作用・反作用の法則がなかった場合,万有引力や慣性の法則にどんな矛盾が生じるでしょうか?
作用反作用がないと,運動量が保存されないでしょう.慣性の法則にはとりあえず関係ないんじゃないでしょうか.
第一法則は基準系の設定です.
第二法則は質点に外力が働いた場合の運動についてです. 物体は大きさと質量を持ちますが大きさを考えていません.
第三法則は物体の大きさ,構造を考えるためのものです. 物体Aに外力が働いてある運動をしたとします.その運動は第二法則を使って知ることが出来ます.この時この物体が実は二つの部分A1,A2からできていたと考えます.Aとしての運動とA1,A2と分けて考えたときの運動は同じもののはずです.A1,A2の分け方は任意です.この要請を満たすためにはA1,A2の間に働いている力にどの様な条件が必要かというのが作用・反作用の法則です. トラックの荷台の荷物はトラックの質量の一部と考えても,別々と考えてもトラックの運動には影響しないはずだということになります.
こういう風に私は考えています.1,2,3という順番は自然だと思います. 30〜40年ほど前,第3法則を一番前に持ってきて説明するというのを採用している高校の教科書がいくつかありました.静力学の釣り合いが一番直感的にわかりやすいということから考えられたものでしょう.これがいいと言っていた大学教授がいたということでもあります.運動の法則ですから運動に特徴があります.運動を避けて静止にこだわるという立場で力学を説明しても結局はわからなくなるということになってしまいます. 慣性の法則という言葉の使われ方もガリレオの相対性以前という印象を持っています.
物体の2つの部分が同じ運動をする場合は,komagatakeさんのように説明できると思いますが,そうでない場合,たとえば物体が回転する場合や,変形できる物体の運動の場合はkomagatakeさんのように説明することはできないでしょう. 作用・反作用の法則が成り立たっていることを推測させるための例としては,komagatakeさんのような説明が役立つと思いますが,一般の場合には,やはり法則として理解させるのが,高校の段階では適切だと思います. もちろん大学では空間の一様性に関連させて理解すべきでしょう.