無題

無題

カイ さんの書込 (2007/07/20(Fri) 11:57)

こんにちは. いままで,シュレディンガー方程式と条件の関係を気にせずに, どんどん条件を使っていたのですが,未知数と条件の数の関係を知りたくなりました. 未知数は基本的に,固有値Eが一つ,二階微分による定数が2つ,の3つだと思うので, 境界条件が3つあればいいのかな,と考えましたが, 実際は,境界条件2つと規格化条件1つで決まる場合もあります. しかし,規格化条件は波動関数特有の条件なので,他の2階微分固有値方程式だとどうなのか疑問です. また,有限な井戸型ポテンシャルの場合は,波動関数が滑らかである条件(これも境界条件の一種でしょうか?)でグラフからEは求まりますが 任意定数は最後までもとまらなかったりして,ますます,未知数と条件の関係がわからなくなります.

支離滅裂な文章で申し訳ありません.

Re: 無題

yama さんのレス (2007/07/20(Fri) 14:41)

シュレーディンガー方程式は偏微分方程式なのでその解は一般には任意関数を含みます.

特別な場合として,1次元の定常状態の方程式は2階の常微分方程式になるのでその解は2個の積分定数を含み,境界条件や規格化条件によって決定されます. 同時に,エネルギー固有値も境界条件から決まりますが,これは積分定数として現れる定数ではなく,初めから方程式に含まれている未定の定数です. すなわち,この場合は3つの条件(2つの境界条件と規格化条件)によって3つの定数(エネルギー固有値と2つの積分定数)が決まるわけです.規格化する場合は,3つの境界条件を課することはできません. また,条件が足りなければ,未定定数が残る場合もあります.

Re: 無題

カイ さんのレス (2007/07/20(Fri) 20:23)

返信ありがとうございます >同時に,エネルギー固有値も境界条件から決まりますが 同時に,というのは,この条件で任意定数が決まり,この条件で固有値が決まる というようなことでなくセットで決まる,ということでしょうか.

弦を2箇所固定すると,定常波が現れることからも,2つセットの境界条件があって 2番目の境界条件で固有値が決まる,ということであってますか?

でも,調和振動子の「波動関数が発散しないためにエルミートの漸化式が途中で切れる」 というのは条件が一つなのにエネルギー固有値が求まってしまいます.

Re: 無題

yama さんのレス (2007/07/21(Sat) 00:12)

>同時に,というのは,この条件で任意定数が決まり,この条件で固有値が決まる というようなことでなくセットで決まる,ということでしょうか.

エネルギー固有値は境界条件によって決まり,規格化条件には無関係ですが任意定数については一概には言えません. 簡単な場合として,1次元のポテンシャルの箱で,外部のポテンシャルが無限大の場合を考えましょう. この場合の解は, \psi=A\sin(kx+\alpha) と表されます. ただし, k はエネルギー固有値に関係する定数で A\alpha は任意定数です. 境界条件によって k\alpha が定まり,次に規格化条件によって A が定まります. 一方,a,bを任意定数として, \psi=a\sin kx+b\cos kx の形に表すこともできます.このときはa,bのどちらかが0になる場合を除けば,境界条件と規格化条件を同時に用いることによっててa,bが決まることになります.

>弦を2箇所固定すると,定常波が現れることからも,2つセットの境界条件があって 2番目の境界条件で固有値が決まる,ということであってますか?

これも同様に考えれば,2つの境界条件によって固有値が決まることになりますが,2番目の境界条件で決まるとは必ずしも言えないと思います.

>でも,調和振動子の「波動関数が発散しないためにエルミートの漸化式が途中で切れる」 というのは条件が一つなのにエネルギー固有値が求まってしまいます.

境界条件は+∞と-∞で波動関数が発散しないということなので,これは2つの条件です.さらに規格化条件を合わせると,全部で3つの条件があります. この3つの条件によって,エネルギー固有値と2つの任意定数が定まります. と言うと2つの任意定数はどこにあるのかと思われるかもしれませんが,これは級数の各項の係数として含まれています.もちろん係数は無限個ありますが,初めの2つが決まれば残りの係数は漸化式によって決定されるので,任意定数は2つだけです. なお,境界条件を満たすためには有限個の係数を除く残りの係数がすべて0にならないといけないことはご存じの通りです.

Re: 無題

カイ さんのレス (2007/07/21(Sat) 00:20)

詳しくありがとうございます. 調和振動子については納得しました.

任意定数は,一つの条件で決まりますが 固有値を決めるには,一つの固有値でも2つの条件がないと駄目なのでしょうか? もちろん,2つの条件のうちの一つが任意定数を決めるというのはわかっていますが,一つだけの条件で固有値を決めるのは不可能ですか?という意味の質問です.

Re: 無題

yama さんのレス (2007/07/21(Sat) 01:06)

それはできないと思います. x軸上の1点だけで波動関数の値または波動関数の微分の値が分かっても,それだけではエネルギー固有値は決まらないと思います.

Re: 無題

カイ さんのレス (2007/07/21(Sat) 22:52)

なるほど・・・. 未知数の数と条件の数については,一対一に対応している(未知数の数=条件の数)なのに,固有値は2つセットの条件じゃないと決まらないんですね・・・. なんか不思議です.数学的なちゃんとした理論があるのでしょうか. 物理的に考えれば,2つの境界条件を課すということは,粒子を束縛することだと思うので納得できますが.

しかし,今まで闇雲に解いていましたが,なんとか整理できました. ありがとうございました.