごく暑い毎日が続いています.
太陽高度が一番高い夏至は6月ですが,暑さのピークは7月や8月であり,1ないし2か月ずれます. 1日でみても,太陽の南中高度が一番高いのは正午ですが,暑さのピークは午後2時ごろです. これはおそらく,暑さが地面や大気に「蓄積される」からではないかと思っているのですが,それで正しいですか?
熱量 ,質量 ,比熱 ,温度差 に対し,
という式には,時間が含まれていません.
暑さのピークがずれることを,大まかに説明ができる式はあるのでしょうか?
eKineticさん,はじめまして.
暑さのピークが6月からずれる理由はまだ深く考えてませんが, 一日単位で見た時には,日が正午頃に最も高くなって,それから 地面が暖まるまでに一時間,そこから空気が暖まるまでに一時間 ほどかかるために,最高気温は2時頃に記録されると聞いた事が あります.
非平衡系の熱力学は,まったく分からないのでどのような式が あるかは分からないのですが,熱流に関するフーリエの法則や 熱伝導方程式
といったものは役に立つのかもしれませんね.
昨日の午後から,湿度と温度が急上昇して調子を崩しました.暑気払いとして論議に加わる事にします(笑).
さらに式を拡張して,その緯度での,その日の,太陽からの直接照射平均量;
とか.あ,自転軸の傾きが正しく入っていませんが,天文が頭に入らなかったので,ご免なさい.
少し考えましたが,物理的なモデル設定がいるように思いました.
一つの提案としては,海のなかの孤島をイメージしたいとおもいます;
(1)海の中に,一定の円盤の地面があるだけ.ただし比熱は一定. (2)島と海は二次元で,熱伝導は島の縁だけで行うとする. (3)島には,太陽の直接照射があるとする. 年間の分布は単純な正弦的挙動と仮定する. (4)大気の影響や,地面から大気への熱輻射は (5)海は,1年中,一定の温度と仮定する.(データが在れば,簡単に近似) (6)島の中心を原点とし,角度依存性は無視出来るとする.
この位,条件を付けると,太陽照射量と,原点での温度との時間依存性には,一種の時間遅れ的な挙動が出て来るように思いますが.熱伝導も鬼門で....
いろいろ恐縮です.
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の最大値が, 夏至 ,このときまだ, そして, 7〜8月頃 のときに, となって, が最大になる.
といった解釈でよいでしょうか?
熱流に関するフーリエの法則や熱伝導方程式がキーワードですね.
佑弥さん, zoroさん, スパイクさん,ありがとうございました.
日本では梅雨の影響が大きいようです.雨で冷やされる事になりますから.
温度が高くなるためには晴天が続くようにならないと行けません.これのしくみはまた別のことでしょう. 太平洋高気圧が日本を覆ってしまうような気圧配置がどうして夏に実現するのかについては説明が付いているものだろうとは思いますが私はよくしりません.
熱伝導だけの問題ではないだろうと思います.
本当に暑いですね. 関東地方は今日は特に暑かったようです. 記録的暑さだと言っていました.
考えてみたのですが,やはりeKineticさんが指摘されているように熱の蓄積が, ピークの時間のずれを生むようです. 簡単な微分方程式で,地面が温まるモデルを作ってみました.
みたいな感じでいかがでしょう? Cは熱容量で, は一日の長さ, は適当な正の定数です.
は外界の温度(気温)でその項は,熱伝導による温度の低下因子です.
の項は,太陽による加熱で, ですね.
解くと,初期条件に依存する積分定数Dを使って,
です.
D=0として,特解だけみると, 確かに,太陽の高さと同じ変化をするsinの項に 熱の蓄積を表す-cosの項が加わって,太陽の変化に少し遅れて(位相が遅れて) 温度が変化する様子が分かりますね.
熱の蓄積といったのは, 外界との熱の出入りを遮断する(α→0)とすると, となって残る項だからです. 熱が逃げていかないので温度は高くなるばかりで,日没の時(sinの位相がπになるところ, の時)に極大を迎えます.
あとは熱放射による温度低下(-T^4に比例する項)を加えたらもっとよさそうですが,解けそうにないので考えませんでした(^^;)
>zoroさん 失礼しました. 僕が解いた方程式は, zoroさんがすでに提案されていましたね (^^;
あと,後で何回か修正してますので,もし読んでしまっていたとしたら, 読み直してみてください.名前間違えたりしてました(縮) 最終修正は,9時ころでした.
クロメルさん,流石に速いですね.
このような「漠」とした疑問から,段々と「背後に隠れている堅い疑問」に迫るときの色々な検討法や知識を集めて行くのが面白いと思います.
私は,式を解くのが下手で,しかも遅いので,クロメルさんの計算には興味がありますよ.勉強の合間に,リフレッシュしてね.
クロメル さん
>
>D=0として,特解だけみると, 確かに,太陽の高さと同じ変化をするsinの項に 熱の蓄積を表す-cosの項が加わって,太陽の変化に少し遅れて(位相が遅れて) 温度が変化する様子が分かりますね.
つまり, が最大になってから,
となる だけ,位相が遅れて が最大になる,ということですね.
すごくイメージがつかめました. モデルを作って微分方程式を立て,それを解いて検討するという方法も,よくイメージすることができました. ありがとうございました.
komagatakeさん,zoroさんにも,重ねてお礼申し上げます.
eKineticさん,
またご自分のノートにノウハウが蓄積されましたね.
ただ,今回の問題は,まだオープン・クエスチョンだとおもいます.とくに,クロメルさんがお書きになった; >解けそうにないので考えませんでした(^^;)
ここに注目するべきだと思います.この手の問題には,正解と書かれた答えが在りません.モデルや解析手法が正しいかどうかは,実験値との突き合わせ,モデル化の妥当性,積分の是非などを検討するべきだと思うからです.
でも,夏休みに「獏とした疑問」から,粗くてもいいから微分方程式や,その解が出るのは面白いですね.物理数学が慣れて来たら,一日での変動,月ごとの変動に遅れが出て来るのを確認出来ると良いですね.
イメージができたということでよかったです.
僕もこのモデルについて考えた時,これなら解けるかもと思い, つい解いてしまいました.もっとも,僕がその投稿をする前にもうすでに定性的な問題はほぼ解決していたようですが.
zoroさんが指摘されているのは,モデルを考える時にはいつも付きまとう事ですが,少なくともT^4の項を入れた場合には,そんなにTの振る舞いは変わらないと思います. しいていえば,高温領域の温度低下の傾きがすこし急になるくらいでしょう. こんなこといっても,じゃあ,攪拌による温度変化をいれたらと,どんどん複雑になっていきますが…
でも,現実を説明できるかどうかは別としても,解けると嬉しいですよね.説明できているかもしれないとなれば,なおさらです :)
zoro さん: >またご自分のノートにノウハウが蓄積されましたね.
まったくその通りです.皆さんに感謝します.
>粗くてもいいから微分方程式や,その解が出るのは面白いですね
物理の目的はおそらく,ある量を,時間や位置の関数として表現することなのだと思います.その関数が,いきなり,直接求まればいいのですが,それが,ほとんどできないのでしょう,きっと. でも,ある時刻・ある位置の量と,それから微小時間・微小距離違った時刻・位置の量との関係ならわかることがあって,その表現が微分方程式なのだ,と思っています.
となると,物理のスタートはいつも微分方程式であって,それを何とか積分することが目的(やるべき方向)ということなのでしょうか?
式がたくさん出てきて私には理解しづらいです. ただこの式でどの程度の遅れを想定するのかという対応のところが難しいと思います.どなたの式も雨のことは考えていませんので実際のデータから雨の効果を差し引いて対応させる必要があります.その場合は1ヶ月でしょうか,2ヶ月でしょうか.私は1ヶ月以内だと思っています.
理科年表,気象の部に「月別平均気温」,「日最高気温の月別平均値」,「日最低気温の月別平均値」が載っています.(私の持っている版が古いので1961年〜1990年の30年間の平均です.)
沖縄の那覇ではこの3つとも最高温度は7月になっています. 沖縄では梅雨明けが早いからだと地学の本では解説されています.本州での梅雨明けは7月下旬です. 沖縄では梅雨が早く始まって早く終わります.それで最高温度は7月に来るということですので雨がなければ最高温度は7月に入ってすぐではないかなと推測しています. 7月,8月,9月で考えると非対称ですね.9月の落ち込みがきついです.これは台風のせいでしょう.
世界の月別平均気温で見ると7月が最高温度というところが多いです. 南極では最高温度は1月です.
komagatakeさん,
理科年表2007の気象の部を始めて,詳しく見てみました(汗).その内, ・気温の月別平均値(1971〜2000年までの平均値,p172), ・降水量の月別平均値(1971〜2000年までの平均値,p184). から,東京都と八丈島をプロットしてみましたが,気温はどちらも似た様子です.降水量は,愕然とした違いがありました.
八丈島の場合,海との相互作用が大きそうなので,「海水の月別平均値」があると面白そうです.海水温度といういみでは,pp322-323に「日本近海の海面水温度2月,8月」があります.結構な領域で,等温線が緯線に並行であるのを見て,驚いています.
雨については,考えませんでしたね. 温度変化を鈍くする方向に働くのですかね.
あと,僕が想定していたのは,一日の日中の温度変化でした.
月別温度変化となると,高気圧や低気圧の複雑な動きを考えなければなりませんね.
確かに日本の場合,島国で海に囲まれている要素が大きそうです.
えっと,地理を習った感じだと,夏は太陽が比熱の低い地面(中国とかロシアのあたり)をよく温めるので,そこで上昇気流が発生,陸は低気圧が発生します.逆に温度の低い海では,高気圧が発生し,これが太平洋気団(高気圧)です 逆に冬は,陸地にシベリア気団(高気圧)が発生しますね.
この説は,よくおぼえていないのですが,僕が勝手に考え出したもので, 勝手に納得しているだけかもしれません. ただ,海風とか陸風という用語があった気がします.これは,昼と夜に吹く風だったかな?
参考にどうぞ.
>あと,僕が想定していたのは,一日の日中の温度変化でした.
やや推測モードですが,DC電源の過渡現象で,交流の半波を次から次に加えながらRC系に電荷を加えて行きますね.此れを始めて計算した時に,十分時間をかけると定常状態になり,フラットなのかと思っていたら,半波の中での「充電/放電」の部分が未来永劫に消えないのが解りました.もしそれを取るとすると,無限大のCがいる事になります.
重要なのは,半波での「充電/放電」の時定数と,過渡現象でのエンベロープの時定数が同一の時定数である事です.
これを,熱モデルに対応すると,日々の自転起源の温度変動の時定数が全体的な変動にも強く関わって来る事があると思います.勿論,その変動に,地軸のずれにもとずく,1年周期の特性がユックリと変調を掛けていると思います.
理科年表には,月平均データしかないので,自転起源の温度変動は論議出来ませんが,日平均データなどが入手出来れば,面白いかも知れませんね.
自分で書いておいてなんですが, 夏と冬の高気圧と低気圧の話はかなり胡散臭いです. 高気圧についてのリンクを張っておきます.
高気圧にもいろいろあるんですね.
シベリア高気圧には,当てはまっているようですが, 太平洋高気圧は,全然違う理由のようです.