はじめまして. イギリスの学部で理論物理を勉強しているものです♪ 数年前から,色々と参考にさせていただいて, 今では立派なサイトですね.すごいです. それで,皆さんの説明能力がとても素晴らしいので, 厚かましく質問なのですが, 物理講義(10分!)で, 一般の方(文系含む)に物理の概要をレクチャーするとしたら, 皆さん,どのようなお話をされますか? 何だか,そのような機会が出来てしまって,用意に四苦八苦しています. 今のところ, Introduction 物理の簡単な説明.物理に使われる哲学(機械論)など,3分 Main body 現在,生活の中で応用されている物理3分 Conclusion 物理の最先端と未来3分
くらいで考えているのですが,アドバイスお願いします. ニュートンは入れるべきか・・?などなど悩んでおります. 10分って・・・. 上手く組み立てないと,こんにちわ〜,さようなら〜,で終わりそうデス・・・. 文系の方の気を惹くにはやっぱり,ちょっとSFチックくらいにする方がいいのでしょうか?
トシさん,初めまして.
少なくとも日本の学会発表では,10min講演は多いと思います.この場合,相手も専門家なので,「自分の常識」は「相手も知っている」という仮定で,ガンガンと論じますね.あまりにも常識を超えた部分が多ければ,後で質問攻勢に曝されますが....それでも,なにも質問がないような発表よりも良いと,私は考えます.
さて, >物理講義(10分!)で, >一般の方(文系含む)に物理の概要をレクチャーするとしたら,
物理学に多くの発見をして来ている「英国市民」の皆様と謂えども,現代物理に造詣が深いとは思えません.まして正攻法の物理解説をする可能性はとても微小であり,〜ゼロと思います.
例えば,我が国では,近年,色々な分野でノーベリ賞受賞者さん達が排出されており,高エネルギ物理の話題の「ニュートリノ振動」,「超新星爆発」,「原子炉からのニュートリノ計測」とかが新聞で報じられていたように思います.
英国に於かれても,新聞報道になるような物理ネタが在れば,それを切っ掛けに限定したテーマを日本のお得意な「漫画」ベースでお話にあるのも一法かとかんじました.
こんにちは moです.
私も今大学で物理学を学んでいるものです.
さて10minで物理の概要をお話しするということですが 目的によると思います.(つまり難しいと思います.)
が,今私にやってみてくださいと言われたら どういう感じにするかと考えてみたらこうすると思います.
自分が物理をやろうと思ったきっかけや何を知りたいか とかそれに関連しますが自分が今やっているfieldに持っていく ように話をするだろうと思います.ごくごく簡単にですが. 肉付けとしてはそれに関連する物理史の類を含めると思います.
自分の物理観や目標を話しないと説得力や魅力にかけるかなぁと 個人的には思います.
ご参考になれば幸いです.
答えにくい質問になってしまったと感じましたが, アドバイスをして頂きとても嬉しいです. 補足ですが,大学でちょっとした地域とのイベントがあり, それで発表することになっています. 付け足しで,自分が物理の道に入る前に,それを決定付けた物理の講義があったら, もしよろしかったら内容を教えていただけますか?
>zoroさん 日本の学会は10分が結構あるのですか. 確かに10分って聴衆の集中力のためにはだらだら長いよりもいいかもしれませんね. なるほど,正攻法から入っていくよりも,身近な話題から行くほうが, 一般の方には入り込めやすそうですね. Introductionに付け加えておきます. いきなり物理の哲学が入ると,拒否反応起こされるかもしれませんし・・・. 私自身,中学に見に行った反物質のセミナーが,この道の元になっておりまして, 反物質宇宙人とかいう現実性には欠けるのですが, おもしろい話題も話していただいて,楽しかったのを覚えています. 漫画ベースとはそんな感じでしょうか? アメリカはこういうの上手ですよね. NASAなどもよくホームページに資金獲得のためか, 10分くらいのコマーシャルみたいな動画載せていますよね.
>moさん 10分は難しいですよね. タイムキーパーが控えておりますので,追い出されないように頑張ります. 確かに,自分が集中していることを話すのが熱意も伝わって一番ですね. 私は,大学院生で無いので,なんとも言えませんが, 素粒子物理に自習では一番注目しています. moさんの言うとおり, 物理の全体を話すには10分では短すぎて, 何となくお粗末な気がしますので, 物理の一分野(興味のある分野)を歴史を交えて説明すると言うのは良いと思います. 是非,参考にさせていただきます.
お二人ともありがとうございました.
>補足ですが,大学でちょっとした地域とのイベントがあり, >それで発表することになっています.
最近は,日本の大学も研究成果を社会に還元するような方向が強くなっています.まだ,善い面と悪い面が混在しているように思います.
私は,大学において,地域と密着した側面を大事にするべき論を持っています.そのためには,具体的な問題を解けるような才能も必要ですが,これを逆に本来の研究にフィードバックすると新鮮な前進力になるような気もしています.
>付け足しで,自分が物理の道に入る前に,それを決定付けた物理の講義があったら, >もしよろしかったら内容を教えていただけますか?
私は老人ですので,今の若い人は理解できないかも知れませんが ....自分が小学生のころソニーのトランジスタ・ラジオがでました.そこでラジオの電波に興味が湧き,調べていると「電波」と「光」が同じ種類の波らしい事を知り,仰天しました.
>漫画ベースとはそんな感じでしょうか?
リスナが「はっと」するのは,漫画の内容ではなくて,「物理現象の説明に漫画」画出てくることでは無いでしょうか.
# 昔,ある理論の大家は,OHPに簡単な擬人化した陽子や中性子の漫画を書きながら説明していたのを思い出しました. # 簡単なアニメーションなどを作っておくのも手かも. # 最近,紙細工で回転体をつくり,落下させると水平方向にすすむというオモシロイ現象を知りましたが,風力発電などとの関連をコメントするとか. #何といっても「自分の興味分野」を漫画にして,一筆書きしながら「研究の面白い点」を告白するのが一番?
moです.
>付け足しで,自分が物理の道に入る前に,それを決定付けた物理の講義があったら, >もしよろしかったら内容を教えていただけますか?
ということですが 僕はそもそもは星を見ることから天文に興味を持ち また,数学から自然科学に入ったので答えに詰まりますが
影響を与えられた本は相対性理論に関するアインシュタインの話や ホーキングの本,ペンローズの本などですね.
講義ということでしたら 未だに出会っていないですね・・・.
以下は興味本位でお聞きしますが 素粒子に注目しているとのことですが それはどのような部分からでしょうか? よろしければ教えてください.
>zoroさん 日本の大学,産学協同でしたっけ? 物理はすぐに役に立つものばかりではありませんから, 何だかきついものがありますよね. 下手すると,金食い虫と呼ばれてしまいそうで. イギリスも学部の多様化が進んではいますが, 昔ながらの学部も残っていて,(何せアンティークが好きなお国柄) 日本にありがちな,全体で急に偏って動いてしまうことはあまり無い様なので, そこらへんは安心しています. 地域と密着すると,若い研究者の育成にもなりますよね. お金を持って無くても,良い先生に出会えるかもしれない.
電波と光が同じ種類の波って最初に出会ったとき感動しますね♪ 私は機械が複雑になって,改造とかしにくくなって, 当然,コンピュータに囲まれて生まれた世代なので, zeroさんの時のラジオなどへの新鮮感って良いなあと思います.
なるほど,漫画,アニメーションの意味が分かりました. 日本はMANGA,ANIME大国ですものね. 漫画を一筆書きできるかが問題ダ.(笑) でも,何らかの形でおもしろいイメージを入れることにします♪
物理は数式的な面で感動する部分が多いと思いますが, 10分で一般含むとなると,そういう視覚的なことも大事になってきますね. ありがとうございました.
>moさん ホーキングの本,ペンローズの本,私も読みましたよ. どちらも確かにおもしろかったです. 彼ら共同で研究してたのですよね.確か. ペンローズは心は量子で語れるかとかそういう題だったと思います. 私は高校の時に,物理の授業がとてつもなくつまらなくて, (無関係の公式ばかり出てきてとても雑多に感じた.しかも先生が物理と喧嘩してる感じの人だった.) 中学の時の反物質の話があったものですから, いやいや物理は確か面白かったはずと思って,図書室行って,ファインマン物理学に出会ったのがきっかけですね. 原書のほうが時に読みやすかったりしますが,(翻訳がどうと言うよりも,私が漢字が苦手なので)今でも好きな本の一つです. 素粒子物理は,勿論,中学の頃に反物質というのと出会ったこともあって, ディラック方程式なども好きなのですが, 元々,原子とかそういうのに反応してしまう性格で 人間がアミノ酸から出来てるとして, 誰かが地球の始まりの環境(メタン,アンモニア,シアン,硫化水素,ヘリウム)に放電させる実験でそういった生命の元となるものを作ろうとしたと思うのですが, そういうのに感動し,またそれらの元となった炭素などが 恒星の核融合反応でできたと言う話に何故か興奮し, 水素前のビッグバン後初期のクォークやレプトン,それ以前の宇宙の振る舞いを再現しようとしている加速器とかグっときてしまうのです. 物理はHowには答えられますが,Whyにはなかなか答えられませんので, どこまで奥に進んでいくのか分からないですが,そういう素って好きなのです. んで,逆のアプローチをする生物学(現在いる生物から〜)には完璧に挫折した経験があります.
すみません,長くなってしまいました. 久しぶりに日本の方としかも同じ趣味でお話できたので,つい嬉しくなってしまいました. 学部2年なので,未熟者ですがどうぞよろしく.
トシさん,
>日本の大学,産学協同でしたっけ?
明治に開国して100年強の時代がすぎ,そろそろ我が国固有の物理が育ちつつあるように思います.小柴さんのカミオカンデも,浜松ホトニクスにと一緒に開発した大型光電子増倍管が在ったからこそ,相前後した計画に勝ち得たのだろうと思います.その意味では,ハワイにつくった「すばる天文台」も三菱電機との共同開発がベースで,NHKの画像計測技術などもオーバラップした面白い展開を見せていると思います.
>物理はすぐに役に立つものばかりではありませんから, >何だかきついものがありますよね.
これも見方をかえると,「本来,実用的な手法を開発できる工学部」のほうが,「役に立つもの」を作る圧力が高くてキツいようにも思います.
>下手すると,金食い虫と呼ばれてしまいそうで.
どうしても社会の動向と無縁ではいられないという事でしょうね.米国での超伝導加速器計画の中止,日本の高エネルギ研究所が改変されたりと....
でも,長い人類史上からみれば,余裕ができた時に,再挑戦すれば良いだけとも思います.
>イギリスも学部の多様化が進んではいますが, >昔ながらの学部も残っていて,(何せアンティークが好きなお国柄) >日本にありがちな,全体で急に偏って動いてしまうことはあまり無い様なので, >そこらへんは安心しています.
なるほど,そういうものですが.日本もあと100年たつと,英国の様な部分が伸びると期待しています.
>地域と密着すると,若い研究者の育成にもなりますよね. >お金を持って無くても,良い先生に出会えるかもしれない.
面白いですね.日本でも,地方発の商品に活力が出て来ていますが,地方発の人材発掘をするための拠点として大学が頑張るのも善いですね.
そういう意味では,色々な体験をされたら,ここにリポートされると,異なる視点が重なりあって,論議が進むかもしれませんね.
世界に一つしか無いレクチャの製作を楽しんでください.
トシさん>
10分で物理全体の概要は無理なので,トシさんが興味を持っている話に絞ればいいと思います.内容を詰め込みすぎるより,consistentなほうがいいと思います.
ところで英国はどこですか?私はスコットランド在住です.
>彼ら共同で研究してたのですよね.確か.
していましたよ. 物理に対する立場は違うみたいですが.
私も高校のときに ファインマンに出会っていればよかったです. そのころは数学に夢中でした.(苦手ですが笑)
感動し,興奮し,グッとくるあたりがほんとに好きなんだなぁ と感じてしまいます. 初心に戻って勉強に励まないといけないなと思いました.
>物理はHowには答えられますが,Whyにはなかなか答えられませんので,
Whyには絶対答えられないそうですよ. Whyに答えようとしても仮定が入るわけだから またWhyが生じてしまうというようなことなんでしょうね.
>逆のアプローチをする生物学 というのはどう意味でしょう??? 科学は常に現象を正確にとらえることから 始まるのではないでしょうか?
講義の話ですが Johさんのおっしゃっているように consistentであることは絶対だと思います. 難しいと思いますが,がんばって作ってくださいね.
>zoroさん 日本固有ですか,楽しみです. 確かに,物理もお国柄ってありそうですね. ドイツなどは結構,哲学もすごい気がします. やっぱり,日本は神道や仏教なので,どちらかというとカオス理論?(笑) 物理とて人の為すもの,社会とは無縁ではいられないでしょうね. 戦争中の原子の競争や,冷戦中の宇宙競争,色々絡み合ってますものね.
ええ,私はイギリスの古いものを大事にするところは好きです. 昔ながらの建物や田園風景がいつまでも残っているところとか. 日本は皆で一斉にある方向へ動く傾向がある気がしますので, もっと落ち着くと良いかなあと思う時はあります. 逆にそのほかの国は,かなり民族が雑多になっていますので,一斉に動くのが不可能って感じもしますね.
やっぱり,勉強ってお金かかりますからね. お金があるほうが有利ではありますが,無くても機会があるといいですよね. (極端な話,ファラデーのような発掘もあるかもしれない?) イギリスはサイエンスカフェなどが発展してておもしろいですよ. パブに集まって,科学者含めて皆で雑談する感じだったり,ちょっとしたレクチャーをやったり.
>Johさん アドバイスありがとうございます. 実は,数学の記事,楽しく読ませてもらっていました♪ その通りですね. 範囲は短く,その分,熱意はいっぱいでいきたいと思います. 迷子になるより,何はともあれ熱意が伝わるほうがおもしろいですものね. スコットランドですか! 良いですね〜,綺麗ですよね♪6月に行きました. 私はリーズ在住です.スコットランドより汚いでございます.(^^;; 電車でエディンバラから約3時間くらいです.
>moさん ファインマンは最小作用の原理とかも載ってておもしろかったです. 勿論,高校時代ですから,理解は難しかったのですけど,何か伝わる部分があって・・・. 受験や宿題が無かったら,もっとゆっくり読めたのに・・・.(笑) >感動し,興奮し,グッとくるあたりがほんとに好きなんだなぁ と感じてしまいます. いえいえ,ただのお馬鹿さんなのかも.(^^;) いちいち何かしら,おいっ!てところで引っかかっています. どちらかというと,多分,亀さんです. >またWhyが生じてしまうというようなことなんでしょうね. カントの二律背反な感じですね. ということは,誰かがカントの理論を破ってくれないと, 我ら一生考え続けることに・・・・. んん?でも,終わりの物理理論が出来ても困る気がしてきたゾ・・・.どうしよう.(笑) >逆のアプローチをする生物学 すみません. これは本当,確かに私の早ガッテンなのですが, んで,どちらかというと研究より勉強する際の話です. 物理って,「最初に原子ありき」って感じで話が進むことが多いのですが, (歴史から考えれば,そうとも行かなく複雑な道なのでしょうけど) 生物って,「地球上には色々な生物がいるね.さて分類してみようか.」 行くじゃないですか〜!んで,膨大な単語数が・・・.(涙) 系統樹とか描いてみても, 生物って枝に今いる生物を書いていって,最終的に進化を遡っていって, 幹を目指す気がするのですが, 物理は,幹が先にあって,それは原子って書いてあったり,力学って書いてあったりすると思うのですが, そこからだんだん枝に電磁気とか行くような・・・・・ ・・・・ハイ,私の勝手なイメージです.(^.^;) 今では,物理も生物も色々な分野があって,融合している部分もあるので, 一概なことは言えませんけれど. まあ,とにかく私の生物へのこんがらがりの言い訳となった,系統樹論でございます.
みなさんのおかげで,自分の考えがまとまってきました. ありがとうございます. わずか10分ですが,せっかくの機会なので,精一杯頑張ってきますね♪