解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんの書込 (2007/05/31(Thu) 11:02)

● MKS `ampare `volt 単位系が MKSA 四つの基本単位だけでの単位次元表記を採用する理由

MKSA 単位系は,MKS `ampere `volt 単位系だと書きました.一方で SI 単 位系の規格書の単位の一覧表には,下のような `meter `kg `sec `ampere 四つの基本単位を使った単位次元表記が書かれています.この四つの基本単 位だけによる組立単位の表記は素人向けの便法だと,私は考えます.皆様は 如何考えますでしょうか.

圧力,応力パスカルPaN/m^2 m^-1 kg s^-2 エネルギージュールJ N m m^2 kg s^-2 仕事率,放射束ワットW J/s m^2 kg s^-3 電荷,電気量クーロンC A s A s 磁界の強さampere/meterH A/m A m^-1 電圧 起電力 ボ ルト V W/A m2 kg s.3 A.1 静電容量ファラドF C/V m^-2 kg^-1 s^4 A^2 電気抵抗オームΩV/A m^2 kg s^-3 A^-2 コンダクタンスジーメンスS A /Vm ^-2 kg^-1 s^3 A^2 磁束ウェーバWbV s m^2 kg s^-2 A^-1 磁束密度テスラT Wb/m^2kg s^-2 A^-1 インダクタンスヘンリーH Wb/Am^2 kg s^-2 A^-2

MKSA 単位系が物理量の単位次元を MKS + `ampere 四つの基本単位の組合せ で表現するのは,素人向けに単純化したいためだと,私は考えます.SI 規格 書では `volt などを含んだ単位系で表示しても良いとしています.この文章 の意味は「電磁気学を理解している専門家はは物理的意味を明示する `volt などを含んだ物理的意味を表現する単位系で表示すべき」であると私 は解釈します.

SI 単位系の規格書は結果を纏めてあるだけで,説明しません.理由を書きま せん.SI 単位系の規格書が書かれた目的は,物理量の表現を全世界で共通に することです..その文書の中で,現行のように単位系を定めた理由や その 理論的な背景をを説明していては SI 単位系の規格書が冗長になってしまい ます.

そもそも SI 単位系の規格書を読むのは物理学者だけではありません.その 規格書を読む方達のうち Mawxwell 方程式を理解している方は一割もいない でしょう.そのような規格書の中で `meter `gram `sec ではなく `meter `kg `sec を採用した理由を説明しても,大多数の読者には混乱を与えるだけ でしょう.ましてや磁束:weber の単位を volt sec で表すか `meter^1.5 `kg^0.5 `sec^-1 で表すかなんて,大部分の SI 規格書の読者にとって,ど ちらでも構わない問題でしょう.

MKSA 単位系を MKS `ampere `volt 単位系と考え直してみても,コンデンサ 容量は `coulomb/`volt と表すべきです.`ampere `sec/`volt でも物理的意 味を表していますが,`coulomb/`volt に比較したら不自然です.でも `weber や `coulomb などの単位系を理解しておくべき技術者は限られます. ならば `coulomb `volt のような単位次元表記は SI 単位系規格書の中でも 限った場所で使うべきでしょう.全体を通しての表記としては `meter `kg `sec `ampere の四つにしておくほうが SI 規格書を誰にでも読めるものとで きます.

知っておくべき単位の種類を最小にしようとしたとき,物理量の単位次元表 示のしかたは MKS + `ampere 四つの基本単位の組合せ表記になります. MKSA の四つがあれば全ての物理量の単位次元を重複無しに表記できます. MKSA を使えば抵抗の単位次元表記を `meter `kg `sec^-3 `ampere^-1 にで きます.これでは `volt/`ampere のような物理的意味を表せていませんが, 抵抗の単位次元を MKS だけで表したときの `meter/`sec (これは速度の単位 次元でもあります) のように重複はしません.重複しなければ,MKSA 単位次 元表記は物理量の次元解析には使えます.この意味で大部分の SI 単位系表 示は MKSA で表記しておけば,単位系としての最低限の機能は果せます.な んせ重複がないのですから.

SI 単位系の策定者たちは「できるだけ多くのユーザーに SI 単位系を使って もらうために,単純な MKSA 四つの基本単位を使った単位次元表記も一覧表 に載せておこう.抵抗の単位次元であっても `meter `kg `sec^-3 `ampere^-1 と表しておけば,四つの基本単位を覚えるだけで済む.物理的意 味を理解している専門家ならば,抵抗の単位次元は勝手に `ohm や `volt/`ampere で表記するだろう.」と考えたと私は思っています.その証 拠に,電磁量ではないニュートン力学の圧力量でも `newton/`meter^2 の単 位次元表記と `meter^-1 `kg `sec^-2 の二つを SI 単位系は同居させている のですから,電磁量でも 圧力Pa と似たことを大規模に行っているだけでし ょう.

でも私は長い間 SI 単位系の規格書を このように大胆に読み直せませんでし た. `meter `kg `sec^-3 `ampere^-1 の単位次元表記を見せられとき,抵抗 であることを直感的に解らない自分が悪いと思っていました.MKS `ampere `volt 単位系であることが解っておらず,その結果として電磁量の体系網を イメージできていないので,`meter `kg `sec^-3 `ampere^-1 の単位次元表 記が素人向けであるとは読み取れませんでした.

このような誤解は私だけではないでしょう.皆様は如何でしょうか.

での話に修正を加えたもの置いておきました.文字だけより読みやすくなっ ています.読んで批判してやってください.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/02(Sat) 21:53)

>別スレッドの単位系の話も新バージョンを含め,基礎のところで完全に外れていますので

私は前回の MXK さんとの議論で残した問題点を,真摯に解答しています.な ぜ `meter `gram `sec ではなく,`meter `kg `sec を SI 単位系では選択し なければならなかったか丁寧に説明しました.なぜ MKSA 単位系は MKS `ampere `volt 単位系と捉えねばならないか,単位系網の説明から始めて丁 寧に書きました.でも MXK さんには真摯に書いても無意味なようです.

MXK さんにも論理を連ねても無意味なようです.曲解を積み重ねるだけです. 物理の議論として邪道なのは承知の上で,権威付けで反論します.今回の私の「解りにくい MKSA 単位系となった理由と経緯」について,岡部洋一先生より下の URL に あるように「なかなかよく書けていると思います.楽しんで読ませていただ きました.」と御評価いただきました.それ以前の議論の経緯からしても単 なる社交辞令ではなく,私は素直に喜んでいます.

岡部洋一先生に比較するような実績が MXK さんにあるのですか.岡部陽一先 生の御評価の後では,理由も示さずに腐すだけの MXK さんの非難など無意味 です.

>議論にもなりません

わざわざ,無関係の「1/f ノイズの由来について」のスレッドで,こんなこ とを書く MXK さんの常識を疑います.他人を貶すことで自分の優位を見せた のですか.喧嘩を売りたいのですか.少しは頭が良いのかもしれませんが常 識はないようです.

常識ある大人ならば「議論にもなりません」と思ったならば無視します.関 わるのを避けるだけです.一体 MSK さんは何をしたいのでしょうか.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

zoro さんのレス (2007/06/03(Sun) 21:43)

小林@那須さん,

このスレッド以外も,何度も読ませて戴きましたが,未だ論点が理解出来ません.

ElemagBBSで論議が進んでいられるなら,そちらで十分に論議を尽くして,整理した結果をこちらで発表されると,これから勉強される若い方々にも役に立つと思われます.

岡部さんの単位系間の換算に「お説の系」が対応出来るなら,それを基に論議されるのが一番正統的な証明になるように思えます.今のように部分ごと論議するのではなくて,全体的に厳密な結果が出ると,我々読み手としても解り易くなり,素晴らしいと思います.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/04(Mon) 09:28)

zoro さん,御意見ありがとうございます.

>ElemagBBSで論議が進んでいられるなら,そちらで十分に論議を尽くして

向こうでは互いに同意見であり,議論になっていません.議論を尽くせません.

>整理した結果をこちらで発表されると,これから勉強される若い方々にも役に立つ

MXK さんとの議論で伝わり難かった論点を整理して説明したつもりです.

>このスレッド以外も,何度も読ませて戴きましたが,未だ論点が理解出来ません.

MKSA 単位系は,電磁気学の教科書の最後に一章を設けて説明しなければなら ないだけの複雑さと重要さがあると考えます.その説明を行っているつもり です.

zoro さんは MKSA 単位系で以下のような疑問を抱きませんか?

・なぜ `meter, `kg, `sec を基本単位に選択したのか. 単位系を新規に作り直すのならば `meter, `gram, `sec を基本単位にした ほうが合理的だろうが.新たに `kg を採用するぐらいなら,元から有る cgs 単位系:`cm `gram `sec のままにしておいた方が混乱が少なくて済ん だろうが.

・なぜ電流定義に 2e-7 `newton のマジック・ナンバーが入るのか. 新規に単位系を作るのならば 2`newton にしておいた方が単純だろうが.

・なぜ組み立て単位の物理次元を MKSA の単位で無理に表示しようとするのか. 抵抗などの単位次元を `meter `kg^-1 `sec^4 `ampere^2 などと表記しても 殆ど意味がないだろうが.それぐらいならば MKS だけの単位系で `meter `sec^-3 と表示したほうが,より基本単位で表示できたことになるわ.単位 次元に 0.5 の端数が出てきても問題ないぞ.それに実務で「100 `meter `kg^-1 `sec^4 `ampere^2 の抵抗」と言っても通用するわけないぞ.「100 `ohm の抵抗」と言わねばならないぞ.まさか M K S A の言葉に引っ張られ て無理やり M K S A 単位に還元した表示にしようとしているのではないよな.

・なぜ物理的な必然性のない `ε0 `μ0 の定数を導入したのか. 新規に単位系を定めるのだから,`ε0 `μ0 のような人為的な数を使わずに, 光速度 c と 1 を使う単位系を作れたのに.新規に単位系を定めようとするの に,真空の透磁率を無次元の 1 にできなかったのかよ.

・なんらかの理由があって ε0 μ0 を導入するにしても,なぜ μ0 にまで単位次元を与えたのか. 無次元の比例定数にすることもできたのに.その方が単純だろうが.

・MKSA 単位系が定まってから 60 年経っても,磁石関連業界では weber ではなく gauss を使い続けている.その理由が理解できないのか 新たに weber なんぞの単位を追加する意味があるのか.真空の透磁率が無次元 の 1 ではない,代わりに変てこな係数を持ってくるような MKSA 単位系が受け入 れられるかよ.

・翻ってみれば電流定義を二本の直線電線の間に働く力 F を F = μ0 I I'/r によって単位電流を定めるにしても,その μ0 の単位次元が weber/(`ampere `meter) とはどういうこと</a>だよ. 単位電流を定義しようとするのに `weber や `ampere の単位無次元を含む定数 を持ってくるなんて循環論法だろうが.

・なぜ F. Gauss や J. C. Maxwell といった巨匠たちが作った emu 単位系/absolute 単位系を捨てたのか.SI 単位系よりも emu 単位系の方が理論的にであり奇麗・ 単純・素直なのに. emu 単位系ならば真空の誘電率/透磁率は光速度による換算係数であり,また 無次元の 1 だろうが.混乱を招いてまで,解り難い MKSA 単位系を新しく導 入する必要があったのかよ.emu 単位系の何が悪いちゅうんだよ.emu 単位系 と MKSA 単位系は,殆ど同じ考え方で構成される単位系ではないか.それに emu 単位系にも Practical Unit System の考えが入っていたではないか

下の web 版なら,これらの疑問に対し,答えの場所へのリンクを貼ってあります.

前回の「解りにくい MKSA 単位系となった経緯」の投稿では,この部分は意 識的に外しました.無用に挑戦的で,不必要な論争を招くことを心配したた めです.ここで追加します.

これならば論点を明確にできていると思います.如何でしょうか

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

zoro さんのレス (2007/06/04(Mon) 15:01)

私は,記憶力が弱いので,一度に色々な論議が出来ません.先ずは,下記について論じます.

>MKSA 単位系が物理量の単位次元を MKS + `ampere 四つの基本単位の組合せ >で表現するのは,素人向けに単純化したいためだと,私は考えます.SI 規格 >書では `volt などを含んだ単位系で表示しても良いとしています.この文章 >の意味は「電磁気学を理解している専門家はは物理的意味を明示する >`volt などを含んだ物理的意味を表現する単位系で表示すべき」であると私 >は解釈します.

素人も玄人も関係ないと思います.むしろSI基本単位,7つ;

(1)時間:秒;s (2)長さ:メートル;m (3)質量:キログラム;kg (4)電流:アンペア;A (5)熱力学温度:ケルビン;K (6)物質量:モル;mol (7)光度:カンデラ;cd

の乗除によって,全ての物理量は,過不足なく記述できるということが大事だとおもいます.

その意味で,冒頭にお書きになった表の右端の基本単位による表現は,確かにどんな物理量も記述できることを示しているのだと思います.そのだめ押しとして「論理的帰結」の讃歌ではありませんか?

しかし,だからといって,誰も「基本単位での表示で物事を考えろ」とは言っていないと思います.例えば,J = N・m = C・V・m = eV, W=J/s=AV, N=kg・m/s^2 だったりと,その場その場で,適当な組立単位で考えたり,計算したりしますね.

むしろ何で「V」を気楽に使ってはいけないのでしょうか? ご意見を見ていると,「V」が基本単位でないことを問題視されていますが,むしろ物理的な解釈論としてみると,ある物理量が基本単位か誘導単位かはあまり本質的ではないのかと思います.

例えば, 1C = 1A x 1s --> 1s = 1C / 1A として単位系を構築する事も出来ると思います.ただ,そんな事をしても混乱するだけでしょうが,原理的には可能でしょう.

ちょっと寄り道します: 少なくとも,私の様な「単位の素人」でも,SI単位系で実際上に計算が出来ないとか,装置の選定や設計が出来ないという事はありませんでした.確かに,学生の頃は,磁石を使う場合,ガウス・メータで測定したのに,仕事で使うときにはテスラ・メータとなっていて,ぎょっとしましたが,調べてからは,問題なく計算や実験に使えたと思います.

元に戻ると,単に駄目というのではなく,具体的に「テスラなりウェーバで混乱する点はこれだ!」から「次のように直したらどうか」という論議をされないと,理解者は増えないと思います.

まして,この掲示板は学生さんも多く,如何にもSI単位系が論理的に破綻しているかのような記述は控えるべきだと思います.勿論,ご自分のサイトなり,岡部さんの様な専門家のサイトでは,丁寧にご持論を展開するべきだろうと思います.その意味では,アイデアとそれを裏打ちする詳しい論理的な展開をされる事を期待いたします.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/04(Mon) 20:52)

>如何にもSI単位系が論理的に破綻しているかのような記述は控えるべき

現在では MKSA 単位系を使わざるをえないと,私は主張します.MKSA 単位系 を使わなかったら,単純な回路設計一つできません.ですから MKSA 単位系 が論理的に破綻しているとは思っていません.私のどの発言から「論理的に 破綻している」と解釈されたのでしょうか.誤解される文章があるのなら修 正せねばなりません,「SI 単位系が論理的に破綻している」と解釈した個所・ 文章を具体的に教えてもらえますでしょうか.

ただし MKSA 単位系は分り難くなっています.その個所・理由を的確に理解 しないと無用な遠回りをすることになります.1`meter 離れた 1`coulomb の 電荷どうしに働く力が 90 億`newton と大きな値であることを知らずに MKSA 単位系を理解した気になっている馬鹿(昔の自分です)が出来上がります.

>元に戻ると,単に駄目というのではなく,具体的に「テスラなりウェーバで >混乱する点はこれだ!」から「次のように直したらどうか」という論議をさ >れないと,理解者は増えないと思います.

私は,もう避けられない MKSA 単位系の分り難い点を解説しようとしている のであり,より優れた単位系を提案する気はありません.

>「V」が基本単位でないことを問題視されていますが,むしろ物理的な解釈論 >としてみると,ある物理量が基本単位か誘導単位かはあまり本質的ではない >のかと思います.

同意します.私の主張しているのは,「電磁気の世界を記述するには二つの 基本単位が必要になる」ことです.電場の世界で一つの基本単位,磁場の世 界で一つの基本単位が必要です.そして emu 単位系では abampere と abvolt が absolute に定まる基本単位になります.MKSA 単位系に それを移 せば `ampere と `volt です.すなわち電磁気の世界は閉じた世界を作って おり `meter, `sec 時空量と `amper `volt 電磁量で記述できます.電磁気 の世界は `kg を含まない閉じた世界を作っています.それを無理に `meter `sec `ampare `kg で記述するのは,電磁単位系の物理的な意味を理 解するときには避けるべきです.モーターや発電機などのニュートン力学と の接続(Lorentz 力 で)する個所で `kg が出てくるだけです.

電気屋だったら,下のの m s A V 単位次元表記が一覧表などを見ずに出てこ なければなりません.でも抵抗が m kg s^-3 A^-1 は出す必要がありません. `kg を含んだ単位次元表記不必要です.zoro さんは m kg s^-3 A^-1 で抵抗 の物理的意味を説明できますか?

電荷,電気量クーロンC A s A s 磁界の強さampere/meterH A/m A m^-1 電圧 起電力 ボ ルト V W/A V 静電容量ファラドF C/V A s V^-1 電気抵抗オームΩV/A A^-1 V コンダクタンスジーメンスS A /VA V^-1 磁束ウェーバWbV s V s 磁束密度テスラT Wb/m^2V s m^-2 インダクタンスヘンリーH Wb/AA^-1 V s

化学屋が単位次元分析をするために,一覧表をみながら抵抗を m kg s^-3 A^-1 を書き写しているのなら,それもありだと思います.

この意味で `meter `kg `sec `ampere による単位次元表記は素人向けだと言 っています.変でしょうか.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

zoro さんのレス (2007/06/04(Mon) 22:55)

私は,基本的にはSI単位系で育って来たのと,単位系について深く考えてこなかったので,SI単位系ゆえに困ったという経験がありません.

むしろ,個人的な感覚の問題で,基本単位の一つ,質量:キログラムの表記「kg」に指数部を表す接頭辞 \mbox{k} := 10^{3} が付いている事に強い不満を持っています.実は,物理実験のレポートで, \mbox{Kg} と書いて訂正され, \mbox{m,}\mu,\mbox{n,p,f} の対比から \mbox{K,M,G,T} と言って,論争になったのです.

ですから,今でも \mbox{kg} を見ると,緊張するぐらいです.

それを除くと,力学のポテンシャルも,電気的ポテンシャルもエネルギ計算という観点から簡単に計算ができて満足しています.分子運動論で,室温に平均的な,kT〜30meVで,大雑把な感触が掴めます.最近は,光の色の論議で,E=hν=hc/λ〜3eVである事に気が付きました.

必ずしも力学量だから,Jで評価すると限らないのでは無いですか.少し前のスレッドで「馬力」には感覚があるが「W」には感覚が無いとの話が在りましたが,自分は,「kcal」を「W・h」とか「J」などで評価にするのも面白いと思うくらいです.例えば,自転車で10W負荷のなんと重い事か.

また,相前後したスレッドで,μ粒子の運動量を100MeV/c,その質量100数MeV/c^2 などと,表現されますよね.背景には,加速器物理学の影響も在るでしょうが,素電荷の物体が1Vの電位差で加速されたエネルギと考えられるから直感的なのだと思っています.

最後に,もう一度書きますが,物理的解釈には,基本単位も組立単位も同等です.ある論議で,一番に物理的イメージを表現している単位を取れば良いのであって,基本単位による表現しか許されていない,といった論議は,誤解の元だと思います.

電子回路は,得意では在りませんが,5Vの電源に,5Ωの抵抗を繋げると1Aも流れるので,ちょっと考えてしまうな...,等を考えるでしょうが,基本単位での表現を考えないのは確かです.「`meter `kg `sec `ampere 」で考えた事は絶対にありません.

他方,水泳の解析では,始めの頃は,「kgw」的な表示をとっていましたが,段々と「N」的な表現になって来ました.流体力学系の参考文献に「N」が多いからです.間違っても「C・V」的な表現は使わないと思います.

以上のように,「kg」に関しては,感情的な反発があるものの,SI単位系は,そこそこ使える単位系であると思っています.

むしろ,気になって来たのは「`meter `kg `sec `ampere 」という独自の記法を取られているのが非標準だなと思います.勿論,書かれている内容は判りますが,視辛いと感じます.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

崎間 さんのレス (2007/06/05(Tue) 00:21)

こんにちは.非常に下らないことかもしれませんが「`ampare」の「`」は何なのでしょうか? あ,単位であることを示しているのかなとは思うものの,このような書き方ははじめて見たので,気になっていました(横槍すみません).

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

zoro さんのレス (2007/06/05(Tue) 09:31)

さきほど,気になる点に気が付きました.このスレッドの冒頭部で;

> MKSA 単位系は,MKS `ampere `volt 単位系だと書きました.一方で SI 単 >位系の規格書の単位の一覧表には,下のような `meter `kg `sec `ampere >四つの基本単位を使った単位次元表記が書かれています.この四つの基本単 >位だけによる組立単位の表記は素人向けの便法だと,私は考えます.

この文章をどのように解釈するかが,鍵であると思うようになりました.以下の論議では,SI単位系の7基本単位のうち,「K, mol, cd」は置いておき,論議の外だとします.

すると,SIに付いての記述と; >「SI 単位系の規格書の単位の一覧表には, >下のような `meter `kg `sec `ampere四つの基本単位を使った >単位次元表記」「MKS `ampere `volt 単位系」

他方,MKSAについての記述とが; >MKSA 単位系は,MKS `ampere `volt 単位系だと書きました.

お互いに矛盾する,言い換えれば,「SI単位系が不備である」とご発言されているように見えます.

特に,単位系を論ずる時に,基本単位を明記するのは「初心者」にとって,安心する所です.でも,物理的な理解が進むに連れて,組立単位を用いて,物理的解釈を「簡単で,覚え易い形式の単位:=組立単位」で記述するのは自然ですし,SI単位系の本来の意味です.

例えば,力を考察している時に;

・力学的な話の時; N = \mbox{kg}\cdot \mbox{m}\cdot \mbox{s}^{-2} = 10^{+3}\mbox{g}\cdot \mbox{m}\cdot \mbox{s}^{-2} ・電気的な話の時; N = \mbox{C}\cdot \mbox{V} \cdot \mbox{m}^{-1}

としてイメージする事が多いとは思います.あ,私は,あまり磁気的な話をする事は少ないので....

でも,必要に応じて,「eV」を各所に使います.でも,これは自分の好みの問題で,必要に応じて,伝統的な単位表示に変換すれば良いのだと思います.

結局,判らないのは; > MKSA 単位系は,MKS `ampere `volt 単位系だと書きました.

で何を仰りたいのでしょうか?小林@那須さんの本音をお聞きしたいと思います.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/05(Tue) 11:19)

>SI単位系は,そこそこ使える単位系であると思っています.

SI 単位系は,物理量を表記するときの全人類共通言語になってしまいました ,もう使わざるをえないでしょう.今さら別の単位系を全人類に普及させるわけにいいきません.ただ的確に理解しないと惑わされます.私は色々と惑わされました.

>k = 10^3 が付いている事に強い不満を持っています 分ります.でも何故 meter gram sec ではなく,meter kg sec を選択せざるを得なかったかを説明されていれば,Kg:1000単位質量 ではなく kg:1単位質量であり kg を使うのも許せると思います.それを敷衍して「キロ」の桁表示に k に選択するのも,なんとか許容できるでしょう.

ただ,SI 単位系の策定者たちが meter kg sec を選択した理由を理解するには,emu 単位系や Maxwell 方程式を理解できなければなりません.また そこまで踏み込んだ MKSA 単位系の説明はありませんでした.kg を採用した理由についても説明していますので読んでやってください.

>「`meter `kg `sec `ampere 」で考えた事は絶対にありません. でも SI 単位系の規格書に抵抗:「`meter `kg `sec `ampere 」が書いてあります.私も この物理的意味が分らず惑わされまし.今は物理的意味など無いと考えています.化学屋などの Maxwell 方程式を必要としない,非専門家向けの表記だと思っています.

>> MKSA 単位系は,MKS `ampere `volt 単位系だと書きました. >で何を仰りたいのでしょうか?小林@那須さんの本音をお聞きしたいと思います.

SI 単位系が meter kg sec ampere の組合せで単位系を表示するのは,非専門家向け表記だとする理由は,電磁気の世界には kg は不必要だからです.電磁気の世界は,「磁場系世界:時空 + ampere」と「電場系世界:時空 + volt」の二つから構成されると見なすべきだからです.

┌────────────────┐質量:kg を含まない電磁場世界 │電磁気世界:meter sec ampere volt│ │┌───────┐│ │磁場系:ampere+│時空 meter,sec││ │└───────┘│ │┌───────┐│ │電場系:volt + │時空 meter,sec││ │└───────┘│ └────────────────┘ ↑Lorent 力 ↓ ┌──────────────┐ampere volt を含まない Newton 力学世界 │ Newton 力学世界│ │┌───────┐│ │質量:kg + │時空 meter,sec││ │└───────┘│ └──────────────┘

電磁気の世界は時空:meter sec と磁場系基本単位と電場系基本単位から記述される閉じた世界を構成するからです.そして MKSA 単位系では 磁場系の基本単位が ampere であり 電場系の基本単位が volt です.Newton 力学世界と電磁気世界は Lorentz 力の式で繋がっているだけです.

なのに電磁気世界を meter kg sec ampere で表示するのは電磁量の物理的意味を分らなくしてしまいます.抵抗を meter kg sec ampere の組合せで表記しても,その物理的意味が不明確になるだけです.Maxwell 方程式が理解できて電磁気世界をイメージできる物理・電気系の専門家は meter sec ampere volt を基本単位とする単位系で考えるべきです.抵抗値は votl/ampere で考えるべきです.

SI 単位系のユーザーは Maxwell 方程式を必要としない方のほうが多数派です.磁束 weber = volt sec の物理的意味が理解できる方は少数派です.そして SI 単位系は,電磁気世界をイメージできない方たちも使える単位系でなければなりません.また物理量を基本単位で表現することは,単位次元解析をするために必要です.ですから SI 単位系策定者たちは meter kg sec ampere での単位次元表記を採用しました.

でも Maxwell 方程式を理解できる物理・電気系の専門家は meter kg sec ampere に惑わされないで下さい.抵抗の単位次元 m^2 kg s^-3 A^-2 の物理的意味が分らないと悩まないでください.電磁気世界がイメージできる方達は meter sec ampere volt の組合せで考えてください.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/05(Tue) 11:27)

>むしろ,気になって来たのは「`meter `kg `sec `ampere 」という独自の記法を取られているのが非標準だなと思います >「`ampare」の「`」は何なのでしょうか?

zoro さん 崎間さん すいません,私の都合で,このような書き方をしており,copy & paste で文章を持ってくるため,また指癖のため,このような非標準の記述を使ってしまいます.意味を分らなくするわけではないから良いだろうと甘えています.

私の都合というのは,下にある sf という行列電卓ソフトをエディタに組み込んで使っているためです.ここで,よく使う物理定数や単位を登録できるようにしてあります.その登録変数名を ` で始める naming convention を使っているためです.光速度 c は他でも使うことが多いので `c を使っています.

q = 1`coulomb, r=1`meter, f = q q/(4`π `ε0 r^2) < 8.98755e+009 >

な使い方をします.`coulomb や `meter の変数名には 1 の値しか登録してありませんが,物理的意味を表す意味で重要だと考えています.下の式でも計算結果は同じですが,式の意味が不明確になるので,上の式を使うべきだと主張します.

q = 1, r=1, f = q q/(4`π `ε0 r^2) < 8.98755e+009 >

このような理由で `ampere などの表記を入り込んでしまっています.

なお,物理屋・電気屋ならば ;; q = 1`coulomb, r=1`meter, f = q q/(4`π `ε0 r^2) # の式は一度は自分で計算しておくべきです.現在のコンピュータ・パワーを使えば,計算の手間などありません.そうしないと,1`meter はなした 1`coulomb の電荷どうしに働く力が 10 億 `newton であることを知らないくせに MKSA 単位系を分ったつもりになっている馬鹿(昔の自分です)になってしまいます.

力さえあればエディタでのメモ数式から行列計算やグラフ表示を sf にやらせられます.現在のコンピュータ・パワーを使えば 256 点程度の計算やグラフ表示は一瞬です.sf も御試しください.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/05(Tue) 11:28)

>如何にもSI単位系が論理的に破綻しているかのような記述は控えるべき

zoro さん,お手数だとは思いますが,上のように感じた文章の個所を教えてもらえますでしょうか.Maxwell 方程式を理解している専門家向けに MKSA 単位系の説明を一生懸命書いているのに,上のように誤解されてしまっては意味がないからです.できるだけ多くの人に理解してもらえる説明にしたいからです.けっして反論したいわけでは有りません.よろしく御願いします.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/05(Tue) 11:56)

>この意味で `meter `kg `sec `ampere による単位次元表記は素人向けだと言 っています.変でしょうか.

変だと思います.というのは,その前のほうで小林@那須さんは次のように書いておられます.

>`kg を含んだ単位次元表記不必要です.zoro さんは m kg s^-3 A^-1 で抵抗 の物理的意味を説明できますか?

この意味は,このような単位表記では抵抗の物理的意味を説明するのが難しいということだと思いますが,それでもこのような表記が素人向けなのでしょうか? それとも,素人向けだから物理的な意味は分からなくてもかまわないということでしょうか?

さらに言うと,m kg s^-3 A^-1=N/C ですから,これは抵抗ではなく電場の単位です. 抵抗の単位は m^2 kg s^-3 A^-2 です. 単位系に精通していらっしゃるはずの小林@那須さんでも間違われるような単位表記が素人向けとは到底思えません.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

zoro さんのレス (2007/06/05(Tue) 12:35)

>>> MKSA 単位系は,MKS `ampere `volt 単位系だと書きました. >>で何を仰りたいのでしょうか?小林@那須さんの本音をお聞きしたいと思います.

>SI 単位系が meter kg sec ampere の組合せで単位系を表示するのは,非専門家向 >け表記だとする理由は,電磁気の世界には kg は不必要だからです.電磁気の世界は, >「磁場系世界:時空 + ampere」と「電場系世界:時空 + volt」の二つから構成されると見なすべきだからです.

これを仰りたかったのですか?これは単位系の問題というよりは,「単位を使う時の考え方」の一つであって,表題の「解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)」とは問題が違うようにおもいます.

逆に,力学や光学に電磁気の単位をつかう事が可笑しいとお考えですか?私には「そのように単位の運用時に,機械的な分類学を進める」事が,物理教育を歪めることに繋がると思います.

物理的な考察対象には,力学的な部分,電磁気的な...,統計力学的な...,熱力学的...,量子力学的...,固体物理的...,流体力学的...,エレクトロニクス...,化学的...,生物学的...と多種・多彩であると思います.

それでも,事,計量単位となるものはSI単位系の基本単位と組立単位で十分に記述でき,地球上に生きる者同士,情報の共有ができるのが素晴らしいと感じます.

他方,小林@那須さんが,個人的にこのような考え方をすると,問題把握が明確になるというようなご意見を表明されるのはご自由であるし,それを専門のサイト等で詳しく分析されるのには,強く賛同します.

しかし,物理に興味が在る生徒・学生さん達が多数ご覧になられているこの掲示板で,「SI単位系の枠組みを換える」ように誤解され易いご発言は,控えていただきたいと感じます.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

zoro さんのレス (2007/06/05(Tue) 12:48)

>>如何にもSI単位系が論理的に破綻しているかのような記述は控えるべき

>zoro さん,お手数だとは思いますが,上のように感じた文章の個所を教えてもらえますでしょうか.

ちょっと簡単に抜き書き出来ません.あえて言えば,全体的な流れからそう判断しました.

一般的に,小林@那須さんは,ご自分の主張点を,具体的に詳しくご説明のないまま,関連事項に進んでしまうように感じます.

また,当方の具体的な説明に反論が無く,既に書かれた事をリピートされるので,ますます当惑します.

その結果,全体的にSI単位系に反対なのかと思う訳です.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/05(Tue) 14:55)

yama さん,御意見ありがとうございます.

>それとも,素人向けだから物理的な意味は分からなくてもかまわないということでしょうか?

私は「物理的な意味は分からなくてもかまわない」と解釈しています.抵抗:m^2 kg s^-3 A^-2 の物理的意味が解らなくても,単位次元解析は可能だからです.MKS 三つだけだと発生する単位次元の重複表記がないからです.

抵抗: volt/ampere の意味ならば Ohm の法則からも解りますが,磁束:weber = volt sec となると Maxwell 方程式の理解が必要でしょう.Maxwell 方程式を必要としない人たちにまで weber = volt sec を使わせる必要はないと,MKSA 単位系策定者たちは判断したと推測しています.

ただ,これらは公開文書に記録されていることではありません.MKSA 単位系策定者たちの考えたろうことを勝手に憶測しているだけです.このように考えて やっと電磁量では物理的意味を与えるのが苦しいにも関わらず, meter kg sec ampere の単位表記を行っているのかの理由付けができたにすぎません.屁理屈である可能性も十分にあります.「meter kg sec ampere 表記は非専門家向け」を強く主張する気はありません.より合理的な説明があれば教えて欲しいと思っています.

逆に yama さんは MKSA 単位系策定者たちが 抵抗:m^2 kg s^-3 A^-2 の表記を採用した理由をどう解釈していらっしゃいますか? m^2 kg s^-3 A^-2 に物理的意味に与えるのは苦しいですよね.

>抵抗の単位は m^2 kg s^-3 A^-2 です. >単位系に精通していらっしゃるはずの小林@那須さんでも間違われるような単位表記が素人向けとは到底思えません.

意味が解らないので,copy & past で済ましていました.そのどこかで隣をコピーしたのだと思います.意味が解っていればミスに気付くのですが,指摘されるまで気付けませんでした.

私が単位系に精通しているなどとは言えませんが,「単位系に精通しているものが[意味も解らないために間違う]表記だからこそ非専門家向けの表記だ」としても理屈は通ると思います.単位次元解析はできるのですから.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/05(Tue) 15:03)

zoro さん,様々の御意見ありがとうございます.

>これは単位系の問題というよりは,「単位を使う時の考え方」の一つであって,表題の「解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)」とは問題が違うようにおもいます.

「電場系の基本単位 volt が隠れてしまっているので,MKSA 単位系が解り難くなっている」と主張しているのですが,問題が違うでしょうか.

>逆に,力学や光学に電磁気の単位をつかう事が可笑しいとお考えですか?

可笑しいと考えます. ampere ≡ (1e-7 newton)^0.5 と言えます.だからといって 力 1 newton を (1e7 ampere)^2 と表記することは可笑しいでしょう. それとも別のことを考えているのでしょうか?

>また,当方の具体的な説明に反論が無く,既に書かれた事をリピートされるので,ますます当惑します.

これは御互い様でしょう.「SI単位系が論理的に破綻している」の件は冒頭に書いておいたのに zoro 様は無視しました.だから私は その部分だけを再度 No.16194 で御願いしているのですから.

zoro さんの話は,私からすれば発散気味です.全てに答えていったら話の終始がつかなくなります.私の判断で話を絞って返答しているつもりです.それは zoro さんも同じでしょう.

>「SI単位系の枠組みを換える」ように誤解され易いご発言は,控えていただきたいと感じます. 「SI単位系の枠組みを換える」といったことはありません.この主張は「如何にもSI単位系が論理的に破綻しているかのよう」を意味を不明確にして柔らかく聞こえるように言い換えたように解釈しています.「ちょっと簡単に抜き書き出来ません.あえて言えば,全体的な流れからそう判断しました.」と同じたぐいと違いますか.

それで「控えていただきたい」に至るとしたら,私にとって酷い話です.具体的な批判ならば有難いのですが,

もっとも zoro さん以外の多数の皆様も「こんな話を続けるのは止めろ」と仰るのでしたら,当然ながら従います.皆様如何でしょうか?

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/05(Tue) 15:56)

>逆に yama さんは MKSA 単位系策定者たちが 抵抗:m^2 kg s^-3 A^-2 の表記を採用した理由をどう解釈していらっしゃいますか? m^2 kg s^-3 A^-2 に物理的意味に与えるのは苦しいですよね.

抵抗の単位を基本単位の組合せとして表記すれば m^2 kg s^-3 A^-2 になるということであって,常にこのように表記しなければならないというものではないでしょう.普通はこれをΩと表記しているわけであって大抵の場合はそのほうが便利です.単位次元解析などで必要があれば m^2 kg s^-3 A^-2 に戻せばいいだけです.

また,物理的意味を考えるのに基本単位にまで戻る必要はないと思います.その場合かえって分かりにくくなることは小林@那須のおっしゃるとおりです. 組み立て単位として V=J/C=m^2 kg s^-3 A^-1 が定められていて,これを用いて Ω=V/A と定められるわけなので,Ωの意味は分かると思います. つまり,組み立て単位の m^2 kg s^-3 A^-1 を新しい記号Vで表記すれば,見通しがよくなるわけです. 新しい基本単位としてVを導入する必要はないと思います.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

zoro さんのレス (2007/06/05(Tue) 16:52)

小林@那須さん,

>「電場系の基本単位 volt が隠れてしまっているので,MKSA 単位系が解り難くなっている」と主張しているのですが,問題が違うでしょうか.

このような見方なら,少しは判りますが,わざわざ;

(1)基本単位「volt」と書かれているのは,SI単位系に準拠しない論議と受け止められる危険性があります. (2)SI単位系では,電位差の単位は「V」であって,「volt」でも「v」でもありません. #それでなくとも,高校や予備校の先生方には #「V」を間違って「v」にしている方が多そうだからです. (3)高校の物理の教科書を数冊かって拝見していますが,「volt」という書き方はありません.せめてSI単位系に準拠した記号をお使い願いたいと思います. (4)私自身の使い方は「2007/06/05(Tue) 15:03 No.16199」に示したように,電磁気以外にも,「eV」を使っています.

>可笑しいと考えます. ampere ≡ (1e-7 newton)^0.5 と言えます.だからといって 力 1 newton を 1e7 ampere^2 と表記することは可笑しいでしょう. それとも別のことを考えているのでしょうか?

なにをお示しになりたいのか,理解出来ません.

>これは御互い様でしょう.「SI単位系が論理的に破綻している」の件は冒頭に書いておいたのに zoro 様は無視しました.だから私は その部分だけを再度 No.16194 で御願いしているのですから.

この他のスレッドを見るのが手間なので,このスレッドでいえば;

> MKSA 単位系は,MKS `ampere `volt 単位系だと書きました.一方で SI 単 >位系の規格書の単位の一覧表には,下のような `meter `kg `sec `ampere >四つの基本単位を使った単位次元表記が書かれています.この四つの基本単 >位だけによる組立単位の表記は素人向けの便法だと,私は考えます.

だと思います.なにか,文章はとても端折られているのではないでしょうか.

SI単位系では「基本単位を7つ定義して,論議が進んでいます」.上の書き方を拝見していると,「SI単位系での基本単位は不備だからMKS `ampere `volt 単位系にするべきだ」という解釈をしました.そこで

>「SI単位系が論理的に破綻している」

とコメントしました.

要するに,「基本単位」という単語を見ると,少なくとも私は反射的に,「SI単位系での基本単位」を連想し,それを換えるのなら「単位系の変更」の論議と受け止めます.

また,上記の質問に回答しなかったのは,以前,他の方や私がコメントしたのに返答が無かった事を思い出したからです.

>zoro さんの話は,私からすれば発散気味です.全てに答えていったら話の終始がつかなくなります.私の判断で話を絞って返答しているつもりです.それは zoro さんも同じでしょう.

私は,本質的に発散気味の論議を好みます.そうでないと,詳細に拘った結果,真実から外れた幻想の基に,「形だけ奇麗な結果だが,意味の無い論議に終わるのが嫌い」だからです.

今回のスレッドも一見すると,興味深いと思われたのですが,いくら何度読んでも判らないので質問しました.勿論,最初のスレッドから見ていますが.で,判ったことは,あまり関係のない論議が,バラバラに在るだけなのに,SI単位系という言葉が触媒になって,連続した論議に見えているように感じています.

ですから,もう一度,問題点を整理して,各論について再論議したらどうかと提案します.

他方,パイソンによる,ターミナルからの物理計算の件ですが,若い方にはお勧めしません.むしろ,問題にぶつかった時に,オーダ・エスティメーション(概算)をする訓練が大事でしょう.特に自分の研究領域については,いつでも自己論議しているのですから,思いついたらノートに書き出す訓練こそが重要です.

自分については,最近は,wikiで数式を整理し,「物理式 = 数値 x 単位」と書き下し,最後に,題意より数値を入れ,Wikipediaの単位換算を確認して,単位変換をしています.余程,難しい計算ではエクセルのVBAで対処します.

というように,物理計算にはいろいろな手法があるので,好きにしたいと思います.もちろん,ご自分のサイトで布教活動をしたり,この数式掲示板で紹介されるのはご自由だとおもいます.

是非とも,使い易い単位系の運用法を見いだされることを期待します.これで,私の意見は終了したいと思います.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

MXK さんのレス (2007/06/05(Tue) 17:07)

すでに,他の方々からの指摘にもあるとおり,

「ボルトを基本単位に加えよ」という主張は,単に「電磁的な量に対して kg が出てきたら,V A m^{-2} s^3に 置き換えた方が分かりやすくなる場合がありますよ」という程度の話にすぎないと思います.

小林@那須さんのいう基本単位というのは「独立した文字を与え,優先的に使う単位」という程度の意味だと 理解すると辻褄が合います.

それを,MKSAの4つの基本単位と同じレベルで論じているところが間違っているのです.基本単位の 意味を多分取り違えられているのです.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/05(Tue) 18:20)

>・翻ってみれば電流定義を二本の直線電線の間に働く力 F を F = μ0 I I'/r によって単位電流を定めるにしても,その μ0 の単位次元が weber/(`ampere `meter) とはどういうこと</a>だよ. 単位電流を定義しようとするのに `weber や `ampere の単位無次元を含む定数 を持ってくるなんて循環論法だろうが.

これもおかしいと思います.もし電流の単位の定義に循環論法があれば,その単位系は「論理的に破綻している」とまではいえないとしても,論理的に不備があることになり,きちんと定義されたことにはなりません. 電流の単位を定義するのに,まだ定義されていない weber や ampere を用い,さらにその定義を用いて weber や ampere を後から定義するのであれば確かに循環論法ですが,実際はそうではありません.

1m離れた2本の平行な同じ強さの直線電流が及ぼしあう1m当たりの力が2×10^-7Nになるときの電流の強さが1Aと定義されているわけですが,この定義には weber も ampere も用いられていませんし,μ0も登場しません.

この定義によってμ0=4π×10^-7NA^-2 になることが導かれますが,電流の単位Aの定義には後から決まるμ0は用いられていません.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/05(Tue) 19:23)

yamaさん>この定義によってμ0=4π×10^-7NA^-2 になることが導かれますが,電流の単位Aの定義には後から決まるμ0は用いられていません.

yama さんの御意見に完全に同意します.下の web 版なら,これらの疑問に対し,答えの場所へのリンクを貼ってあります.同じ事を書いています.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/05(Tue) 19:26)

yamaさん>m^2 kg s^-3 A^-1 を新しい記号Vで表記すれば,見通しがよくなるわけです 私は V で表記することで,電磁量の世界の本質を表現しているので見通しがよくなるのだと主張します.は単に偶然見通しがよくなるのではありません.

MXK さん>基本単位の意味を多分取り違えられているのです.

基本単位の定義で言葉遊びをやりあっても,得ることは少ないと思います.それよりも電磁気の世界を単純に記述できる世界を考えるべきです.そのため zoro さんとの議論所で出した図を再度使います.(proportional font 表記で醜いときはエディタで見てやってください)

┌────────────────┐質量:kg を含まない電磁場世界 │電磁気世界:meter sec ampere volt│ │┌───────┐│ │磁場系:ampere+│時空 meter,sec││ │└───────┘│ │┌───────┐│ │電場系:volt + │時空 meter,sec││ │└───────┘│ └────────────────┘ ↑Lorent 力 ↓ ┌──────────────┐ampere volt を含まない Newton 力学世界 │ Newton 力学世界│ │┌───────┐│ │質量:kg + │時空 meter,sec││ │└───────┘│ └──────────────┘

電磁気の世界は,殆ど対称な磁場系の世界と電場系の世界が,互いに関連して時間変化:運動を行っています.電磁気の世界は閉じた世界を構成しています.ニュートン力学の世界とは Lorent 力を介する部分でだけ繋がっています.電磁気の世界は 時空:sec meter と ampere volt で閉じています.kg は必要ありません.

div E = `c^2 4π ρ ------------------ (emu-1) div H = 0 ---------------------------- (emu-2) rot E = -1 ∂H/∂t ------------------- (emu-3) rot H = 4π j + 1/`c^2 ∂E/∂t ------- (emu-4)

Lorentz 力 dF = ρ E + I dl x H ------ (emu-7)

先の 「m^2 kg s^-3 A^-1 を新しい記号Vで表記すれば,見通しがよくなる」理由は,ampere と時空:sec meter による磁場側の表記と,volt と時空:sec meter による電場側の表記の組合せにできたからです.単なる偶然ではありません.

ここで MKSA 単位系に合わせて ampere と volt を基本単位に書きましたが,物理理論としては 電荷:coulomb, 電場:volt/meter など他の物理量を基本単位に選択することが可能です.電磁量の単位体系を単純に記述するためには,電場系の世界を記述する一つの基本単位と,磁場系の世界を記述する一つの基本単位を持ってくればよいだけです.

電磁量を meter kg sec ampere で表記することは,磁場系の世界と newton 力学の世界の量の組合せで電磁量を表現することになります.これは無茶です.その結果,抵抗:m^2 kg s^-3 A^-2 など無意味な表記になるのも当然でしょう.

このような意味で電磁量の世界を記述するには時空の他に,二つの基本単位を必要とすると私は主張します.ampere と時空だけでは足りないと主張します.二つ目の基本単位として kg を持ってくるのは不合理だと主張します.ここまでについて同意願えますでしょうか.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/05(Tue) 19:48)

zoro さん色々と御意見ありがとうございます.

>基本単位「volt」と書かれているのは,SI単位系に準拠しない論議と受け止められる危険性があります.

私も この点を考え初めています.御指摘どおりだと思います.色々と関連があるので単純に修正が利かない事情もあり悩んでいます.対策は決まっていません.

>文章はとても端折られているのではないでしょうか.

もちろん端折っています.それ以前の議論を踏まえての結論部分の一つなのですから.下の web 版ならば,ここらの前後関係がハッキリします.

python 以下については返答を差し控えます.今回の話とは直接関係ありません.また これで議論を始めたら,SI 単位系以上の大事になります.

>私の意見は終了したいと思います.

私は理由が客観的で意味があるのならば批判されても嬉しく感じます.(無用な罵り合いは嫌ですが) また何かありましたら御意見を伺わせてください.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

MXK さんのレス (2007/06/05(Tue) 19:51)

議論が生産的な方向に向かうことを願って,単位と次元の違いについて述べて 置きます.

小林@那須さんは,「単位次元」という言葉を頻繁使われていますが,これが 混乱の元になっていると思うからです.

「次元」はさまざま物理量を整理するための概念で,単位系を構成する際には, 少数の物理量に独立な次元を割り当てる作業が最初に必要となります. MKSA単位系では長さ,質量,時間,電流に対して独立な次元を割り当て, それぞれ L , M , T , I という文字で次元を表すことにしています. 4つの次元を選んだので,4元単位系と呼ばれます. それぞれに対して,単位の名称が与えられますが,これが基本単位です. 基本単位は名前だけではなく,どのようにしてその大きさを実現するかが 明示されなければなりません.基本単位の定義です. 一般の物理量の次元は L^a\, M^b\, T^c\,I^d の形で表すことができます. 単位の方も同様に基本単位から {\rm m}^a\,{\rm kg}^b\,{\rm s}^c\,{\rm A}^d のように 組み立てることができますが,便宜のために独立した記号を割り当てることがあります. たとえば, {\rm N}={\rm m}\,{\rm kg}\,{\rm s}^{-2} . 次元に対しては, 一意性を保証するために,そういうことは許されません.

次元と基本単位は1対1の関係にありますから,基本単位を増設することは,独立次元を 増やすことであり,単位系そのものを根本的に変えてしまうことになります.

CGS単位系では, L , M , T が独立した次元です.したがって,3元単位系です.

CGS emu では電流の次元は L^{1/2}M^{1/2}T^{-1} になりますが, MKSAでは I^{1} です.単位系が変われば,次元はすっかり変わってしまいます.

自然単位系においては,すべての物理量を無次元とした,0元単位系というのもあります.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/05(Tue) 20:17)

MXKさん>議論が生産的な方向に向かうことを願って

私も生産的であることを望みます.罵り合いは嫌いです.

>小林@那須さんは,「単位次元」という言葉を頻繁使われていますが,これが >混乱の元になっていると思うからです.

でどういえば良いのでしょうか.日本語では「単位次元」よりも「次元」で済まされることの方が多いと思います.文脈によってはそれもありです.でも数学の次元,時空の次元と混同されるのを嫌って「単位次元」を使っています.英語ならば「unit dimension」は珍しくありません.

>CGS emu では電流の次元は になりますが emu 単位系では抵抗の単位次元は cm/sec です.速度と同じになります.

MXK さんの言おうとしていることが理解できません.結論として何を言おうとしているのでしょうか.話を交ぜ返したいだけとは思いたくないのですが.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/06(Wed) 00:09)

小林@那須さんはMKSA単位系での電流の単位の定義に循環論法があるというのではなく,そのような疑問(誤解)が生じる可能性があるとおっしゃりたいわけですね.それなら話はわかります.

ところで,力学の世界と電磁気の世界が別々にあって,ローレンツ力だけで両者がつながっているという考え方には疑問を感じます. というのは,エネルギーや運動量を持つのは荷電粒子だけではなく,電磁場自体もエネルギーや運動量を持つからです.

>先の 「m^2 kg s^-3 A^-1 を新しい記号Vで表記すれば,見通しがよくなる」理由は,ampere と時空:sec meter による磁場側の表記と,volt と時空:sec meter による電場側の表記の組合せにできたからです.単なる偶然ではありません.

私も偶然だとは思いません.しかし,見通しがよくなる理由は,Vが単位電荷当たりの(ポテンシャル)エネルギーの単位だからだと思います.物理学のどの分野においてもエネルギーは重要な役割を持つからです.

>>CGS emu では電流の次元は になりますが >emu 単位系では抵抗の単位次元は cm/sec です.速度と同じになります.

議論がかみ合っていないように思います.MXKさんは電流の次元について述べられているのに小林@那須さんは抵抗の単位について述べられているからです.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/06(Wed) 17:05)

>いうのは,エネルギーや運動量を持つのは荷電粒子だけではなく,電磁場自体もエネルギーや運動量を持つからです.

エネルギーや運動量をニュートン力学固有の量と誤解していらっしゃいませんか.歴史的経緯で運動量:m kg sec^-2, エネルギー:m^2 kg sec^-2 と kg が入ってくるのでニュートン力学量に見えてしまうのは理解できます.だからといって,運動量・エネルギーがニュートン力学固有の量だとするのは飛躍しているでしょう.運動量・エネルギーは根源的なものであり,自然に存在するもの全てが備える性質です.「電磁場の運動量・エネルギーの例は,質量:kg の有無とエネルギー・運動量は直接には無関係であることを示している.質量を持たない電磁場でも運動量・エネルギーを持ちえる.」と私は主張します.

また電磁場の運動量・エネルギーを,質量をもった物質の,すなわちニュートン力学世界の運動量・エネルギーに直接に転化するためには Lorentz 力が必要になります.(「直接に」の意味は熱・統計力学まで話を広げるのは止めておきましょうの意味です.話が見え難くなるだけですから.) この意味で電磁場世界とニュートン力学世界は Lorentz 力だけで繋がっているとは主張しても許されるでしょう.

MKSA 単位系の議論では「電磁場世界とニュートン力学世界は Lorentz 力で繋がっており(他で繋がっているかはどうでもよくて),Lorentz 力を使って電磁世界の基本単位量を absolute に決められる」ことさえ一致していれば,他での繋がりについて細かく議論する必要はないとも考えます.

>見通しがよくなる理由は,Vが単位電荷当たりの(ポテンシャル)エネルギーの単位だからだと思います.

「Energy == q V だからだ」の論理には飛躍がありすぎるでしょう.基本単位して V 以外の量,たとえば 電界 V/meter や抵抗 Ω をもってきても見通しよく単位系網を構築できます.そして R I^2 はエネルギーの単位です.組合せを許すならば,どんな量でもエネルギーの単位にできるでしょう.

私は電磁場世界を表現するのに,時空以外に二つの基本単位量が必要だと主張します.MKSA 単位系では A と V ですが,R と q でも構いません.cgs Gauss 単位系のように q と qm でも構いません.相対論的に考えて,「電位とベクトル・ポテンシャル <i φ, A> の電磁世界を四元ベクトル表記をするためには,時空を表現するのに sec と meter が必要なように,電磁世界を表現するのに φ, A の二つの基本単位量が必要となる」と言ったほうが yama さんには通じやすいでしょうか.

以上,同意願えますでしょうか.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/06(Wed) 17:06)

>議論がかみ合っていないように思います.

私は MXK さんの投稿の意図が分らないと書いています.かみ合うはず有りません.yama さんは彼の意図を理解できますか? (こっちの話はスレッドの趣旨と離れるので,私は続けたくありません.yama さんが必要と思ったとき以外は返答しないでください.)

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

MXK さんのレス (2007/06/06(Wed) 19:42)

相変わらずの基本軽視(どころか無視)ですね.

「次元」と「単位」を区別することの意味もお分かりにならないようです. 一般的な事項について説明しているのに,理解しようともせず,議論を 混乱させるためだと疑われるあたりは,さすがです.

次元の説明に関しては,例えば,

があり,以下のように単位とは異なる概念であると書かれています. The unit of a physical quantity and its dimension are related, but not precisely identical concepts.

こんな無知,無視に満ちた状態で,単位系を議論することに意味があるのでしょうか?

「単位次元」を unit dimension の訳語だと即座に答えられたのは笑える話です. Unit dimension というのは家電製品などの大きさを

Unit dimension. 560(W)×530(D)×800(H)

という具合に表すために使われるものです.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/07(Thu) 00:39)

もちろんエネルギーや運動量はニュートン力学に固有のものではなく,物理学全体に関係する普遍的なものです.だからこそニュートン力学の世界と電磁気の世界を分けるのは不自然だと思うのです. もちろん,初めからこのような普遍性が認識されていたわけではなく,例えば昔は力学的エネルギーと熱エネルギー(熱量)は別のものとして扱われ,後者は力学的エネルギーとは別の単位(cal)で表されていたわけです.その後,実験的に両者の比例関係がわかり,熱の仕事当量(4.2J/cal)を用いて互いに変換しあえるようになったわけです.しかしこれは力学的エネルギーと熱エネルギーを次元の異なる別の物理量と見なしていたことになります. その後,両者は同じ物理量として扱われるようになり,1cal=4.2J として換算されるようになりました.これはJとcalが同じ次元をもつ単位になったということです.今では熱量もJの単位で表すのが普通になりました. このようにして単位が共通化されていくのは物理学の発展にともなう自然な流れだと思います.

しかし,Vを基本単位とすることは,単位の共通化とは反対に,同じ単位で表されていた物理量を次元の異なる別の物理量として扱うことになり,相互の変換には適当な比例定数が必要になります. 例えばMKSA単位系では,J=VAs ですが,Vを基本単位にするとこの関係はなくなります.VAsの単位を持つ物理量を仮に電気的エネルギーと呼ぶことにすると,電気的エネルギーと力学的エネルギーが次元の異なる別の物理量になります. その結果,電流による発熱量の式として Q=VIt は成り立たなくなり,Q=kVIt としなければならなくなります.ただし,kは電気的エネルギーを力学的エネルギーに変換するための定数で J/VAs の単位を持ちます.kの値は,基本単位としてのVの定義によって変わりますが,新しいVが現在の組立単位としてのVと実質的に同じであれば k=1J/VAs になります. 現在でも組立単位としてVを使うことができるわけなので,それを基本単位にしてもあまりメリットがあるとは思えず,余計な定数が入ってくるのでかえって煩雑になるように思います.

>私は電磁場世界を表現するのに,時空以外に二つの基本単位量が必要だと主張します.MKSA 単位系では A と V ですが,R と q でも構いません.cgs Gauss 単位系のように q と qm でも構いません.

これは違うと思います.cgs Gauss 単位系の基本単位は cm,g,s の3つだけです. 電荷や磁荷の単位はこれらの基本単位を組み合わせた組立単位です. 電場や磁場を表す単位をそれぞれ基本単位にしなければならない理由もよくわかりません.これらを組立単位で表すことがなぜいけないのでしょうか?

MXKさんとの議論がかみあっていないと言ったのは,引用した部分についてだけのことで,議論全体についてのことではありません. まあ,全体としてもあまりかみ合っているようには見えませんが・・・.

MXKさんは,小林@那須さんが誤解されていると思われる点を指摘されているだけだと思います.訳の分からないことをおっしゃられているとは思いません.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/07(Thu) 02:14)

>議論を混乱させるためだと疑われるあたりは,さすがです. 私は MXK さんが議論を不必要に「交ぜ返」していると主張します.

>でどういえば良いのでしょうか.

に対しては自分の考えを示さずに,他人を腐すことに多くの言葉を費やす MXK さんは議論を交ぜ返しています.

>があり,以下のように単位とは異なる概念であると書かれています. >The unit of a physical quantity and its dimension are related, but not precisely identical >concepts.

交ぜ返すだけの MXK さんが上のように書くと「下のように書いたほうが他の読者にも役にたつだろうが」と私は言いたくなります.

The unit of a physical quantity and its dimension are related, but not precisely identical concepts. The units of a physical quantity are defined by convention and related to some standard; e.g. length may have units of meters, feet, inches, miles or micrometres; but any length always has a dimension of L, independent of what units are arbitrarily chosen to measure it. 物理量の単位と,その(物理量の)次元とは同族ではあるが,厳密には同じ概念ではない.物理量の単位は便宜的に定義されたものであり,何らかの標準規格によって定められる.例えば長さは meter, feet inch, mile micrometer などの単位で表される.一方で長さを計るとき どんな単位で計っても,長さは L の次元を持つ.

例えば,速度という物理量の「次元:dimension」 は L/T であり,meter/sec は「単位:unit」だと言うわけです.

実は,以前は「単位次元」ではなく「物理次元」と表記していました.そのとき上と同様な指摘をしていただいたことがあったので,それから「単位次元」という言葉を使うようにしました.(だからこそ前回の MXK さんの指摘は何を分りきったことを繰り返すのかと思ったのですが)

そのとき検索して "unit dimension" という言葉も使われていたので「単位次元」で良しとしました.例えば http://store.ncsli.org/Transference_of_Physical_Unit__P434.cfm?UserID=85376&jsessionid=2c30ef7d2f86 |b6b1d5f710b6ea2db70606573ce782e2|3F でも "unit dimension" が使われているので,これも誤りとまでは言えないと考えます.一方で MXK さんに指摘されるまでは Width, Hight, Depth の "unit dimension" をけろっと忘れていました.「unit の意味が違うのだから許してくれ」とも思います.でも英語で "unit dimension" を使うならば,unit_dimension とでも表記して造語の意味を出してやるべきでしょう.

さて今論じているのは m, kg, s, A, V での物理量の組合せ表記についてです.この文脈では「物理量の次元:dimension of physical quantity」を使うべきではありません.MXK さんがリンクしてくれた Wiki の定義に従うのならば「単位」を使うことになります.でも私の文章の内容で「単位次元」の個所を「単位」としたのでは混乱するだけでしょう.単位次元:"unit_dimension" の方が,まだましです.

元々「単位次元」は私の造語です.これで大体の意味が伝わると思います.「単位次元」が造語であることを明記し,m kg s A V の組合せ単位を表す意味で「単位次元」の言葉を使い続けたいと思います.(でも,こんな話は枝葉末節な話でしょう.なんで MXK さんが拘るのか理解できない.だから「まぜ返し」だと思ってしまう.私としては言葉遊びではなく物理の批判して欲しい)

>こんな無知,無視に満ちた状態で,単位系を議論することに意味があるのでしょうか?

MXK さん以外の方はどう考えますでしょうか.このスレッドを読んでくれている皆様の意見を伺わせてください.多くの皆様が無意味な議論だから止めろと仰るのなら直ちにやめます.私自身は瑣末な間違いはあっても大筋では外していないと考えています.皆様の意見を聞かせてください.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/07(Thu) 12:12)

>このようにして単位が共通化されていくのは物理学の発展にともなう自然な流れだと思います. 同意します.自然認識の発展と共に単位系も統一・単純化されていきます.単位系の前提には自然認識があります.

┌───────────────────────── │m s A V で記述できる閉じた電磁気世界 ├─── 最初から ρ が入り込む m s A V 電場世界 │div E = `c^2 4π ρ ------------------ (emu-1) │rot E = -1 ∂H/∂t ------------------- (emu-3) │ ├─── 時間変化がなければ m s A で記述できる世界 │div H = 0 ---------------------------- (emu-2) │rot H = 4π j + 1/`c^2 ∂E/∂t ------- (emu-4) │ │ ├───────────── │電磁気世界とニュートン力学世界の接続 │Lorentz 力 dF = ρ E + I dl x H ------ (emu-7) └─────────────────────────

単位系も,上のように奇麗に分けられる Maxwell 方程式体系を前提に理解すべきです.同意してもらえませんか? [抵抗] = m^2 kg s^-3 A^-2 より [抵抗]= V/A の方が単純であり,それは この電磁世界の構造を反映しているからだと思えませんか?

>しかし,Vを基本単位とすることは,単位の共通化とは反対に,同じ単位で表されていた物理量を次元の異なる別の物理量として扱うことになり,相互の変換には適当な比例定数が必要になります. 例えばMKSA単位系では,J=VAs ですが,Vを基本単位にするとこの関係はなくなります.

なぜ J = V A s のエネルギーと 1/2 kg (m/s^2) のエネルギーを異なる物理量とするのですか.Lorentz 力の式が同じ物理量だと言っているのに.yama さんも下のように書いているのに.

>もちろんエネルギーや運動量はニュートン力学に固有のものではなく,物理学全体の関係する普遍的なものです.

>これは違うと思います.cgs Gauss 単位系の基本単位は cm,g,s の3つだけです.

この論理を勝手に敷衍すると emu 単位系の基本単位も cm,g,s の3つだけとなります. 違いますか? そうすると emu 単位系と MKSA 単位系が殆ど同じ単位系であることを解っていないことになります. 如何ですか? 下の URL にあるように,岡部先生と私との間で互いの意見が一致するのは,MKSA 単位系と emu 単位系が殆ど同じであることの認識が共通だからです.このことが私と yama さんの認識の違いだと思います.yama さん,如何でしょうか?

MXK さんとは Maxwell 方程式の話ができません.残念です.yama さんとならできるのに.私は物理/電磁気の議論を望みます.私は彼の Mqxwell 方程式の理解を疑っています.ましてや相対論的な電磁気世界の単純さ・奇麗さなど微塵も考えたことがないことが明白です.

これ以上 MXK さんについての議論は止めましょう.物理の話に専念しましょう.他の読者にも読んでもらえる話に限定しましょう.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

toorisugari no Hiro さんのレス (2007/06/07(Thu) 14:01)

小林@那須さん. 議論を封殺することは嫌なので,ずっと我慢してきましたが,言わせてもらいます.

もう,この議論をやめてもらえませんか?

小林@那須さんの伝えたいことは,この議論もふくめもうすでに過去スレッドに蓄積されていると思います.ですから,「心ある人」が小林@那須さんのご意見を目にする機会は確保されていると思います.もう,十分でしょう.

正直,小林@那須さんにこの題材は重すぎるように思います. 既存の体系を批判的に議論することは科学に置いて大事な事ですが, 同時に自己批判も冷静に行わないと, 「現代科学はまちがってる.私の意見に反対するものは人間的に問題がある.」 というトンデモ系と区別が付かなくなってしまいます.

yamaさんのご意見もMXKさんのご意見も正鵠をついています.

確かにMXKさんの言葉はきついかもしれませんが,明瞭に事実をおっしゃられてますし,議論として失礼ではないと思います.それに対して,小林@那須さんは慇懃ですが,正しく反論されていません.

一度,この題材から離れられてはどうでしょう.

# 私は,ある真実を見つけたと思って,発表して,理解してもらえなかったら,再度,根本から(自分の能力も含めて)見直すようにしたいと思っています.

我々が物理を学ぶとき,それは巨人の肩の上から見ているのだとよく言われます.先人の努力の上にあるのだと.これは一部の天才や成功した学者たちの事だけを言ってるのではありません.数多くの失敗の歴史も含んでいます.

多くの学生の,院生の,研究者の,真実と確信してした研究が水泡と化したときの涙の上に私たちは立っています.

ある枠組みを批判的に議論することは大事です.でも,その枠組みは,天才や成功者たちだけによって築かれたのでなく,多くの涙を供え物として築かれたことを忘れないでください.十分な理解と敬意の上での批判でないといけません.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

MXK さんのレス (2007/06/07(Thu) 14:11)

>>>でどういえば良いのでしょうか. > に対しては自分の考えを示さずに,他人を腐すことに多くの言葉を費やす MXK さんは議論を交ぜ返しています.

「次元」と「単位」を混同されているために,小林@那須さんのご主張はとても混乱したものになっているので, 再度ご検討下さい,というのが私の考えです.

> 交ぜ返すだけの MXK さんが上のように書くと「下のように書いたほうが他の読者にも役にたつだろうが」と私は言いたくなります.

話をすりかえないで下さい. 私は小林@那須さんに,次元の概念を理解いただくためにNo.16208を書いたのですが,それを「議論を交ぜ返すため」 と曲解されてしまったので,裏付け資料の例として Wikipediaの記事に言及しただけです. 他の読者のために引用しているわけではありません.

そもそも,このスレッドは > 皆様は如何考えますでしょうか. > 読んで批判してやってください. ということで始まったのではないでしょうか?

用語についてのお考えもかなり問題だと思います.

Q.単位ってなんですか?

  1. kg, m, s とかのことです.普段使ってるから分かるでしょ.
  1. じゃあ,次元って何ですか?
  1. 大体,単位みたいなものです.区別するのも面倒なので「単位次元」と呼べばいいよ.
  1. 用語をちゃんと定義しておいた方がよいのではないですか?
  1. 定義なんて言葉の遊びだから必要ないよ.

繰り返しますが,次元と単位の区別を認識しておられないので,気軽に「ボルトを基本単位に加える」 という主張ができてしまうのです.これは「電圧を独立次元として加える」ことを意味しますから, 単位系の構造が変わってしまいます. たとえば,yama さんが指摘されているように, VA と従来の W は異なった次元を持つことになります.

議論を不必要に交ぜ返していると感じておられるようですが,私の立場からは 必要だからこそ基本のところの議論をしているつもりです. 必要とされる修正は交ぜ返す程度のレベルでは済まないと思っています.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/07(Thu) 16:29)

>[抵抗] = m^2 kg s^-3 A^-2 より [抵抗]= V/A の方が単純であり,それは この電磁世界の構造を反映しているからだと思えませんか?

その通りですね.しかし MKSA単位系では 抵抗] = m^2 kg s^-3 A^-2も [抵抗]= V/A も成り立っているので普通は後者を用い,必要に応じて前者を用いればばいいわけです. MKSA単位系で組立単位に固有の名称と記号が定められているのは,通常はその記号を用いればよいということだと思います. 常に基本単位の組合せで表すのなら,VやΩなどの固有の記号を定める必要はないからです.

また,小林@那須さんのお考えに沿って,電磁世界とニュートン力学世界がローレンツ力で結びついていると考えても,Vは基本単位ではなく,力学的エネルギーの単位と関連していることが導かれます. 磁場のないときの式 F=qE は単位の間に N=AsV/m の関係があることを示していますが,これから V=J/As が導かれるからです.

>なぜ J = V A s のエネルギーと 1/2 kg (m/s^2) のエネルギーを異なる物理量とするのですか.Lorentz 力の式が同じ物理量だと言っているのに.yama さんも下のように書いているのに.

これはVを基本単位にしたと仮定した場合の話です. Vを基本単位にすれば J=VAs の関係が成り立たなくなるので,同じ物理量であるべきものが異なる次元を持つ物理量になってしまうということです. もちろんVを基本単位にすることも不可能ではありませんが,その場合は単位を整合させるための定数が必要になります.

>この論理を勝手に敷衍すると emu 単位系の基本単位も cm,g,s の3つだけとなります. 違いますか?

その通りです. emuも含めてCGS単位系は3元単位系であることはWikipediaにも書かれています.また,MKSA単位系への移行の際の過渡的措置として一般化CGS単位系が導入されたことも書かれていますが,これは4元単位系です.

岡部先生のサイトを見てみましたが,基本単位についての先生の扱いにはよく分からないところがあります.例えば次のような記述があります.

>磁束単位 abWb は電流単位 abA から誘導される単位であるが,磁気系の単位では重要な意味を持つので,一つの独立した基本単位として扱い,必要に応じ,電流単位との関連を論じることとする.

ここで,「誘導される単位」というのは組立単位のことだと思います.というのはその前に次のように書かれているからです.

>これより磁束単位が 1 abWb=1 dyne cm/abA=1 erg/abA のように得られる.

そうすると,磁束単位 abWb は組立単位であるにも関わらず,一つの独立した基本単位として扱うという奇妙なことになります. これをできるだけ辻褄が合うように解釈すれば,「abWbは実際には組立単位であるが,重要な単位だから,あたかも独立な基本単位であるかのように扱い,必要に応じて 1 abWb=1 dyne cm/abA=1 erg/abA の関係を用いて電流単位に関連付けよう.」ということではないかと思います. そうだとすると,これはMKSA単位系におけるVやΩやWbの扱いと同じようなものですね.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/07(Thu) 17:38)

MXK さん >必要だからこそ基本のところの議論をしているつもりです.

私は MXK さんの「1/f ノイズの由来について」スレッドでの「基礎のところで完全に外れていますので,議論にもなりません」で私は切れました.これから MXK さんの書いたものを詳しくは見なくなりました.批判をされるのは嬉しいのですが,この言い方では何を批判しているか解りません.反論することさえできません.貶し返すしかありません.御理解ください.

でも「単位次元」の用語についての指摘は感謝しています.この表現を多用しているうちに,自分の勝手な造語であることを忘れてしまっていました.物理の説明なのですから勝手な造語は避けるべきです.避けられないときは,丁寧に定義・説明すべきでした.

また 「MKSA に volt "基本単位" を追加すべき」の言い方も,「SI 単位系を作り直すべき」かのように誤解され拙いと思い始めました. SI 単位系の七つの基本単位を八つにせよと誤解させてしまうようです.ここは zoro さん,yama さん二人が同じ誤解をしていることより気付き始めました.

私の意図していることは「電磁単位系の系統図を構成するとき,時空:m S 以外に "電流:A" と "電圧:V" を系統図の開始位置に置くべき」の意味なのですが,無理な説明の仕方でした.

私の修正すべき点も解ったという意味で,収穫のあった議論でした.MXK さんには強い言い返しもしましたが,感謝もしています.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/07(Thu) 17:43)

Hiro さん 御意見有難うございます.

>議論を封殺することは嫌なので,ずっと我慢してきましたが,言わせてもらいます. >もう,この議論をやめてもらえませんか?

私は,別の読者も意識しながら書いてきました.ですから第三者の Hiro さんに上のように言われるとしたら,私の説明の仕方が悪いことになります.

>yamaさんのご意見もMXKさんのご意見も正鵠をついています.

MXK さんについては,感情的になっている面があるのを認めます.yama さんとの話は,私は yama さんが間違っていると思っています.何故理解してもらえないのか不思議です.ただ第三者から逆の判断をされていることは,私の説明に大きな欠点があり,誤解されるような説明をしていることになります.

私としては yama さんに emu 単位系と MKSA 単位系が殆ど同じであることを理解してもらえれば,全体の話を納得してもらえるかと思っていました.でも yama さんが私の誤りを直して教育してやろうと思っているのならば,この先話を続けても似た議論の繰り返しになる可能性が高いと思います.

逆に yama さんが私の説明を聞きたいとするならば,他の皆様にも意味のある議論が続けられると思います.ですから,この議論を止めるか否かは yama さんの意見に従う形にしたいと考えます.如何でしょうか.

yama さん,上のような次第で,現在の議論を続けるか否かについての判断を委ねます.yama さんが私の話を聞きたいと思っていなければ,私の説明が悪かっただけです.恨むなんてことはことはありません. yama さんが返答をしなければ,このスレッドは自動的に落ちていくことになります.ですから私の説明を聞きたいと思ったときだけ返事を書いてやってください.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

toorisugari no Hiro さんのレス (2007/06/07(Thu) 18:07)

えーーと,泥沼にはまるのが嫌なので,一回切りのつもりでしたが....

> yama さんの意見に従う形にしたいと考えます.如何でしょうか.

yamaさんに振るのはやめてください.yamaさんのご返事如何にかかわらず,ご自分で判断して,決断してください.

> ただ第三者から逆の判断をされていることは,私の説明に大きな欠点があり,誤解されるような説明をしていることになります.

....

ご説明に問題があるのでなく,ご理解そのものに問題があるとはお考えにならないのでしょうか? (確かにご説明は,,冗長でわかりづらいものですが....)

自分の理解に問題があるのかどうか,それを常に疑うのが健全な議論者だと思います.ご自分の理解が正しい事を前提に議論されては,議論する価値がないですよね.(信者相手に議論はできません.)

# 自分が正しいことを信じることと,疑うことは同時にできます.

議論は勝負や折伏ではありません.負けても得られるものがあることをお忘れなく.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

MXK さんのレス (2007/06/07(Thu) 19:15)

私は yama さんの意見に完全に同意します.

小林@那須さんが,トーンを下げておられるのに,再び強めの発言をするのは 大変気が引けるのですが,いつまでも延々とやっているわけにも行かないので, これまでのことをまとめておきます.

結局のところ,小林@那須さんは,ご自分の電磁気の単位を学習する過程で生じた混乱や誤解を MKSA単位系の欠陥として転嫁されているのだと思います.

数学を勉強していて,よく理解できないのを,数学の構造が悪いせいだと声高に非難しているような ものです.こういうのを数学を勉強中の若い人に聞かせるのはどうかと思い,数学を弁護するのは 当然のことでしょう.

他の方々も指摘されているように,ご自分のページで何を主張されるのも自由かと思いますが, 教育的文脈(この掲示板のこと)で,既存の理論に対する批判を,勝手な思い込みに基づいて 延々と展開されるのは困ったことだと思います.

以前のスレッドでも長々と議論をさせていただきましたが,

> 自分の電磁単位系の誘導順序の誤りに気付きました.
> 自分の基本的な誤りに気付かないまま恥をさらし続けるところでした.
> m( __ __ )m.m( __ __ )m.m( __ __ )m.m( __ __ )m.m( __ __ )m.m( __ __ )m.

ということで,終結したかに見えたのですが,今回のご主張は基本的には同じもの であって,私が説明に費やした時間は一体何のためだったのかと思いました. (連休の貴重な時間が無駄に終わったことが,1/fノイズで強めの発言をしてしまった原因です. もともと今回のスレッドは,完全に無視するつもりでいました.またも泥沼にはまった あほな自分にあきれています.)

今回も,いろいろあった挙句,

> 私の修正すべき点も解ったという意味で,収穫のあった議論でした.MXK さんには強い言い返しもしましたが,感謝もしています.

とおっしゃっているのですが,1ヶ月後に「よくわからないMKSA単位系...経緯(3)」というのが登場するだけではないかと, 懸念しています.

結局のところ,小林@那須さんがめざしておられるのは,

  1. MKSA単位系がご自分にとって分かりにくい.理解できない.
  2. それはMKSA単位系に欠陥があるからだ.
  3. それを示すための根拠をいくつも挙げて延々と説明する.(その大半が誤りや勝手な思い込みにすぎない.)
  4. (ときどき sf をすすめる.)

ということに尽きるのだと思います.

前回,気づかれた誤りというのは,(3)のどれかが間違っていることに気づかれただけなのです. 私は,(3)の多くが間違いを含んでおり,それは小林@那須さんが基礎部分において,思い違い をされているためだと指摘し続けてきました.思い起こせば,これまでの議論でも,

  • 力学単位系としてのMKS単位系の存在
  • SI文書の存在
  • (物理量) = (数値)×(単位)という考え方
  • 絶対単位系の意味
  • コヒーレント単位系の意味

について,全くご存じなかったり,勘違いをされていたという見事な実績があります. 磁束の単位の組み立て方も間違っておられたように思います. 現在でも,

  • 基本単位の意味
  • 次元と単位の違い
  • 基本単位にたいする標準(実現)の必要性

に対する理解があまりないように見受けられます.さすがに,「単位次元」はもう使われないよう ですが.

今回の改訂版では,(3)の部分が格段に増強されているだけで,基礎の部分の改善は全くといっていいほど 見られません.(2)を主張することが自己目的化しているので,そのような努力は意図的に避けられて いるようにも思えます.万一それが成功すれば,(1), (2) は消えてしまうのですから.

内容に立ち入った議論をして,誤りを指摘しても,(3)として新たな理屈を導入されたり,以前撤回された はずの根拠を再び持ち出してこられるので,収束するはずがありません.

>> 1グラム,あるいは1キログラムの質点同士を1メートルの距離に置いたときの重力を計算してみたらどうでしょう? >> この小ささも,どこか単位系がおかしいからでしょうか?

という私の質問に

> 違います.極端に大きな数や小さな数が入り込んでも複雑にはなりません.
> 現在は平気で `G `Hz, `n `meter などの言葉が新聞で書かれる時代です.

と答えておられるのに,またも,

> 物理学科を卒業していながら 1`meter 離した 1`coulomb の電荷どうしに働く力が 90 億`newton と馬鹿でかい値で
> あることを知らないやつさえいます.(昔の私のことです.)

と主張されるのですから,堂々めぐりもいいところです.

今度新たに付け加わったものとして,

> ampere ≡ (1e-7 newton)^0.5 と言えます.

がありますが,4元単位系であるMKSAと,3元単位系のCGSを完全に混同した議論なのですが,これを説明して 納得してもらうのに,どれだけの時間がかかるのでしょうか?

元のところでの誤り(2)を糊塗するために,もっともらしい膨大な記述(3)で煙に巻くのは, 科学もどきにありがちな図式です.しかも,批判されればされるほど精緻,大量になって ゆくのです.

小林@那須さんの長文の中で,唯一私が評価できるのは,2 x 10^{-7} N の理由を知ろうとされる 姿勢だけです.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/07(Thu) 19:20)

yama さん,No.16258 への返答が必要なときは,メール address を入れておきましたので,空メールを下さい.

>yamaさんに振るのはやめてください.yamaさんのご返事如何にかかわらず,ご自分で判断して,決断してください. yama さんの返答が先に出てしまっているので,前の提案は無意味になってしまいました.

私は理解してもらいたいと思っています.yama さんから説明してくれと言われたら説明します.でも,掲示板の管理者が望まない状態での公開議論は避けるべきです.以後は私的なやりとりとします.

>議論は勝負や折伏ではありません.負けても得られるものがあることをお忘れなく. 当然です.議論に勝つための屁理屈は軽蔑します.そんな風に取られているのが心外です.

>ご説明に問題があるのでなく,ご理解そのものに問題があるとはお考えにならないのでしょうか? こう返答すると怒るでしょうが,自分なりに時間をかけて考えたものの根本に問題が「あるかも」とは思いますが,「ある」とは思いません.議論とは自分と相手の両方が正しいとする前提での共同作業です.

>ご自分の理解が正しい事を前提に議論されては,議論する価値がないですよね. これには同意出来ません.「自分が誤っているかも」の気持ちは当然あります.でも自分で考えた末の結論は正しいとの前提で議論すべきです.(同時に誤りだと思ったときは,直ぐに誤りを認めるべきです.)でなければ相手に失礼です.もちろん相手も正しいことを前提とする議論でなければなりません.議論は二つの正しいとする命題を突き合わせて矛盾点を明確にしていく作業だと考えます.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/07(Thu) 23:28)

>私としては yama さんに emu 単位系と MKSA 単位系が殆ど同じであることを理解してもらえれば,全体の話を納得してもらえるかと思っていました.でも yama さんが私の誤りを直して教育してやろうと思っているのならば,この先話を続けても似た議論の繰り返しになる可能性が高いと思います.

私は,emu 単位系と MKSA 単位系が殆ど同じであるかどうかについては何とも言えません.何を基準に殆ど同じであるかどうかを判断したらよいか分からないからです. 私はただ小林@那須さんの主張の中の誤っていると思われる点を指摘し意見を述べただけです. 基本的なところにいくつも誤りがあれば,全体の話を納得する事はできません.

>逆に yama さんが私の説明を聞きたいとするならば,他の皆様にも意味のある議論が続けられると思います.ですから,この議論を止めるか否かは yama さんの意見に従う形にしたいと考えます.如何でしょうか.

説明以前に多くの問題があります.説明に誤りがあれば聞いても意味がありません.私の指摘した点について明確な回答がほしいと思います.

例えば

>cgs Gauss 単位系の基本単位は cm,g,s の3つだけです.

という私の指摘に対して直接にはお答えされず

>この論理を勝手に敷衍すると emu 単位系の基本単位も cm,g,s の3つだけとなります. 違いますか? そうすると emu 単位系と MKSA 単位系が殆ど同じ単位系であることを解っていないことになります. 如何ですか?

とおっっしゃっています.前半を見ると「emu 単位系の基本単位は cm,g,s の3つだけではないので,cgs Gauss 単位系の基本単位も cm,g,s の3つだけはない.」と主張されているように見えます.つまり,私の指摘を間接的に否定されているように見えます. しかしemu 単位系の基本単位は実際に cm,g,s の3つだけなのでこれでは全く反論になっていません. 後半との関係もよく分かりません. 「emu 単位系と MKSA 単位系のどちらも4元単位系なので殆ど同じ単位系である」とおっしゃりたいのでしょうか.しかしこれも前提が間違っているので納得できるものではありません.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/08(Fri) 02:18)

>説明以前に多くの問題があります.説明に誤りがあれば聞いても意味がありません.私の指摘した点について明確な回答がほしいと思います. >例えば >cgs Gauss 単位系の基本単位は cm,g,s の3つだけです. >という私の指摘に対して直接にはお答えされず

答えは「解釈で三/四つどちらにもとれます」で納得してもらえますでしょうか.

電磁気学の教科書には emu 単位系の基本単位は cm,g,s であり,[電荷]=g^0.5 cm^0.5 などの組立単位の一覧表が書いてあります.単純な方ならば3元単位系だと結論するだけでしょう.

でも,MKSA 単位系と emu 単位系は瓜二つです.MKSA 単位系が4元単位系ならば,emu 単位系も4元単位系といえます.実際 emu 単位系での組立単位を dyne を使って4元単位系のように表記することも可能です.逆に emu 単位系が3元単位系であるように MKSA 単位系も3元単位系として表記できます.[電流]= m^0.5 A^0.5 S で MKSA 組立単位の A を置き換えます.同じ理屈を援用することで cgs Gauss 単位系を4元単位系と主張することも可能です.岡部先生とは ここで一致しているので,他の結論も簡単に同意してもらえます.

これで yama さんに納得してもらえるとは思いません.でも言葉で誤魔化しているつもりもありません.Web page の方で emu 単位系から少しずつ変形して MKSA 単位系に到達するまでを具体的に示しています.要は基本単位の解釈は一つではないと言うことです.下も同じです.

>磁束単位 abWb は電流単位 abA から誘導される単位であるが,磁気系の単位では重要な意味を持つので,一つの独立した基本単位として扱い,必要に応じ,電流単位との関連を論じることとする.

Hiro さんより,これ以上は止めろとの意見が出ています.逆の意見はありません.私も皆様に嫌がられてまで続けたくありません.これ以上ここで yama さんとの議論を続けるのは避けるべきでしょう.必要ならば yahoo japan の物理掲示板あたりでスレッドを立てて続けようかと思います.如何でしょうか.私信でのやりとりでも構いません.そのときは名前をクリックして空メールを送ってください.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

toorisugari no Hiro さんのレス (2007/06/08(Fri) 03:01)

> 議論を続けるのは避けるべきでしょう.

ご判断,ありがとうございます.

一つ,確認しておきますが,議論を止めて欲しいと要望したのは,私一人である事です.

私は,この掲示板の1ユーザです.上の要望は私個人の意見であり,この掲示板の意志とは無関係であることをご承知ください.(この掲示板の管理者は何も発言していません)

あと,当該議論を止めて欲しいとは要望しましたが,小林@那須さんを排除する意図はありません.念のため.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

Joh さんのレス (2007/06/08(Fri) 03:22)

>.(この掲示板の管理者は何も発言していません)

たくさんいる管理人の一人であるJohです.

単位の議論は興味深く拝見させていただきました. 迷惑なことはありませんので,書き込みは遠慮なさらず,どんどん なさって下さい.

ただ,だいたいの意見や指摘は出切ったようであり,堂々巡りに なっている部分もあると思いますので,ここらで一息置いても 良いとは思います.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

justel さんのレス (2007/06/08(Fri) 06:46)

このスレッドをずっと読ませて頂いておりましたが, 小林@那須さんは,yamaさんやzoroさんが聞かれた質問に 論理的に解答されていないように感じておりました. 泣く子と地頭には勝てぬということわざがありますように もう一度,質問者の問いを読まれてそれに真摯に答えてから 議論の続きをはじめたらどうでしょうか?

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/08(Fri) 07:27)

>実際 emu 単位系での組立単位を dyne を使って4元単位系のように表記することも可能です.

4元単位系のように表記できることと,4元単位系であることは全く違うと思いますが・・・. その論法だと5元単位系のようにも6元単位系のようにも表記することができ,5元単位系であるとも6元単位系であるともいえることになります.

さらに言えば,MKSA 単位系と emu 単位系が瓜二つであれば,簡単な置き換えでemu 単位系をMKSA 単位系に変換できるように思えます. 例えば,emu 単位系での抵抗の単位は cm/s なので,適当に換算して MKSA 単位系のΩ(=m^2 kg s^-3 A^-2)に置き換えることができます. しかし,cm/s を,いつもΩに置き換えればいいというものではありません. 荷電粒子の速度が cm/s で表されているのをΩで表すとおかしなことになります.この場合は当然 m/s で表さないといけません. つまりcm/s は, Ω にも m/s にも変換できることになるので,変換は一意的ではありません. 従って MKSA 単位系の単位と emu 単位系の単位を 1:1 に対応させることはできません. これでも瓜二つといえるのでしょうか?

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/08(Fri) 11:24)

Joh さん,justel 御意見ありがとうございます.興味を持って,私の説明を読んでくれている方達がいらっしゃり喜んでいます.

このような私の話を聞いてくれる方は少数派です.回路屋や物理屋の方達でさえです.まあ「おまえの電磁気学の理解は中途半端だ.欠陥がある.」と言っているのと同じですから,気持ちも理解できます.教科書を丸暗記するタイプの人には,こんな話をしても無駄です.私の話に興味を持ってくれるのは,物理を根本から理解しようとする方に限られます.

これで yama さんも含め,三人の読者が継続の声を出して下さっているので,Hiro さんも,このままスレッドを継続するのを認めてくれるはずです.

堂堂巡りになっているとの批判もありますが,話している本人が一番結論に結びつける話に向かいたいのです.emu 単位系と MKSA 単位系が殆ど同じだとの話に来れたので,堂堂巡りではない説明ができます.

なお,この先 MXK さんは黙っていてください.話をか交ぜ返すことが大部分で困ります.まあトンデモだと断定する人間の話に口を挟むほど暇ではないと思いますが.私もトンデモ扱いしてくれる人に返事をする手間はかけません.以後は たとえ MXK さんの書き込みがあっても無視します.Got it ?

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/08(Fri) 11:25)

話を再開します.まず言葉:基本単位の意味を定義しておきます. 私も岡部さんも基本単位を, SI 単位系のような権威者が定めてくれた基本単位のことを意味していません.単位体系は物理理論の理解と一緒に,物理量を理解していく過程において,物理量の概念とペアで逐次理解されていくものです.物理理論の理解と共に単位体系の系統図が構築されていくものです.私や岡部さんの基本単位とは,この単位体系の系統図の開始点に存在する物理量の単位を意味します.

電磁量の場合,この単位体系の系統図が構築されていない方が多いと思います.基本単位から電磁量を逐次誘導できていない方が大部分だと思います.ですから python のようなソフトに頼って計算結果の組立単位を出させようとする方さえ現れてきます.物理量の概念を理解していたら,計算結果の組立単位ぐらい,計算しようとする者が解っているはずなのに.

さて emu 単位系と MKSA 単位系の同一性について述べます.

MKSA 単位系で電流定義を,二本の直線電流に働く力が 2e-7 N/m である変な数値を使って定義します.ここで物理的に自然な 2 N/m の力で単位電流を定義する単位体系を考えてみましょう.MKS emu 単位体系と名付けておきましょう.どんな単位体系ができあがると思いますか.

答えは簡単です. emu 単位体系の所で erg -> J, cm -> m, gram -> kg, S -> S に書きえた単位体系になります.emu 単位系は上の MKS emu 単位系で 2N と 1J の代わり 2dyne と 1erg で定義される単位系だからです.MKS emu 単位体系で記述される Maxwell 方程式は下のようになります.

div E = `c^2 4π ρ ------------------ (MKS_emu-1) rot E = -1 ∂H/∂t ------------------- (MKS_emu-3)

div H = 0 ---------------------------- (MKS_emu-2) rot H = 4π j + 1/`c^2 ∂E/∂t ------- (MKS_emu-4)

Lorentz 力 dF = ρ E + I dl x H ------ (MKS_emu-7)

見た目は cgs emu 単位系での Maxwell 方程式と全く同じです.基本単位量の違いに合わせて物理量の数値が変わるだけです.

さて,この MKS emu 単位系は4元単位系でしょうか,3元単位系でしょうか.単位電流定義での係数 2e-7 N を 2 N に変えただけなので,4元単位系だともいえます.emu 単位系と一対一に対応するのだから,3元単位系だとも言えます.どちらにするかは,イメージされる物理モデルと単位体系の系統図で決ままります.先にも示した下の電磁世界をイメージすれば MKS+A+V の5元単位系だということだって可能です. ┌───────────────────────── │m s A V で記述できる閉じた電磁気世界 ├─── 最初から ρ が入り込む m s A V 電場世界 │div E = `c^2 4π ρ ------------------ (emu-1) │rot E = -1 ∂H/∂t ------------------- (emu-3) │ ├─── 時間変化がなければ m s A で記述できる世界 │div H = 0 ---------------------------- (emu-2) │rot H = 4π j + 1/`c^2 ∂E/∂t ------- (emu-4) │ ├───────────── │電磁気世界とニュートン力学世界の接続 │Lorentz 力 dF = ρ E + I dl x H ------ (emu-7) └─────────────────────────

なお,電流定義の力に 2 N の力の変わりに 4`π N の力を使ってやれば MKS_emu Maxwell 方程式を有利化できます.殆ど MKSA Maxwell 方程式と同じです.ただし ε0 ->1/c^2, μ0 -> 1 (無次元の 1 !) です.H=B の美しい世界です.

逆に emu 単位系が4元単位系であるとも言えます. emu 単位系では単位電流を「二本の直線電流の間に 2dyne/cm の力が働く」ことで定義します.ですから abampere を dyne^0.5 の単位次元を持つと見なせます.これを使って組立単位を下のように構築できます.この dyne^0.5 を abampare に変えてやれば,MKSA 単位系と一対一に対応します

電荷,電気量クーロンdyne^0.5 S g^0.5 cm^0.5 電圧 起電力 ボ ルト dyne^0.5 cm S^-1 g^0.5 cm^1.5 S^-2 電気抵抗オームcm S^-1cm S^-1 磁界の強さampere/meterdyne^0.5 cm^-1 g^0.5 cm^-0.5 S^-1 磁束ウェーバdyne cmg^0.5 cm^1.5 S^-1 磁束密度テスラdyne cm^-12g^0.5 cm^-0.5 S^-1

cgs Gauss 単位系は教科書どおりに3元単位系と見なせます.でも q と qm の基本単位を追加した 5元単位系とも見なせます.前にあった岡部さんの abWb は qm のことです.

yama さん,以上納得してもらええますでしょうか.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/08(Fri) 14:38)

まず,基本単位の定義がここで初めて示されたことに驚いています. 普通のルールに従ってゲームをやっていたつもりが,ゲームの途中で「このゲームには特別ルールが適用されています.」といわれたような気持ちです. 普通,基本単位といえば他の単位の組合せで表すことのできない独立な単位を意味していると思います.特に断りがなければほとんどの人は基本単位をこの意味に解釈するでしょう.私はそのように解釈しましたし,このスレに書き込まれた他の方々も同様だと思います. 一般的に普及している意味と違う意味で用いるなら,そのことを予め説明しておく必要があります.そうでなければ定義の違いに気づかずにかみ合わない議論が続くことになります.今までの議論がそうだったと思います.

さて,小林@那須さんが示された定義ですが,極めて曖昧で私には意味がよく分かりません.分からないのは私だけで,他の方々は分かるのでしょうか? この定義では基本単位が互いに独立かどうかはっきりしませんが,今までのやりとりから考えると独立でなくてもかまわないようですね. 普通は予め定められた互いに独立な単位が基本単位になるのですが,組立単位も基本単位になりうるのだったら,ある単位が基本単位かどうかをどのようにして判別すればいいのでしょうか?

「dyne^0.5 を abampare に変えてやれば・・・」という記述がありますが,この abampere は cm,g,sで表される組立単位でしょうか?それとも cm,g,s とは独立な単位でしょうか? もし前者だったら普通の意味では3元単位系です.もし後者だったら4元単位系ですが,これはもはやcgsemu ではなく,たとえば cgsaemu とでも呼ぶべき別の単位系です.しかし小林@那須さんのお考えでは前者の場合でも,abampereを基本単位と見なすことができて4元単位系だということになるのでしょうね. 普通の概念とあまりに違いすぎるので戸惑っています.

>電気抵抗オームcm S^-1cm S^-1

これは,MKSA単位系の オーム が emu単位系の cm S^-1 に対応するということですね.前にも書きましたが,MKSA単位系の m S^-1 は emu単位系ではどのような単位に対応するのでしょうか.cm S^-1 に対応するように思われるのですが・・・,しかしそうすると単位の間に 1:1 の対応が成り立っていないことになりませんか?

ところで,MXKさんを排除するようなことには賛成できません.納得のいかないことがあればきちんと反論すべきだと思います.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/08(Fri) 16:41)

>小林@那須さんが示された定義ですが,極めて曖昧で私には意味がよく分かりません.

基本単位は,想定している組立単位の系統図で定まると言う事です.例えば MKSA volt の組立単位系統図を下のように作れます.ですから,この組立単位系統図の基本単位は MKS に ampere と volt を加えたものとなります.

磁場側 ┌→ 電流:`ampere ──────────→ 磁場 H:ampere `meter^-1
│├→ 電荷組立単位:`coulom=`ampere `sec の組立単位の導出
Lorentz 力 ─┤ 抵抗:`volt/`ampere ↑
│├→ 電場組立単位:`volt/meter ↓

電場側 └→ 電圧`volt────────────→ 磁束 B の組立単位の導出

div D = ρ, D=`ε0 E rot E = -∂B/∂t, B = `μ0 H

MKSA 組立単位の系統図

SI 単位系での 7 つの基本単位から始まる組立て単位は,上の組立単位の系統図が より大規模に作られたものにすぎません.

基本単位は,想定している組立単位の系統図に依存して変わるものです.特殊相対論:Minkowsky 空間での力学を考えるとき MKS ではなく M K の二つだけで考えます.ですから特殊相対論力学での基本単位は M K の二つになります.

岡部先生も私と同様な意味で基本単位を捉えています.私の意味で単位系を捉えれば,先に分らないといっていた,下の岡部先生の「基本単位:abWb」の意味が分るでしょう.

>こうして,電流単位に引き続いて磁束単位 abWb が決定できる.磁束単位 abWb は電流単位 abA から誘導される単位であるが,磁気系の単位では重要な意味を持つので,一つの独立した基本単位として扱い,必要に応じ,電流単位との関連を論じることとする.

>まず,基本単位の定義がここで初めて示されたことに驚いています. >普通のルールに従ってゲームをやっていたつもりが,ゲームの途中で「このゲームには特別ルールが適用されています.」といわれたような気持ちです.

yama さんとの基本単位の意味の違いに早く気付いていたら,もっと先に定義の話に行けたのですが. zoro さんと,yama さんの二人が揃って基本単位を何か天から与えられたもののように捉えていることで,基本単位の概念に根本的な違いがあることに気付きました.

でも考え直してください.現在では長さ 1m の定義は「1秒の1/299 792 458の時間に光が真空中を進む距離」です.長さは時間からの誘導単位になってしまっています.この意味で SI 単位系の 7 つの基本単位でさえ,yama さんが考えているような,天から与えられた基本単位でなくなっています.

>abampereはcm,g,sで表される組立単位でしょうか?それともcm,g,sとは独立な単位でしょうか? abampere は Lorentz 力を使って cm, g, s から absolute に誘導される単位です.独立な単位かどうかは,人間が想定する組立単位系統図に依存します.多くの教科書に書いてある cm, g, s の組立単位表記は,abamperet が cm, g, s から誘導される単位であることを意味します.組立単位の系統図の最初には存在しないことを意味します.

>もし前者だったら普通の意味では3元単位系です.もし後者だったら4元単位系ですが,これはもはやcgsemu ではなく,たとえば cgsaemu とでも呼ぶべき別の単位系です.

仰るとおりです.MKSA emu 単位系と一対一に対応する単位系です

>しかし小林@那須さんのお考えでは前者の場合でも,abampereを基本単位と見なすことができて4元単位系だということになるのでしょうね.

想定している単位系の系統図で abampere が入り込む位置によります.

>>電気抵抗オームcm S^-1cm S^-1 >これは,MKSA単位系の オーム が emu単位系の cm S^-1 に対応するということですね.前にも書きましたが,MKSA単位系の m S^-1 は emu単位系ではどのような単位に対応するのでしょうか.cm S^-1 に対応するように思われるのですが・・・,しかしそうすると単位の間に 1:1 の対応が成り立っていないことになりませんか?

dyne^0.5 cm S^-1/dyne^0.5 = cm S^-1 = dyne cm S^-1/dyne = gram cm S^-2 cm S^-1/(dyne^0.5)^2 = gram cm^2 S^-3 abampere^-2 が MKSA 単位系の抵抗組立単位:m^2 kg s^-3 A^-2 に対応します.

ちなみに emu 単位系での抵抗の単位次元 cm S^-1 に納得できますか? これで抵抗の物理量をイメージできますか? MKSA 単位系の抵抗組立単位:m^2 kg s^-3 A^-2 より,もっと抵抗物理量から離れています.cm S^-1 は速度の物理量です.

emu 単位系は天才 J.C. Maxwell が作った単位系ですが,J.C. Maxwell 自身も日常的には,電磁量を c g s 組立単位系では考えていなかったと思います.そんな真似ができるはずありません.J.C. Maxwell 自身も日常的には Practical Unit System で考えていたと思います.V=R I:Ohm の法則による単位系で考えていたと思います.yama さんは どう思いますか?

>ところで,MXKさんを排除するようなことには賛成できません.納得のいかないことがあればきちんと反論すべきだと思います.

もともと,この二回目の原稿は MXK さんにも理解してもらえることも目標として書きました.しかし彼は私の原稿を読もうともしていません.私を非難するために膨大な文章を書いているのに.彼が私の書いた原稿の内容について具体的・論理的に批判してくれてきたのならば喜んで彼を受け入れていました.

私は No.16264 のように書かれて受け流せるほどの練れた人間ではありません.同時に,これに反論する気にもなりません.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

Joh さんのレス (2007/06/08(Fri) 16:50)

>これで yama さんも含め,三人の読者が継続の声を出して下さっているので

いや,私はどちらかというと,一旦休憩したほうがいいと書いたつもりでした.

>人間として下劣すぎます.私は彼を軽蔑しています.

この種の発言は控えて下さるようにお願いします.度を越すと,削除対象になります.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/08(Fri) 16:54)

Joh さん,すいません.少し感情に流されてしまいました.無用な争いはすべきではありませんでした.消します.

なお堂堂巡りから脱出できたと思っています.どうでしょうか.掲示板の管理者からみて中断すべきと感じられるときは連絡ください.メールで構いません.人様の掲示板を利用させてもらっている立場を弁えます.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

zoro さんのレス (2007/06/08(Fri) 16:58)

横から失礼します.本来ならば,別スレッドにした方が良いかも知れませんが,このスレッドを読んでいる方々でSI単位系しかしらない場合に役立つかとおもいました.

私が大学に入学した頃は,cgs系とMKSAとが乱立していました.自分が購入して勉強を始めたのは,cgs-e??系だったと思います.これを少し読んだ時点で,単位の定義と,特に力学系との対応が理解出来ずにいました.先輩に聞くと,電磁気の授業ではMKSA系という事で,せっかく購入した参考書を破棄しました.

という事で,長い事,SI単位系だけで来たのですが,今回の論議を拝見していて,cgs系がなんで,cgs-emu, cgs-esu などと電磁気量を明示的に書かないのかや,MKSAが明示的な4元系なのに対して,cgs系は3元系なのを知って,今更ながら,1年生の時に理解出来なかったルーツはこれなのかと思いました.

・ウィキペディア:電磁気の単位 * http://ja.wikipedia.org/wiki/MKSA%E5%8D%98%E4%BD%8D%E7%B3%BB

そこで,例えば,ガウス単位系での電磁気学をコンパクトに書いてある参考書で,現在も入手可能な本があれば,お教え下さいませんか?

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/08(Fri) 17:58)

私は基本単位が天から与えられたものだとは全く考えていません. もしそうだったら,単位系は1つに定まってしまいます. 人間が決めるのだからいろいろな単位系がありうるわけです. しかし人間が決めるとしても全体として矛盾がないように決めないといけません. たとえば,組立単位であるのに独立な単位として扱うと矛盾が生じることがあります.

>dyne^0.5 cm S^-1/dyne^0.5 = cm S^-1 = dyne cm S^-1/dyne = gram cm S^-2 cm S^-1/(dyne^0.5)^2 = gram cm^2 S^-3 abampere^-2 が MKSA 単位系の抵抗組立単位:m^2 kg s^-3 A^-2 に対応します.

abampere を独立な単位とするならば,MKSA単位系との間に1:1の対応が成り立ちます. しかし,abampere を独立な単位とした単位系はもはや CGS emu ではありません. CGS emu と MKSA との間には1:1の対応は成り立ちません. 実際CGS emu では abampere=dyn^0,5=g^0.5 cm^0,5 S^-1 なので gram cm^2 S^-3 abampere^-2=cm S^-1 になることはお分かりでしょう.つまりMKSA系の速度の単位と抵抗の単位が,どちらも CGS emu の cm S^-1 に対応するわけです. 従って次のように表すことができるでしょう.

MKSA←1:1対応なし→ CGS emu

MKSA ←1:1対応→ CGS emu に abampere を独立な単位として加えた単位系

>ちなみに emu 単位系での抵抗の単位次元 cm S^-1 に納得できますか?

確かに奇妙に思われますが,CGC emu の単位系では必然的にそうなるということでしょう.独立な基本単位の数が少なければ全く別の物理量が同じ単位で表されることが生じるのはやむを得ません. 単位系は人間が決めるものなので決め方によっていろいろ不都合なことが起こるのでしょう.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/08(Fri) 18:44)

>私は基本単位が天から与えられたものだとは全く考えていません.

私は yama さんや zoro さんが言う「基本単位」の定義が分っていません.「天から与えられた」と表現したのは印象にすぎません.世間一般が,私の定義した意味で基本単位を理解していると思っていました.

yama や zoro さんが言う「基本単位」は「SI 基本単位」の意味でしょうか.または それ以外の意味だとしたら,どんな定義でしょうか?

>しかし,abampere を独立な単位とした単位系はもはや CGS emu ではありません. CGS emu と MKS との間には1:1の対応は成り立ちません.

(上で MKS は MKSA の意味だと解釈します) 同意します.CGS emu + abampere の組立単位系の系統図を構成すれば,MKSA 組立単位系の系統図と一対一に対応するというだけです.この意味で emu 単位系と MKSA 単位系は瓜二つだとする私の主張に納得してもらえますでしょうか.

元々の話に戻します.私の意味での基本単位 volt を MKSA 単位系に追加した,下の単位系の系統図によって MKSA 単位系での電磁量を理解すべきだ.

磁場側 ┌→ 電流:`ampere ──────────→ 磁場 H:ampere `meter^-1
│├→ 電荷組立単位:`coulom=`ampere `sec の組立単位の導出
Lorentz 力 ─┤ 抵抗:`volt/`ampere ↑
│├→ 電場組立単位:`volt/meter ↓

電場側 └→ 電圧`volt────────────→ 磁束 B の組立単位の導出

MKSA 組立単位の系統図

「このような組立て単位系の系統図によって電磁量の組立単位が構成すれば見通しがよくなる.例えば抵抗の組立て単位:V/A と単純にできる.」

「電磁気学を理解している専門家は MKSA 単位系の系統図ではなく,MKSA + volt の組立て単位系の系統図を使うべきだ.」

このような意味で 「MKSA 単位系は,基本単位 volt を追加した MKSA volt 単位系と捉えるべき」に納得してもらえますでしょうか.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

toorisugari no Hiro さんのレス (2007/06/08(Fri) 18:52)

>> 同時に自己批判も冷静に行わないと, >>「現代科学はまちがってる.私の意見に反対するものは人間的に問題がある.」 >>というトンデモ系と区別が付かなくなってしまいます.

という私の意見は読んだはずなのに..

> 人間として下劣すぎます.私は彼を軽蔑しています.

これはネタだよね.ネタでやってるんだよね.

もう疲れた.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/08(Fri) 18:57)

>これはネタだよね.ネタでやってるんだよね.

Hiro さん.すいません.つい感情にまかせて書いてしまいました.書いてしまったものは取り消せませんが,不快にさせたことをお詫びします.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

めだか さんのレス (2007/06/08(Fri) 19:22)

小林@那須さま

>私は yama さんや zoro さんが言う「基本単位」の定義が分っていません.「天から与えられた」と表現したのは印象にすぎません.世間一般が,私の定義した意味で基本単位を理解していると思っていました.

>yama や zoro さんが言う「基本単位」は「SI 基本単位」の意味でしょうか.またはそれ以外の意味だとしたら,どんな定義でしょうか?

黙っていようかと思ったのですが,辛抱の効かない人間なので,意見いたします.

今まで,様々な人が,「基本がわかっていない」とおっしゃていたのは,まさに引用したこの点においてであると思います. 「基本単位」については,今までの返信記事の本文中や,SI文書の引用,Wikipediaへのリンクなどでさんざん目にされたはずです. それでも猶,この場でこのようなことをおっしゃると言うことは,小林@那須さまが「自分が信じたいようにしか解釈できない」状態におられると判断せざるを得ません. また,'volt,'ampere などの見慣れない単位の表記法や,ご自分で定義された用語をなんの説明も無しに使っておられる点などを鑑みると,あなたは少し独善的に過ぎるのではないかと思われます. さらに,MXKさまに対するご発言(いくら売り言葉に買い言葉だとしても)や,「権威者」に頼る態度を見る限り,あなたの望まれる「物理の議論」ができる環境には程遠いと思われます.

ここは,一旦,今までの議論内容を冷静に,公正にあらゆる面から考察されるための時間をお取りになった方が,双方にとって良いのではないかと思います.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/08(Fri) 19:54)

>yama や zoro さんが言う「基本単位」は「SI 基本単位」の意味でしょうか.または それ以外の意味だとしたら,どんな定義でしょうか?

他の単位の組み合わせで表すことができない互いに独立な単位で,その他の単位を組み立てるもとになる単位のことだと理解しています. 基本単位は単位系によって違います.SI基本単位に限るものではありません. zoro さんのお考えは分かりませんが,たぶん同じように理解されているものと思います.

MKS はNKSA の誤りでしたので,訂正しておきました.

>同意します.CGS emu + abampere の組立単位系の系統図を構成すれば,MKSA 組立単位系の系統図と一対一に対応するというだけです.この意味で emu 単位系と MKSA 単位系は瓜二つがとする私の主張に納得してもらえますでしょうか.

emu 単位系と MKSA 単位系が瓜二つとは言えません. 既に説明したように単位の間に1:1の対応がないからです.

CGS emu + abampere 単位系とMKSA 単位系が瓜二つということはできそうです. ただし私がCGS emu + abampere 単位系というのは CGS emuにabampereを独立な単位として加えたものでCGS emu とは別物です.

>このような意味で 「MKSA 単位系は,基本単位 volt を追加した MKSA volt 単位系と捉えるべき」に納得してもらえますでしょうか.

voltを独立な単位として追加したものは,もはや MKSA 単位系 ではありません. MKSA単位系では,Vはあくまでも組立単位であって,独立な単位ではなく,捉え方によって独立な単位になるものでもありません.

ただし,基本単位という言葉を独立な単位という意味ではなく,小林@那須さんが定義された意味で用いるなら,小林@那須さんのような捉え方も可能かもしれません.しかし,小林@那須さんの定義の意味がよく掴めていないので,はっきりとは言えません.

なお,基本単位という言葉を一般に普及している意味と異なる意味に用いることは,きちんと定義したとしてもあまり好ましくないと思います.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

zoro さんのレス (2007/06/08(Fri) 20:40)

>>yama さんや zoro さんが言う「基本単位」は「SI 基本単位」の意味でしょうか.または それ以外の意味だとしたら,どんな定義でしょうか?

>他の単位の組み合わせで表すことができない互いに独立な単位で,その他の単位を組み立てるもとになる単位のことだと理解しています. >基本単位は単位系によって違います.SI基本単位に限るものではありません. >zoro さんのお考えは分かりませんが,たぶん同じように理解されているものと思います.

私は,おざなりなSI単位系しか知りませんでした.こちらで LaTeX 友の会というのをつくり,数式表現のなかで「微分のd, expのe, 純虚数のi, そして "単位"を立体にする」という前後からSI単位系を意識するようになりました.最近では,高校の物理の教科書でのSI単位系の記述に疑問を持っています.

というわけで, cgs-e??系が,3元単位系であるということを知り驚愕しているくらいです.

しかし,本質的に「基本単位」というものは,先人達が人知を寄せて考えだしたシステムであり,注意深く扱うべきものだとおもいます.勿論,解釈論や改定論は自由闊達にすべきですが,それには十分な準備と工夫が求められると思います.

肝心の論点に戻りますと,私,zoroは; ・「基本単位」=「SI 基本単位」=(MKSA)4元単位系 と思って書いていました.

今日の yamaさんと小林@那須さんとの論議を拝見していて,自分は, cgs-Gauss系に興味を持つようになりました.恐らく, cgs系では; ・「基本単位」=「cgs」3元単位系 だろうなと推測しています.

自分の感覚では「基本単位」=「独立な単位の基底セット」と捕らえています.組立単位は「基底単位」の乗除で定義され,頻繁に使うばあい,ニックネームが付くのだろうとおもいます.

〜〜〜

めだかさんのご発言;

>ここは,一旦,今までの議論内容を冷静に,公正にあらゆる面から考察されるための時間をお取りになった方が,双方にとって良い

に賛成いたします.

〜〜〜

確かに,小林@那須さんの指摘されるところの近傍に, SI単位系がもつ「判りにくさ」があるのではないかとも思います.

MXKさんが指摘された >私が評価できるのは,2 x 10^{-7} N の理由を知ろうとされる姿勢

なども,面白い分析が出来るように感じます.

一度クールダウンして,カジュアルなテーマとして論議して,煮詰まってから,単位系にどのように反映させるかを含めて更に論議をするような事が出来れば面白いのではないでしょうか?

折角,多数の意見が出て,自分もとても勉強させてもらっています.若い方々にも参考になると思うので,より深い論議に進まれるように希望します.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/08(Fri) 21:33)

>他の単位の組み合わせで表すことができない互いに独立な単位で,その他の単位を組み立てるもとになる単位のことだと理解しています. >基本単位は単位系によって違います.SI基本単位に限るものではありません.

上の yama さんの「基本単位」の定義からすると,二人とも「基本単位」は同ことを意味しているように受け取れます.私が基本単位の定義を持ち出したのは, yama さんとの間に基本単位の意味に違いがあるかと思ったためでした.でも,その必要はなかったようです.

その他の単位を組み立てるもとになる単位 <==> 組立単位 系統図の開始位置にある単位

だからです.

「独立な単位」の意味の確認が残っています.私は「独立な単位」の意味を「重複が発生しない基本単位」の意味と解釈します.

重複が発生しないの意味を明確にするため,,長さ m だけから構成する組立単位の系統図を考えてみます.下の系統図が得られます.ここで独立な単位は m に限られます. M ≡ m^2 とすると m と M は独立ではありません. m^4 = M^2 で重複が発生するからです)

m -> m^2(面積) -> m^3(体積)....

この「独立な単位の」私の解釈が yama さんと同じならば,私の基本単位と yama さんの基本単位は同じ意味となります.私が持ち出した基本単位の定義を止めて yama さんの基本単位の定義にできます.

そして重複が発生しない限り CGS emu + abampere + abvolt ... と追加していけることになります.たぶん abvolt の次はないでしょうが.

さて CGS emu + abampere 単位系の存在を認めてくれました.ならば CGS emu + abampere + abvolt 単位系(==組立単位の系統図) の存在を認めてくれますか? MKSA + volt 単位系(==組立単位の系統図)の存在を認めてくれますか?

これらの単位系( 組立単位の系統図と同じ意味です)の存在を認めるならば,私と yama さんの基本単位の定義と認識が一致します.MKSA + volt 単位系(== 組立単位の系統図) の認識が同じ意味になります.

上のように基本単位の意味が一致したとしても,No.16244 の下の文章の意味が理解できません.

>しかし,Vを基本単位とすることは,単位の共通化とは反対に,同じ単位で表されていた物理量を次元の異なる別の物理量として扱うことになり,相互の変換には適当な比例定数が必要になります. 例えばMKSA単位系では,J=VAs ですが,Vを基本単位にするとこの関係はなくなります.

erg = abvolt abampere S ですが,abvolt を基本単位にしても,この関係は成り立ちます.すると「MKSA単位系では,J=VAs ですが,Vを基本単位にするとこの関係はなくなります」の意味が不明となります.私の解釈が変でしょうか?

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/08(Fri) 23:44)

小林@那須さんが考えられている「重複が発生しない」という意味がよく分からないので,それが「互いに独立」ということと同じかどうかは何とも言えません. 互いに独立な基本単位とは簡単には,組立単位でないものと言えばいいでしょうか.

最初に基本単位の組を決めておいて,それらの基本単位を組み合わせて新しい単位を作っていくわけです.なお基本単位が同じであっても異なる単位系がありうることはemu とesuの例を考えれば分かると思います. 新しく作られる単位は組立単位であって基本単位ではありません. ただし,次のような記述を見ると,このことを理解いただいているかどうか心配になります.

>そして重複が発生しない限り CGS emu + abampere + abvolt ... と追加していけることになります.たぶん abvolt の次はないでしょうが.

可能性としてはそういうことも考えられます.しかし,abampere や abvolt を独立な基本単位として導入することは,単に基本単位の数がふえるだけではなく,単位系の構造を基本から作りかえることであり,全く別の単位系に変えることであるということがおわかりでしょうか. abampere や abvolt を組立単位として追加するのとは全く意味が違います. しかし,次のように書かれているのを見ると,このことが混同されているのではないかと思います.

>erg = abvolt abampere S ですが,abvolt を基本単位にしても,この関係は成り立ちます.すると「MKSA単位系では,J=VAs ですが,Vを基本単位にするとこの関係はなくなります」の意味が不明となります.私の解釈が変でしょうか?

erg = abvolt abampere S は abvoltが組立単位であるからこそ成り立っているわけです. つまり,abvolt=g cm abampere^-1 S^-3 だからです.しかしabvoltを基本単位にすればこの関係は成り立たなくなります.なぜなら,基本単位は他の基本単位の組み合わせで表すことができないからです.もし abvolt=g cm abampere^-1 S^-3 が成り立つとすれば abvolt が他の基本単位の組み合わせで表されていることになるからです.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/09(Sat) 00:14)

>abampere や abvolt を独立な基本単位として導入することは,単に基本単位の数がふえるだけではなく,単位系の構造を基本から作りかえることであり,全く別の単位系に変えることであるということをおわかりでしょうか.

同意します.それを私は基本単位の組から始まる組立単位の系統図と表現しています.基本単位の組の数が異なれば,その後に順次導かれていく誘導単位はの順序は全く異なります.

>erg = abvolt abampere S は abvoltが組立単位だから成り立っているわけです. >しかしabvoltを基本単位にすればこの関係は成り立たなくなります.なぜなら,基本単位は他の基本単位の組み合わせで表すことができないからです.

abampere = dyne^0.5 = (gram m S^-2)^0.5 です.cgs の組合せです.cgs 組立単位とも見なせる abampere を独立した基本単位として CGS emu + abampere と CGS emu に追加することを許したわけです.ですから「独立した」は「他の基本単位の組み合わせで表すことができない」は成り立たないでしょう.CGS emu + abampere と abampere = dyne^0.5 を認めているのですから.そして abampere と同様に abvolt も組立単位ですが,独立した基本単位に出来るでしょう.

もっと根本に立ち返れば,cgs の長さ cm は,現在では光速度を介しますが時刻 s からの誘導単位です.でも基本単位です.

別に矛盾をあげつらって私が正しいと言いたいのではありません.下の Lorentz 力の I dl H で定義した abampere による力が力学量の力と同じ物理量ならば,q E dl = q V で定義した abvolt と q の積が力学量のエネルギーであることを認めるべきと言いたいのです.erg = abvolt abampere と dyne = abampere dL H は電場・磁場の対称性に由来する同等な性質だと言いたいのです.それが基本単位と組立単位の系統図にも反映されるべきと言いたいのです.自然の対称な構造が,基本単位から始まる組立単位の系統図にも反映されるときが,一番自然な単位系になるといいたいのです.CGS emu + abampere + abvolt とするときに,電場と磁場の対称性を反映するといいたいのです.

Lorentz 力: f = q E + I dl H

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

zoro さんのレス (2007/06/09(Sat) 00:59)

単なる思いつきなのですが;

・cgs-e??単位系が3元単位系という事は,電流や電圧は組立単位

なのでは,無いでしょうか.

明日は,朝早いので,もう寝ないといけないのですが,書き込みしないと寝付けそうにないので....

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/09(Sat) 09:14)

>abampere = dyne^0.5 = (gram m S^-2)^0.5 です.cgs の組合せです.cgs 組立単位とも見なせる abampere を独立した基本単位として CGS emu + abampere と CGS emu に追加することを許したわけです.ですから「独立した」は「他の基本単位の組み合わせで表すことができない」は成り立たないでしょう.CGS emu + abampere と abampere = dyne^0.5 を認めているのですから.そして abampere と同様に abvolt も組立単位ですが,独立した基本単位に出来るでしょう.

abampere = dyne^0.5 = (gram m S^-2)^0.5 の関係がなりたつのは,CGS emu の場合です.abampereを独立した単位とすることはこの関係を断ち切ることです. 従って,CGS emu にabampereを独立な基本単位として加えた単位系ではこの関係は成り立っていません. もし,この関係を保持するならば,組立単位の (gram m S^-2)^0.5 を新しい記号のabampereに置き換えただけになり,abampereを基本単位にすることにはなりません. CGS emu にabampereを独立な基本単位として加えた単位系においては,abampere と (gram m S^-2)^0.5 は全く別の単位なのです.

「独立な基本単位」と書いたのは,基本単位が他の基本単位とは独立であることを強調するためで,独立でない基本単位というものはありません.独立でない基本単位というのは基本単位の定義に矛盾します.

>もっと根本に立ち返れば,cgs の長さ cm は,現在では光速度を介しますが時刻 s からの誘導単位です.でも基本単位です.

cm の定義には s の定義が用いられますが,それは cm が組立単位であるということではありません.cmを他の基本単位である g と s の組み合わせによって表すことはできないからです.

小林@那須さんは,基本単位の定義を変更して独立でない基本単位も認めるということでしょうか? もしそういうことだったら,全く話は違ってきます.そうなったら,私はもう話についていけません.

>q E dl = q V で定義した abvolt と q の積が力学量のエネルギーであることを認めるべきと言いたいのです.

その式がそのまま成り立つように abvolt を定義すれば abvolt は自動的に組立単位になります.abvolt を独立な基本単位にする場合は,その式はそのままではなりたちません.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/09(Sat) 12:16)

zoro さん久しぶりです.

>・cgs-e??単位系が3元単位系という事は,電流や電圧は組立単位 >なのでは,無いでしょうか.

そうです.電流や電圧は cgs の組合せで表されます.ただし 0.5 べき乗が入り込みます. 1 abampere = 1 (dyne)^0.5 = cm^0.5 kg^0.5 S^-1 です.

MKSA 単位系でも同じです 1 A = (1e-7 N)^0.5 です.MKS からみれば組立単位です.MKSA 単位系では A を組立単位から基本単位に昇格させただけです.No.16201 では理解してもらえませんでしたが,今回は如何でしょうか? MXK さんのようにトンデモな話だと思われますか?

私は電磁量の体系を理解するということは,基本単位から始まる電磁量組立単位の系統図を逐次導出できるようになることだと主張します.大部分の方が,電磁量については組立単位の系統図ができていないと思います.ニュートン力学での物理量のような明晰性が電磁量について持てないと思います.zoro さんは どう思われますか?

そして私は「電磁量全体の単位系系統図は,は電場と磁場の対称性を反映させた MKS + ampere + volt の基本単位にして作り上げるべき」「MKS + ampere だけでは 抵抗:m^2 kg s^-3 A^-2 のように物理的意味の不明な電磁量が出てきて単位系統図を作れない」と主張してきました.この私の主張を納得してもらえましたでしょうか?

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/09(Sat) 12:17)

yama さん,長々と議論に付き合ってくださりありがとうございました.

>基本単位の定義を変更して 基本単位の定義はなされていません.「他の単位の組み合わせで表すことができない互いに独立な単位で,その他の単位を組み立てるもとになる単位のこと」と yama さんは定義してくれました.これに対し私は「独立した」の意味を「重複を発生させない」としましたが yama さんは「独立した」の意味を示してくれていません.

世間一般でも基本単位の共通定義がない状態です.zoro さんは「SI 基本単位 = 基本単位」だとしていました.このため私と zoro さんの話はすれ違ってしまったのですが,zoro さんが間違っていたとも思いません.「基本単位」の共通認識が出来上がっていないだけです.「基本単位」の言葉なんて,その程度の厳密性しかないということです.

>基本単位が他の基本単位とは独立であることを強調するためで,独立でない基本単位というものはありません.

意味不明です.何度も書いていますが,現在では長さは光速度を介して時間から誘導されるものです.メートル原器は捨てられました.yama さんにとって長さの基本単位は「独立」しているのですか?

>abampere = dyne^0.5 = (gram m S^-2)^0.5 の関係がなりたつのは,CGS emu の場合です.abampereを独立した単位とすることはこの関係を断ち切ることです.

これを私の言葉で表現し直すと「abampere を独立した単位として捉え直し,基本単位から始まる組立単位の系統図を作り直す」ということです.私にとって単位系での「独立した」とは人間の自然の捉え方を意味しているだけです.

ただし自然での物理量の独立は認めます.MKS とは独立した電場と磁場の自由度をこの自然は備えています.電磁気学は,その自由度がもたらす自然現象を説明します.電場と磁場の自由度を表現するために MS + ampere + volt 単位系を使います. ampere や volt の物理量が Lorentz 力を使うことで MKS から誘導されることが重要なだけで「ampere volt が独立した基本単位/誘導単位の何れか?」の議論には意味を見出せません.

>小林@那須さんは,基本単位の定義を変更して独立でない基本単位も認めるということでしょうか? >もしそういうことだったら,全く話は違ってきます.そうなったら,私はもう話についていけません.

上の理由で,私は独立でない基本単位も認めます.「人間が独立と捉える」の意味しかありません.前にも書きましたが,相対論的力学では,私は時間は長さからの誘導単位として扱います.Minkowsky 空間は,時間も含めて meter で計量される幾何学空間と捉えます.長さ^4 空間と捉えます.Lorentz 変換を無次元の虚数回転と捉えます.相対論的力学では MKS ではなく MK だけで考えます.MKS 単位系と MK 単位系のどちらが正しいのかなんて無意味です.

組立単位の系統図は,自然を記述するときに想定したモデルの構造を反映させるように構成するものであり,「独立した基本単位」の表現には意味を見出せません.組立単位を独立した基本単位と見なして組立単位の系統図を作り直すとき,自然の構造を反映した組立単位->基本単位を行わないと,組立単位の系統図を作り直したときに重複が発生するだけです.

>私はもう話についていけません. 十分に付き合ってくれました.ありがとうございました.普通の方なら emu 単位系を出した時点で話を進められなくなります.yama さんは「MKSA 単位系の電流定義で力を 2N にしてやれば emu 単位系と全く同じになる」だけの説明で,emu 単位系での議論に移ってこれました.凄いと思っています.

yama さんの基本単位の定義における「独立」の意味を説明してもらうことを最後に,今回の議論は終わりにしましょう.

あと yama さんの意見を聞かせておいてください.私の主張 「電磁量の組立単位の系統図は,電場と磁場の対称性を反映させて, MKSA + volt の基本単位から始めて作るべき.」 「MKSA で電磁量の組立単位系統図を作ると 抵抗:m^2 kg s^-3 A^-2 など物理的に無意味な単位系統図になってしまう. 」

を納得してもらえましたでしょうか.

MKSA + volt <--> CGS emu + abampere + abvolt

を認めてくれるのならば,納得してもらったことになるのですが.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/09(Sat) 13:18)

独立というのは他の基本単位の組み合わせでは表せないということです.つまり組立単位ではないということです. 「他の単位の組み合わせで表すことができない互いに独立な単位」はそのことを強調して冗長に表したのです.独立という言葉を除いても同じことです.

長さの単位の定義については,前のレスに追加しておきました.

>上の理由で,私は独立でない基本単位も認めます.「人間が独立と捉える」の意味しかありません.

その人間というのは誰なのでしょうか.人によって捉え方が違うのではないでしょうか. これでは,客観的に定義されているとは思えませんし,それをもとに議論することもできません.人によって捉え方が違えば,議論がすれちがうだけです.

>「電磁量の組立単位の系統図は,電場と磁場の対称性を反映させて, MKSA + volt の基本単位から始めて作るべき.」

MKSAにvoltを基本単位として加えた単位系を作ることも可能だと思いますが,それがMKSA単位系より優れているかどうかは疑問です. もしvoltを組立単位のまま小林@那須さんの意味での基本単位にするということなら,それについては何とも言えません. 私には,そのような単位系のイメージを思い描くことができません.

>「MKSA で電磁量の組立単位系統図を作ると 抵抗:m^2 kg s^-3 A^-2 など物理的に無意味な単位系統図になってしまう. 」

そのようにも言えるでしょう.それは少数の基本単位を組み合わせて多くの物理量を表すことによって必然的に生じるものです.しかし,組立単位を新しい記号で表すと見通しがよくなります.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

MXK さんのレス (2007/06/09(Sat) 13:29)

zoro さん,

> 長い事,SI単位系だけで来たのですが,今回の論議を拝見していて,
> cgs系がなんで,cgs -emu, cgs-esu などと電磁気量を明示的に書かないのかや,
> MKSAが明示的な4元系なのに対して,cgs系は3元系なのを知って,
> 今更ながら,1年生の時に理解出来なかったルーツはこれなのかと思いました.

わたしも,混在時代の学生でした.大学に入って,はりきって電磁気を勉強しようと 思ったら,教科書によって使われている単位系が違っていたり,式が併記されていたり, 脚注にもう一方の単位系による結果が書いてあったりで,思い切り水をさされて しまいました.単位系の換算表というのも,悲惨なもので,c やら 10のxx乗がちりばめ られており,全く絶望的な気分になりました.

現在はSIが広く使われているので,初学者にとって状況は飛躍的によくなりました.

そういう過去もあって,私は CGSへ回帰するとか,気まぐれで新しい単位系をつくると いった,時代錯誤の,時計の針を戻すような話にはとても乗る気になれません. この辺りで議論されている5元単位系(もどき)なども,昔には掃いて捨てるほどあったはずですが, 皆消えてしまいました.

> そこで,例えば,ガウス単位系での電磁気学をコンパクトに書いてある参考書で,
> 現在も入手可能な本があれば,お教え下さいませんか?

単位系間の比較に関しては,私は昔からジャクソンの教科書の付録部分をコピーして 持ち歩いていました. (本文に関しては,2版まではGauss単位系が使われていましたが,3版は前半がSI化されました.)

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

zoro さんのレス (2007/06/09(Sat) 13:32)

小林@那須さん,

重要と思われる論議を引用します.

>>・cgs-e??単位系が3元単位系という事は,電流や電圧は組立単位 >>なのでは,無いでしょうか. > >そうです.電流や電圧は cgs の組合せで表されます.ただし 0.5 べき乗が入り込みます. >1 abampere = 1 (dyne)^0.5 = cm^0.5 kg^0.5 S^-1 >です. > >-------------------------- >MKSA 単位系でも同じです >1 A = (1e-7 N)^0.5 >です.MKS からみれば組立単位です.MKSA 単位系では A を組立単位から基本単位に昇格させただけです.

私はまだcgs単位系での定義を良く知りませんが,3元単位系というのが「基本単位=c・g・s」であると理解していいなら,「1 abampere = 1 (dyne)^0.5 = cm^0.5 kg^0.5 S^-1」という定義になんら違和感を持ちません.

#勿論,cgs単位系での電磁気量の導入をどのようにしているか,まだ理解出来ていませんが.

ところが,「MKSA 単位系でも同じです」以下の論議は,承服出来ません.「MKS」単位系から「A」を定義できるなら「MKS-A」単位系と呼ぶべきもので,「MKSA」単位系なり,「SI」単位系とは,別物になってしまうのだと思います.

私は,今回の論議のなかで,yamaさんの解説を何度も読むうちに,このような理解に到達しました.そこで,昨晩夢のなかで,SI単位系の7基本単位の組み合わせて「任意の組立単位」が作られたとしても; ・ある基本単位を他の基本単位で誘導出来ない!!!! という原理を覆す論議はあり得ないと思うに至りました.

思うに,自分が一年生のときに,cgs単位系に触れたとき,意識しないまでもMKSA単位系の流れから見たので,違和感が強かったのだと感じます.

もとに戻れば,「電磁気の諸量の代表選手として"A"を基本単位に付加した」ことがコペルニクス的転換を果たしたのだろうと思います.逆に言えば,ここら辺を,解り易く説明する手法を構築する事が,我々の課題だろうと思うようになりました.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

zoro さんのレス (2007/06/09(Sat) 13:46)

MXKさん,

>単位系間の比較に関しては,私は昔からジャクソンの教科書の付録部分をコピーして持ち歩いていました. >(本文に関しては,2版まではGauss単位系が使われていましたが,3版は前半がSI化されました.)

私は,若い頃は「砂川・命」みたいな学生でしたので,最近になって「分厚いジャクソン」を見るに付けうなっていました.3版の後半を見れば,Gauss単位系の解説を拝見出来るなら良いかも知れませんね.一度は目を通してみます.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/09(Sat) 14:26)

>独立というのは他の基本単位の組み合わせでは表せないということです.つまり組立単位ではないということです. >「他の単位の組み合わせで表すことができない互いに独立な単位」そのことを強調して冗長に表したのです.独立という言葉を除いても同じことです.

よう分らんです.感覚的には,私の「組立単位系の系統図で重複を発生させない」と似た意味に解釈してしまいます.

でも こんな言葉遊びを続けても益は少なそうです.ここらで終了にすべきと考えます.

>その人間というのは誰なのでしょうか.人によって捉え方が違うのではないでしょうか.

電磁気学などの物理理論を作った人間です.言葉が不足していました.

>私には,そのような単位系のイメージを思い描くことできません.

普通に電気屋などが使っている単位系です.抵抗の物理量を A/V の意味で捉え,m^2 kg s^-3 A^-2 では捉えない単位系です.A/V が単なる便法ではなく,電磁世界の対称な構造を反映していると捉える世界です.

簡単に emu 単位系での議論に移れた yama さんでさえ,私の主張を納得させられないのは以外でした.もっと上手い説明を考えないと,多くの人に通じないようです.「何を分けの分らんことをグダグダと続けているのだ?」と思われていないか心配です.MXK さんが その典型なのでしょう.

長々と議論に付き合ってくださりありがとうございました.また機会がありましたら宜しく御願いします.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/09(Sat) 16:14)

組立単位という言葉は小林@那須さんも使っておられたので,その意味は当然分かっておられると思っていましたが,そうではなかったのでしょうか. そのことを前提に,独立というのは簡単に言えば組立単位ではないことだと説明したのですが・・・それを言葉遊びで片づけられたのは残念です.

>普通に電気屋などが使っている単位系です.抵抗の物理量を A/V の意味で捉え,m^2 kg s^-3 A^-2 では捉えない単位系です.A/V が単なる便法ではなく,電磁世界の対称な構造を反映していると捉える世界です.

普通は物理量を単位から捉えたりはしないと思います.新しい物理量は,既知の物理量に関連させて捉えるのが普通だと思います.電流と電圧を既知とすると,新しい物理量である抵抗を電圧/電流として考えることができます.そしてその物理量の単位が電圧の単位/電流の単位=A/V=m^2 kg s^-3 A^-2 であることが導かれるわけです. まず物理量が先にあって,その物理量の定義に基づいて単位が決まるわけです. 単位が先にあって,その単位で表される物理量を考えることはあまりありません. 重要なのは,物理量の間に成り立つ関係であって,単位はその関係を反映しているだけです.

例えば,抵抗はあくまでも 電圧/電流 と捉えるべきものです.「m^2 kg s^-3 A^-2の単位で表される物理量」と捉えるべきではありません. 単位から物理量を捉えようとするなら,CGS emu では,抵抗は「cm s^-1 で表される物理量」になってしまいますが,これでは速度と区別がつきません. 物理量と単位が 1:1 には対応していないためです.このため単位から物理量の意味を考えるのはどうしても無理が生じます. しかし抵抗を 電圧/電流 と捉えれば単位に関係なく抵抗の意味は理解できます.

もちろん抵抗の単位を V/A で表すほうが,単位から物理量を思い浮かべやすいことは確かです.MKSAでこのように表すことは,重要な物理量の単位に固有の記号を与えることによって見通しをよくしているということです. 小林@那須さんはこれを単なる便法と片付けておられますが,単位は実際の測定や計算に便利なように取り扱われるべきで,便法だからといって軽視すべきではないと思います.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

MXK さんのレス (2007/06/09(Sat) 17:00)

またも,新規の基礎的な誤りたちを残していかれたので,フォローしておきます.

メートルは昔はメートル原器,次にクリプトン原子の発光スペクトルの波長によって定められていました. しかし,現在では,真空中の光の速度を m/s で表した数値を 299792458 に固定することで,1メートルの 大きさを決めています.すなわち,「1メートルは真空中で光が 1/299792458 秒の間にすすむ距離」であると 定義されています.

yamaさんも答えておられるように,この定義は,メートルの基本単位としての性質を取り消すようなものではありません. したがって,以下は間違いです.

> 意味不明です.何度も書いていますが,現在では長さは光速度を介して時間から誘導されるものです.
> メートル原器は捨てられました.yama さんにとって長さの基本単位は「独立」しているのですか?

長さを独立次元から降格させるためには以下のような操作が必要です. すべての長さを表す量 x に対して \tilde x \equiv x /c という量を定義します. これらの時間の次元をもった量を用いることにすれば,長さの次元が不要となり,長さは秒で測られる ようになります.

メートルの役割がどうなるかというと, L=1\,{\rm m} に対して \tilde L = L/c = (1/299792458)\,{\rm s} になりますが,だからといって, 1\,{\rm m}=(1/299792458)\,{\rm s} と等値できる ようなものではありません. (修正)等置の間違いです.

速度 v もそれに伴って, \tilde v= v/c のような無次元の量に変化します. 光速自体も \tilde c = c/c = 1 で表すことになります.

独立次元を減らすためには,上のような注意深い操作が必要です.理論の本などでよく, 「 c = 1 とする」と書いてありますが,真に受けると危険です.

独立次元の数が変化すると,各物理量に対応する次元もすっかり変化してしまうので注意が必要です. 独立次元の変更は,(物理量)=(数値)x(単位) の不変性を崩してしまうほどの大変化だということです.

次元数が異なる単位系の比較をするときには, x\tilde x のように 各単位系での物理量の表記を変えて議論するのが安全です.

MKSA単位系から電流の次元を消す場合でも, \tilde I = \sqrt{\mu_0}I のように, 力の平方根の次元をもった量を導入する必要があります.これをすべて I で押し通すから,

>1 A = (1e-7 N)^0.5

のような訳の分からない等式が出てしまうのです.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/09(Sat) 17:38)

>それを言葉遊びで片づけられたのは残念です.

誤解です.yama さんの「独立」の定義を言葉遊びといったのではありません.二人が互いに「基本単位」の定義を提出しあい,言葉の詮索を続ける様,互いに似た基本単位の概念を持ちながら,二人が揃って一致する定義に辿り付けない様を「言葉遊び」と表現しました.今回の yama さんの提示してくれた定義ではありません.

「言葉遊び」を「同一の定義に辿り付けない言葉の応酬」とでも言い換えれば納得してもらえますでしょうか.

>普通は物理量を単位から捉えたりはしないと思います.新しい物理量は,既知の物理量に関連させて捉えるのが普通だと思います.

同意します.ただし「新しい物理量は,理論の構築と並行して,既知の物理量に関連づけながら捉える」と言葉を追加します.物理量や単位だけがあるのではなく,それらを記述する理論も一緒です.そして単位系は理論と一体といっていいほど互いに関連しあいます.例えば相対論的力学とニュートン力学では単位系を変えるべきです.

そして Maxwell 方程式で記述される電磁単位系は,Maxwell 方程式の電場・磁場の対称性を反映したものであるべきだと主張します.Practical Unit System が使われている現状では MKSA + volt 単位系を使うべきです.

ですから相対論的電磁気学を考えるときは,電磁単位系も異なったものを使うべきでしょう.

>抵抗はあくまでも 電圧/電流 と捉えるべきものです.「m^2 kg s^-3 A^-2の単位で表される物理量」と捉えるべきではありません.

全く同意見です.だから抵抗を m^2 kg s^-3 A^-2 ではなく volt/ampere で表記せねばはならないと繰り返しました.単なる便法ではないのです.

>重要な物理量の単位に固有の記号を与えることによって見通しをよくしているということです. 小林@那須さんはこれを単なる便法と片付けておられますが,

「単なる便法と片付け」てはおりません.逆です.MKSA + volt 単位系で表記することで抵抗ならば V/A で表記すべきと繰り返しています.

ここまで yama さんが私の議論に付き合ってくれたのですから,私のほうで勝手に このスレッドを終了させるような失礼な真似はできません.yama さんは議論を継続すべきとお考えですか?

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/09(Sat) 17:40)

MXK さんとは,何か徹底的に対立する何かがあるようです.罵倒を交えない科学の議論ならば嬉しいのですが.

>1m = 1/(29979248)S と等値できるようなものではありません.

ニュートン力学ではそうです.でも特殊相対論では逆に等値すべきものです.Minkowsky 空間では時間軸と空間軸は同じ物理量として扱うべきです.Minkowsky 空間は幾何学空間です.だからこそ 1m = 1/(29979248)S が出てくるわけです.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

佐藤 さんのレス (2007/06/09(Sat) 18:10)

はじめまして. 興味があり少し見ていました. 単位系の話は苦手(よくしらない?)なので混乱してしまわないように所々しかこのスレッドみていないのですが質問があります. 今出ている自然単位系の話です.

今は時間がないので後ほど書き込みます. このスレッドが閉じられてしまいそうだったので少し待っていただくという意味で書き込みました.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

MXK さんのレス (2007/06/09(Sat) 18:13)

あれ? > 以後は たとえ MXK さんの書き込みがあっても無視します.Got it ? ではなかったのですか?

No.16326 の記事は,このスレッドを見ている人たちに,考え方のヒントとして 書いたものです.

失礼ながら,この内容は私自身,長い時間をかけて考えてきたものであって, 小林@那須さんが30分ほどで理解できるような簡単なものではないと 思っています.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

yama さんのレス (2007/06/09(Sat) 18:18)

>「単なる便法と片付け」てはおりません.逆です.MKSA + volt 単位系で表記することで抵抗ならば V/A で表記すべきと繰り返しています.

表記の問題については,MKSA単位系の枠内で普通は V/A と表記したほうがいいと私も思います.

問題は V を基本単位とするかどうかです. 私は Vを基本単位としてもデメリットを上回るほどのメリットはないと思います. しかし,私の考える基本単位と小林@那須さんの考える基本単位とは意味が違うようなので,これ以上議論しても議論がすれ違うだけのような気がします.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

toorisugari no Hiro さんのレス (2007/06/09(Sat) 18:26)

佐藤さん

> 今は時間がないので後ほど書き込みます.
> このスレッドが閉じられてしまいそうだったので少し待っていただくという意味で書き込みました.

たとえ,スレ主さんが議論を終結宣言されても,スレッドは閉じませんから,そこに書いていただければいいですよ.

ただ,それだと,佐藤さんのご発言や議題が見えにくいものになるかもしれないので,別スレッドをたてられても良いと思います.

Re: 解りにくい MKSA 単位系となった経緯(2)

小林@那須 さんのレス (2007/06/09(Sat) 18:34)

>しかし,私の考える基本単位と小林@那須さんの考える基本単位とは意味が違うようなので,これ以上議論しても議論がすれ違うだけのような気がします.

同感です.「基本単位」の認識に微妙な違いがあるようです.でも それを明確にするために議論を費やす価値はないと思います.今までありがとうございました.

後は佐藤さんの話で終了とします.

自然単位系について

佐藤 さんのレス (2007/06/09(Sat) 19:28)

(Hiroさんのコメントをうけタイトルを変えました)

佐藤です.

一応このスレッドに書き込ませていただきます.

c=1とするといった表記は危険だとMXKさんが書いていますが MXKさんの書き方だと tilde c=1 が正しいということなのでしょうか?

そしてよく [L]=[T] なんて書かれていますがそれもよくはないということなのでしょうか? 私はこの書き方には違和感を感じますが.

どうなのでしょうか?

Re: 自然単位系について

toorisugari no Hiro さんのレス (2007/06/09(Sat) 19:46)

佐藤さん ご質問にはMXKさんがお答えになると思います.

一つ,言い忘れていました.

このスレッドに書かれるのなら,題名を変えていただいた(ex. 自然単位系)方が良いと思います.

(追記:修正ありがとうございます.)

Re: 自然単位系について

MXK さんのレス (2007/06/09(Sat) 19:57)

佐藤さん,

c=\hbar=G=1 などと書くのは, 最初から自然単位系の世界に入って, 2度と戻ってこないのなら, それで構わないのかも知れません.

でも,日常的な世界とのつながりが少しでも必要とされる場合には, \tilde x=x/c の ような一種の規格化の手続きを踏んでおくほうがよいと思います. 規格化の根拠となる物理法則とか原理をチェックしておくことは大切だと思うからです. 次元を1つ下げるごとに, \tilde{} がついて煩雑ですが,一度はやっておいて 損のない作業だと思います.

自然単位系もいろいろバリエーションがあるので,面倒でもその都度, MKSAから出発するのが よいのではないかと考えています.

この辺りは理論の専門家は別の考えをお持ちかも知れません.

# toorisugari no Hiro さん,アドバイスありがとう.(スレッドを変えるのかと思い一旦消してしまいました.)

Re: 自然単位系について

toorisugari no Hiro さんのレス (2007/06/09(Sat) 20:06)

> この辺りは理論の専門家は別の考えをお持ちかも知れません.

別に素粒子の専門家でもなんでもありませんが,,,,

c=\hbar=G=1 と書いて 元の世界に戻れないというのもありかもしれません. ただし,それは,現実の技術や応用との対応を捨てた,理想化への決意がないと(そしてそれをする意義がないと)無意味でしょうね.

数学的な空間構造を明瞭に知りたいといった場合以外は,物理なら元に戻れないと....

(長くなるようなら,スレッドを移りましょうね.)

Re:自然単位系について

佐藤 さんのレス (2007/06/09(Sat) 20:29)

どうもありがとうございます.

MXKさんのレスへの質問ですが規格化の根拠となる物理法則とか原理というのは何をさしているのでしょうか?

またよくある方法ですがその物理量の次元をみてcなどを戻すといった作業をすると思いますがそれだと今みている物理量の正しい次元を知らないと戻せないからちゃんとチルダ付きの記号で書いた方がよいですよ!ということなのでしょうか?

Re:自然単位系について

MXK さんのレス (2007/06/09(Sat) 21:13)

佐藤さん,

物理法則というのは, (ct)^2=x^2+y^2+z^2 , E = mc^2 , E=\hbar\omega とかを念頭においています. たとえば最後の関係を使うと, E^*=E/\hbar とおいて,エネルギーを周波数, つまり時間の逆数で表すことができるようになります.

m,\, E,\, 1/x,\, 1/t を同一次元で表す程度なら,慣れれば元に戻す操作も 無意識にできるようになると思います.慣れないうちは,愚直に 正規化の作業をノートの隅ででも行うのがいいように思います.

どういう分野の本を読んでおられるのか分からないので, 一般論しかいえませんが.

Re:自然単位系について

MXK さんのレス (2007/06/09(Sat) 21:41)

toorisugari no Hiro さん,

スレッドの趣旨からはさらにはずれますが,

戻るすべをわざと無くして, 自然単位系の立場から出発して,日常単位の大きさや,日常単位で表した物理定数の 数値のオーダが,何故今のようなものになっているかは興味あるテーマだと 思います.たとえば, \hbar/{\rm J\,s} がなぜこんなに小さい数値なのか, といったことです.

Re:自然単位系について

佐藤 さんのレス (2007/06/10(Sun) 04:25)

大変遅くなりました.

>MXKさん

確かにそうかもしれませんが新しい物理量(?)(チルダ付きのものを指しています)を導入する原理はどうきめるのでしょうか? E=mc^2などはcの2乗で割らなければならないということですよね?

私は今は相対論などの本をよんで勉強している学生です. 自己紹介遅くなりすいません.

>Hiroさん 同感します. やはり物理である以上戻せないといけないと思っています. ただ単純に[L]=[T]とできないのはなぜなんでしょう………? MXKさんに聞くべきかもしれませんが.

Re:自然単位系について

MXK さんのレス (2007/06/10(Sun) 11:12)

> 確かにそうかもしれませんが新しい物理量(?)(チルダ付きのものを指しています)を導入する原理はどうきめるのでしょうか?

それは一意に決まるわけではなくて,扱っている問題によって都合のよいものを選ぶことになると思います. たとえば, \tilde t=ct とおいて長さに揃えるか, \tilde x = x/c とおいて時間に 揃えるかは,ちょっと考えないといけません.( c=1 とおく,という処方箋ではそういう悩みがない ですね.)

E=mc^2 は不適切だったかもしれません. むしろ,運動量 p とエネルギー E の次元を揃える必要があります. 上に対応させると, \tilde E=E/c (運動量に揃える), または, \tilde p = cp (エネルギーに揃える)とおくことになります.

次に, p=\hbar/x または E=\hbar/t を使って,次の段階の正規化を行えば, 1種類の次元に揃えることができます.4通りのバラエティーがあります.

ひょっとすると,[M]=[L] って,[M] = 1/[L] のことかも知れません.

Re:自然単位系について

toorisugari no Hiro さんのレス (2007/06/11(Mon) 15:40)

> 何故今のようなものになっているかは興味あるテーマだと思います.

ひも理論以前の古い知識しかありませんが,Diracとかが,物理に現れる巨大な無次元の定数たち(例えば,全宇宙の粒子数は 10^{40} くらいとか(今は違うかもしれませんが...))には何かの共通性があるといった議論をしていましたね.

Re:自然単位系について

yama さんのレス (2007/06/11(Mon) 17:48)

\hbar/\mathrm{Js} の値が非常に小さいのは,日常生活の世界が古典論の世界だからでしょう.この値がたとえば1のオーダーになると量子論の世界になってしまいます.

確実な予測ができにくい量子論の世界では,予測に基づいて行動するような知的生命は存在できないと思います.

Re:自然単位系について

佐藤 さんのレス (2007/06/17(Sun) 05:36)

大変遅くなってしまいすいません.

MXKのご指摘があるまで気がつきませんでした.

上で書きたかったのは [L]=[T] でした. 訂正しておきました.

幾人かの人がこのスレが議論していたのですが他の人の意見も聞きたかったのですが 何も反応がないところをみるとMXKさんと同じとらえかたなんでしょうか…?

Re:自然単位系について

佐藤 さんのレス (2007/06/17(Sun) 06:02)

いくつか疑問点が.

>MXKさん チルダ付きを作るときはちょっと考えなければならないというのはなぜでしょう? 超弦理論などの統一理論の話では基本的にはeVで話が進んでいるものを目にするのですが長さなどで話が進んでいるものだってあります.

相対論では時間を長さに合わせているようですが それにも深い意味があるんでしょうか?

またチルダ付きの量は元の量と意味が変わってくるのでしょうか?

自然単位系を知る前は単位系なんて物差し(長さだけをさしてはいません)の目盛りを扱う物理系に合わせて変えるといったイメージしかありませんでした. SIとMKS(A)も同じです.ただこちらも議論するときにわかりやすくするためだけに積極的に長さや時間や質量以外にも使って行きましょう程度の意識でした. だから自然単位系では次元が消える(統一される?)といったことのイメージが出来ませんでした.

>yamaさん 確実な予測が出来にくい量子論の世界では,予測に基づいて行動するような知的生命は存在できない

という話はなるほどそういうとらえかたもあるのかと勉強になりました! 面白いですね♪

Re:自然単位系について

MXK さんのレス (2007/06/18(Mon) 14:44)

佐藤さん,

> チルダ付きを作るときはちょっと考えなければならないというのはなぜでしょう?

次元を落とす順番とか,どちらの次元に合わせるかという,自由度があるので, ちょっと考えながら作業しないといけません.

> 超弦理論などの統一理論の話では基本的にはeVで話が進んでいるものを目にするのですが
> 長さなどで話が進んでいるものだってあります.

c\hbar を消した段階で,エネルギーと長さの逆数は同じ単位で 測れますから,どちらでも構わないのです.

> 相対論では時間を長さに合わせているようですが
> それにも深い意味があるんでしょうか?

あまり意味はないと思います.

昔の旅人は距離を日 (=10里) で測っていたので,時間と空間を同じ単位で測るのは 相対論の専売特許というわけではありません.今でも,「車で1時間」といったりしますしね.

> またチルダ付きの量は元の量と意味が変わってくるのでしょうか?

次元を下げる前の立場からすると,違いはあるというべきでしょう. 次元が下がった後の立場では,チルダなしの量は存在しないのかも知れません.