微分記号

微分記号

yamainu さんの書込 (2007/07/22(Sun) 15:26)

こんにちは.よくこのサイトを参考にさせてもらってます 質問があります. 微分方程式のところを見ていた時, 両辺にdxをかける,という表現がありましたが,このような計算を していいのはなぜですか?dy/dxで一つの記号ではないのでしょうか

dy/dxを分数のように扱うのはぼくも自然とやっていたのですが, イマイチわからなくなってきました

Re: 微分記号

zoro さんのレス (2007/07/22(Sun) 17:13)

yamainuさん,初めまして.

数学はあまり詳しくないのですが,手元に今年度の高校の教科書,「新編 数学III,数研出版,ISBN4-410-80165-1」があり,そのp137に,「発展学習指導要領の範囲外の内容/3. 微分方程式」のなかに,次の様な例題が示されていますので引用します.

〜〜〜〜引用開始〜〜〜〜

● 例6kを常数とする時,次の微分方程式を解いてみましょう.

y'=ky \tag{1}

[1] 定数関数 y=0 は明らかに解である. [2] y \ne 0 のとき,方程式を変形すると

\frac{1}{y}\cdot \frac{d y}{d x} = k \tag{2}

よって

\int \frac{1}{y}\cdot \frac{d y}{d x}d x = \int k\ dx \tag{3}

左辺に置換積分法の公式を適用すると

\int \frac{1}{y}dy = \int k\ dx \tag{4}

故に....

以下略.

一般に,

f(y)\frac{dy}{dx}=g(x), \tag{a}

の形に変形出来る微分方程式の解は,次の等式から求める事が出来る.

\int f(y)dy=\int g(x)dx. \tag{b}

〜〜〜〜引用終了〜〜〜〜

私見では,式(a)と式(b)の間には,式(a)の辺々に dx を掛けると,

f(y)dy=g(x)dx, \tag{b'}

のように,左辺は y だけの関数,右辺は x だけの関数に分離出来るので,次式のように左右独立に積分が可能となる.

#このような場合を,変数分離型の微分方程式と呼ぶ.

といった説明の方が,直裁であるように思います.

〜〜〜

元に戻って,式(1),

\frac{dy}{dx}=ky \tag{1}

の辺々に dx を乗じ,yで除すれば,;

\frac{1}{y}d y = k\ dx \tag{2'}

だから,辺々を,それぞれ独立に積分出来るので,次の式(3)が得られる,以下略.

とした方が,式の視認性は向上すると思います.

〜〜〜

詳しくは,数学の詳しい方のご説明をお待ち下さい.

Re: 微分記号

Joh さんのレス (2007/07/23(Mon) 01:46)

yamainuさん,

(yが微分可能で,dy/dxが一つの値に決まるという前提のもと)dy/dxは,dyとdxの分数だと思ってよいです.微分とは,そもそも?yと?xの比の極限です.この記号法はライプニッツ考案によるものですが, \dot {x} と書くニュートンのものよりも,分数のように計算できるという点で便利だし,微分の意味が明快だと思います.