力のモーメントの釣り合いに関して

力のモーメントの釣り合いに関して

toki さんの書込 (2007/07/29(Sun) 09:59)

昔大学で物理を少しかじったことのあるものです.年配の男性です. 子供から聞かれて一瞬困ったことがあり,一応の結論はあるのですがよろしければお答えください.

一様な直線状の円筒の棒があります.重心を指で支えると釣り合います. それで,棒を少し傾けて静止させ,手を離すとまた元に戻ろうとします. これは力のモーメントが釣り合わなくなるために生じると思ってました. しかし,よくよく考えると重力の力のモーメントは釣り合っているんですよね. この元に戻ろうとする力のモーメントはどうして生じるのでしょうか.

同様のことを精度の高い実験で行うと,傾いた棒は傾いたままで静止し続けると思われます. いかがですか?

Re: 力のモーメントの釣り合いに関して

イレフト さんのレス (2007/07/29(Sun) 10:36)

棒がもどるのは支点に大きさがあり,棒に太さがあるので微小に動かしたときに 重心が支点から動くからでしょう.

図を書くと簡単に説明できるんですが.. 半円の上に長方形を置いた図で考えてみるといいかと.

Re: 力のモーメントの釣り合いに関して

zoro さんのレス (2007/07/29(Sun) 17:23)

ちょっとコメントをさせて下さい.

少し前に,類似の論議がありました.その時には思い出せなかった事です;

船の安定性は,浮心が重心よりも高い位置にある事が大切です.ヨットのように高い位置まで質量分布があり,重心が高い場合,水面下に深い位置の錘をつけて重心を下げていると思います.

また,服のハンガも吊り下げる「?部分」のカギ部が上方に力を受けて,事実上の「浮心」に対応して,左右の肩の部分が重心を低くしているのだと思います.

Re: 力のモーメントの釣り合いに関して

komagatake さんのレス (2007/07/30(Mon) 06:42)

指でというところがポイントではないかなと思います.

普通に考えると重心が支点の上にある場合ですから回復力の働かない不安定な釣り合いになります. 今指で鉛筆を支えた場合とサインペンで鉛筆を支えた場合とを比べています.指で支えた方には回復力があります.

イレフトさんの書かれている様に半円の上に長方形を置いた場合で考えます. 「滑らない」という条件があれば円に沿って少し回転しても元の重心による回復力が出てきます.滑れば元に戻りません.摩擦が決め手だということになりそうです.

前の議論で私が出した例は棒の重心が支点の下にある場合です.太さも質量も考えない線で棒を表していると回復力が出てきません.どこでも釣り合ってしまうという事になり,「?」を感じることになります.この場合は釣り合っているのか,釣り合っていないのかが視覚的にはわからないということになり秤として意味をなさなくなります.

Re: 力のモーメントの釣り合いに関して

toki さんのレス (2007/07/30(Mon) 22:17)

>ZOROさん >komagatakeさん

どうもありがとうございました. 以前にも同様の質問があったのですね.過去スレをよく読んでおりませんでした. 失礼しました..

Re: 力のモーメントの釣り合いに関して

zoro さんのレス (2007/07/30(Mon) 22:28)

tokiさん,

それは;

>釣り合い 信号男さんのスレッド:- 2007/07/19(Thu) 20:15 No.17005

です.ご参考まで.

Re: 力のモーメントの釣り合いに関して

トンガリ さんのレス (2007/07/31(Tue) 13:49)

一様な直線状の円筒の棒をですが,

1.幅2B=6mmの水平面の上に棒を置いて釣り合いを取るのは容易である. その理由は,置き誤差±B=±3mmだけ許されるからである. 不思議でもないが,置き誤差±B=±3mmの範囲内に棒の重心を置くなら, 棒を少し傾けて置いても手を離すと水平に戻る. 詳細には棒の直径d=10mmで傾き±θ=±15度の場合,傾きによる重心のズレ ±0.5d・sinθ=±約1.3mmも置き誤差±B=±3mmの範囲内に置かなければならない.

2.ナイフエッジの上に棒を置いて釣り合いを取るのは困難である. その理由は,置き誤差±Bは狭い範囲しか許されないからである.

3.問題の指の上に棒を置いて釣り合いを取る場合の困難さは如何に・・・ この場合は上記1.の水平面に似せて 許される置き誤差±Bを検討するべきである. 指の円筒面も直径を大きくすれば水平面に近付くのだから・・・この間に連続性があるはず.

指と棒の摩擦角θ=15度(摩擦係数μ=0.27に相当) 指の直径D=20mm 上記の条件で 許される置き誤差±Bを計算すべし.

不思議に見えるかも知れないが,置き誤差±Bの範囲内に棒の重心を置くなら, 棒を少し傾けて静止させ手を離すと水平に戻ろうとする場合も起り得る. 手を離した瞬間に未だ釣り合いが取れていなければ動かざるを得ない.

精度の高い実験でも,傾いた棒は釣り合いが取れる方向に傾きを変える. 直径105mmの鉄鋼製研磨円筒の上に長方形450mmx60mmx5mmのベニヤ板を載せる実験結果は 傾き±10度以内で釣り合わせるのは一回の試みで成功するほど容易であった. 傾き±15度近くでは滑り落ち易いので数回も試みてやっと成功した.

Re: 力のモーメントの釣り合いに関して

komagatake さんのレス (2007/07/31(Tue) 19:09)

komagatakeです.

トンガリさんの書かれている事と私の書いたこととは似ていますがよく読むと違います. 私は釣り合いの安定性について書いています.外力を加えて釣り合いの状態から少しずらします.その外力をなくしたときに元の位置に戻るかどうかです.これは釣り合いの位置に幅があるかという問題とは同じではありません.

改めてtokiさんの文章を読み直しました.

>一様な直線状の円筒の棒があります.重心を指で支えると釣り合います. それで,棒を少し傾けて静止させ,手を離すとまた元に戻ろうとします.

質問は「手を離すともとの位置に戻る」という事から復元力(安定した釣り合い)を問題にしているのだと考えられます.

トンガリさんの書かれている場面で考えます. 指の上で水平になっている場合Aと斜面で斜めになって釣り合っている場合Bとが可能です.釣り合いの位置が一点ではありません.棒の重心は接点の上にあります.接点が移動すれば重心も移動させなければいけません.AからBに移るためには棒を置き直す必要が必要です.(置き直しをしない場合は指を回転させる必要があります.)

私が書いた場面では釣り合いは一点です. 釣り合って水平になっているとします.(この釣り合いをどれだけ簡単に実現できるかというところには支点の幅が関係します.) 外力を加えて円に沿って回転させます.(これは当然支点の幅を超えてです.) この時接点は移動しますが棒と円の相対的なズレは起こっていません.外力を取り去ると元の位置に戻ります.この時元の位置を中心とした振動が見られます.鉛筆でやっても割り箸でやっても振動を見ることが出来ます.棒の重心の位置は円に対してずれていませんので回復力が出てきます.(棒を左に傾ければ重心は接点(支点)の右側に来ますので右回りのモーメントが生じます.) この時滑るとダメですから摩擦力が関係します.でも斜面で止まっているのではありませんのでトンガリさんの場合と状況が異なります.

>不思議に見えるかも知れないが,置き誤差±Bの範囲内に棒の重心を置くなら,棒を少し傾けて静止させ手を離すと水平に戻ろうとする場合も起り得る.

トンガリさんは「水平に戻る」ということをまだ説明出来ていません.場面設定が異なるからです.

8/16:30

>トンガリさん 修正,加筆された場合はそうしたことがわかるような表現をお願いします.初めから書いてあった事との区別のつかないような修正をされると初めの文章に対して書いたことが具合が悪くなることがあります.

最後の5行分が追加で1行削除されていますね.

Re: 力のモーメントの釣り合いに関して

トンガリ さんのレス (2007/08/01(Wed) 06:15)

改めてtokiさんの文章ですが, >よくよく考えると重力の力のモーメントは釣り合っているんですよね.

支点を左手の人差し指だとすると,手は右手と理解します. 手を離す前の<棒を少し傾けて静止させ>た状態での手の力のモーメントを私は無視しないので, 【よくよく考えると重力の力のモーメントは未だ釣り合っていないよね.】と私は訂正して理解する.

すなわち,tokiさんの上記の文章は誤りである.したがって,tokiさんの続く文章 >この元に戻ろうとする力のモーメントはどうして生じるのでしょうか.も誤りで,正しくは 【手を離すと初めて,重力の力のモーメントだけで釣り合う方向に動きだす.】でしょう.

釣り合う方向に動きだすを言い換えれば復元力が働くです. 重力の力のモーメントだけで釣り合っている状態を外力で乱されれば,復元力が働くのは当然のこと. 復元力が働くには,棒が円筒状の指から滑り落ちないことが必須条件です.ただそれだけの事です. だから私は,滑り落ちない置き範囲と関連して置き誤差±Bを重視したのです.

滑り落ちさえしなければ,少し傾けて静止させ手を離すと水平に戻ろうとする場合も起り得る. 「水平に戻る」ということは説明するまでもなく,上記に当然とした復元力に依る現象です.

Re: 力のモーメントの釣り合いに関して

トンガリ さんのレス (2007/08/01(Wed) 11:47)

補足:水平でなく,摩擦角の範囲内で傾いて釣り合っている場合の, 接点で棒に働く反力と摩擦力によるモーメントの影響を検討してみた.

接点で棒に働く反力と摩擦力の合力は必ず鉛直上向きになることから, 棒の重心が接点の鉛直上方にある限り,棒の重心周りのモーメントはゼロとなる.

すなわち,水平にしろ傾いているにしろ, 釣り合っている時は,棒の重心は接点の鉛直上方にある.