釣り合い

釣り合い

信号男 さんの書込 (2007/07/19(Thu) 20:15)

釣り合いに付いての質問ですが,

○―――◎――――――○ 重り支点重り

上の図のような状態で釣り合っている物体の場合,この物体を45度傾けて手を離すと上の物質は水平に戻ろうとするのか,それとも45度に傾いたままなのかを教えてください.

条件としては 重力がかかっている 棒の重さは考えない 支点の抵抗は考えない

基本的過ぎる質問で申し訳ありませんがよろしくお願いします.

Re: 釣り合い

Pepper さんのレス (2007/07/19(Thu) 20:41)

重り−支点−重り が一直線上にあるのなら,全体を傾けてもそのままつりあいます.二つの重りの重心が支点に重なるからです.

Re: 釣り合い

信号男 さんのレス (2007/07/19(Thu) 22:05)

Pepperさんありがとうございます. 水平での釣り合いの説明は他のサイトなどでも見かけたのですが,斜めになった時の釣り合いについての説明が見当たらなかったので質問させて頂きました.

あと,この場合の位置エネルギーについても少し質問したいのですが,位置エネルギーは重心に全て掛かっていると考えれば良いと思うのですが,45度に傾いた棒の両端に着いた重りの位置エネルギーを別々に考えた場合,

上の重りの位置エネルギー+下の重りの位置エネルギー=重心の位置エネルギー

なのか

釣り合っている状態=重りの「重さ」は0と考えて,重りの移動による仕事量は発生しない(慣性による仕事量は相殺される)と解釈してただ, 重心の「重さ」×高さによる位置エネルギーが存在すると考えるのかどちらなのでしょうか?また両方違うのでしょうか?

「重力の作用点は重心」という定義を考えると無意味な質問かもしれませんがよろしくお願いします.

Re: 釣り合い

イレフト さんのレス (2007/07/19(Thu) 23:20)

どちらも間違いとまでは言いがたいですが,前者のほうが物理的な理解としていいでしょうね.

左の重りをm1,右をm2,棒の長さをlとかして重心を求めて適当に角度が変化したときの左右それぞれの重りの位置エネルギーの変化を実際に計算してみたらどうでしょう?そうすればよくわかると思いますよ.

Re: 釣り合い

電車MAN さんのレス (2007/07/21(Sat) 20:24)

横からすいません. 回答について,少し質問をさせてください.

○―――◎――――――○ 重り支点重り

上の図のような状態で釣り合っている物体の場合,この物体を45度傾けて手を離すと上の物質は水平に戻ろうとするのか,それとも45度に傾いたままなのかを教えてください.

条件としては 重力がかかっている 棒の重さは考えない 支点の抵抗は考えない

上記の条件を,無重力空間で行なっていて,左右の重りに釣り合った時と同じ力に見合った力を加えている(重力がないので)と考えれば,45度に傾けたときそのままの状態で釣り合うと私も思いますが,地上で上記と同じ実験を行った場合もそのまま釣り合うのでしょうか?もちろんそのときは,力を加えるのではなく,重りの重さと重力を使います. 地上(重力下)で実験を行った場合,傾けた左右の重りには高さの差が生じます.その結果,左右の重りが持つ力学的エネルギーにも差が生じますので,45度に傾けていた手を離したとき,元の釣り合っていた位置に戻ろうとすると私は,考えていましたが誤りなのでしょうか? うまく文章にすることができませんでした.解りにくいかと思いますがよろしくお願いします.

Re: 釣り合い

komagatake さんのレス (2007/07/21(Sat) 21:02)

失礼します.

質問の中に書かれている図のような場合だと斜めにして手を離せばそのまま斜めで釣り合っています. ところが実際の天秤ばかりや竿はかりでは釣り合ったときには水平になるように工夫がしてあります.水平になっている図しか見ないというのはそういう事情だと思います.

私が釣り合いの授業で使っていた道具は幅3cm,長さ30cmほどの金属板でした.長い方の辺に平行に2列に等間隔の穴が空いています.3cmの幅の上から1cmのところと下から1cmのところに穴が空いていると考えて貰っていいです.上側の穴にフックをつけて金属板を糸でぶら下げます.下側の穴におもりをぶら下げます.おもりの数とぶら下げる位置を変えて釣り合いを調べます.やってみればすぐに釣り合っているかどうかがわかるのですから計算だけではなくなります.生徒は自分で考えたぶら下げ方を確かめるためにどんどん前に出てきます.板の質量がおもり3つ分になるように調整しましたので重心の問題も全部出来ます. 教室の後ろから見てもわかるようにしないといけません.釣り合っていれば水平,斜めになれば釣り合っていないと判断できるようになっています. 穴の開け方がポイントです.わかりますか.

Re: 釣り合い

zoro さんのレス (2007/07/21(Sat) 21:41)

さらに,横から失礼します.

>3cmの幅の上から1cmのところと下から1cmのところに穴が空いていると考えて貰っていいです.

なるほど,教材の製作・運用のノウハウですね.

ヒョットして,若き時の komagatake先生は,重心を含む穴をご自分で追加されませんでしたか?

で,信号男さんのような探究心の旺盛な生徒には,テープを黙って剥いで,ニコッとしたとか.

Re: 釣り合い

電車MAN さんのレス (2007/07/21(Sat) 23:04)

回答有難うございました. 「重り−支点−重り が一直線上にあること」これがポイントですね.

Re: 釣り合い

komagatake さんのレス (2007/07/22(Sun) 07:46)

電車MANさん

よくある図と実際が食い違う理由は意外と難しいのですね.

>「重り−支点−重り が一直線上にあること」

これだとどなたかから反論が来ると思います. 「力の働きは作用線上で移動させても変わらない」という性質とぶつかるからです.おもりを下の穴につけても上の穴につけてもおもりの働きは変わらないはずだという反論です.

私は金属板を使いました.板をぶら下げるためにフックを上の穴につけています.おもりは下の穴につけました.生徒はこの穴の空け方をおもりをつけやすい様にしているだけと思っています. おもりも上の穴を使ったらどうなるでしょう.おもり−支点−おもりは一直線になりますね.「一直線になる」が条件であれば釣り合ったときに斜めも可能となってしまいます.でもこの場合も釣り合えば水平になります.

この実験をやるときはまずおもりを何もつけていないときに板だけで水平になることを示さないといけません.そこにもう既に工夫が入っています.板の重心の位置がポイントです.支点の取り付ける穴は重心の位置にはなっていません.重心は板の中央ですが支点の穴は少し辺の方に寄っています.

もしこの板の中央に一列に穴が空いている場合であれば斜めで釣り合います.

普通は質量の無視できる棒という表現をしているので重心の働きが隠れてしまっています.

zoroさん

板の重心に穴をあけておく. 流石です.見抜いておられますね.

この教材は支点の位置を変えてやると重心の説明に使うことが出来ます.質量のない棒の中央におもり3つ分がぶら下がっているとして後からぶら下げたおもりと同じようにモーメントを考えていけばいいということを目の前で見せることが出来るのです.

Re: 釣り合い

信号男 さんのレス (2007/07/22(Sun) 22:40)

みなさん色々なご意見ありがとうございました 皆さんのおかげで支点と重心の関係と特性がよく理解出来たと思います. また不思議に思うことがあれば質問させていただく事もあると思いますが そのときはよろしくお願いします.

Re: 釣り合い

zoro さんのレス (2007/07/22(Sun) 23:48)

論議が終了したと思いますが,関連コメントをさせて下さい.

このスレッドの先頭での信号男さんの質問に対して,Pepperさん,イレフトさん,そして私も,理想的な棒状の天秤を想定していたと思います.

他方,電車MANさんの執拗な喰い下がりに,komagatakeさんが「有限幅の天秤に,上下列のデザイン」を示された時は「ドッキ」としました.

「理想的な棒状の天秤」に対する強烈なパンチと思いました.脱帽です.

でも,ちょっと視点を換えると,水泳の技法のなかで「水平に浮かぶ」という基本姿勢があります.この場合,空気中で意味のある重心と,浮力による浮心が一致しないのでさらに混乱します.簡単に言えば,

<pre>

有限幅の天秤臥し浮き(顔を水中に浸ける) ─────────────────────────── 中央上部の穴で吊り上げる.浮心(肺の中央)で上方に力となる. 下部の穴に掛けた左,右のおもり.水上に出した手の先,足の先が浮力を失った分,おもりになる

注)重心は,お臍の近傍. </pre> と思います.水泳の得意な体育の先生がいらっしゃたら論議していただければ嬉しいです.

#臥し浮きの逆に,「背浮き」と言うのが在ります.私はまだ,この浮きが不安定です. #この練習の時に,komagatake流の視点で,観察してみます.

という不思議な類似関係に驚きをもって拝見させていただきました.本当に面白かったです.有り難うございました.