変分法について

変分法について

たつ さんの書込 (2007/05/21(Mon) 16:22)

初めまして.今年大学に入学したたつと申します. 変分法でオイラーの方程式を導く際,変分 \delta と微分が交換可能であることを用いて部分積分により方程式が出てきますが,変分と微分が交換可能であること自体はどのようにして証明できるのでしょうか?自分で考えてはみたものの納得いく方法が見つかりません. よろしくお願いします.

Re: 変分法について

zoro さんのレス (2007/05/22(Tue) 13:59)

たつさん,初めまして.

新一年生で「変分法」まで手を出すとは凄いですね.逆に言えば,余裕が在る訳ですから,インターネットで検索して,そこらを参考にして,自分で解いてみて,どうしても納得いかない点を質問されると,色々な解説が出てくる事,請け合いますよ.

興味深い質問を期待しています.

追伸:

私は,証明する力は在りませんが,ある時間tを媒介変数とした任意の2変数の関数fがあるとき,その全微分は;

Δf(x(t), y(t)) := f(x(t+Δt), y(t+Δt)) - f(x(t), y(t))

=[∂x f(x,y) dx/dt + ∂y f(x,y) dy/dt]Δt

他方媒介変数の関数形が変更とな

x := α(t), y :=β(t)

のそれぞれが,δα(t), δβ(t)の部分が変わったとする時;

x +δx:= α(t) +δα(t), y +δy:=β(t) +δβ(t)

と書いているので,単に「それらしき形式ですが単なる関数」であって,変分であるδx,δyは時間微分の対象にはなるでしょうが,偏微分の対象にはならないように思います.すなわち,変分は偏微分と交換出来るとおもいます.また変分の量が小さければ,テーラ展開の一次項だけで表現出来る訳ですから;

δf(x(t), y(t)) := f(x(t) +δx(t), y(t) +δy(t)) - f(x(t), y(t))

=[∂x f(x,y) δx(t) + ∂y f(x,y) δy(t)]

納得がいかなければ,専門の方々に再度,ご質問されるようにして下さい.

Re: 変分法について

EMAN さんのレス (2007/05/22(Tue) 20:35)

変分と微分の交換は, わざわざ証明するようなレベルの話ではなくて, 表記上の違いはあれども同じ意味だという, 注意書き程度のものだと思います.

f → f + δf

になるとき,

df/dx → d(f+δf)/dt = df/dx + d(δf)/dx

となります.この付け加わった d(δf)/dx の部分は, 「df/dx」が元の形から微小変化した変分を表すので, δ(df/dx) という書き方をしてもいいことにしようではありませんか, というわけです.

すなわち,d(δf)/dx = δ(df/dx) です.

Re: 変分法について

kei さんのレス (2007/05/25(Fri) 22:19)

たつさん,はじめまして.

zeroさんがおっしゃるように1年生で変分とは凄いですね. 僕は今電気工学科の4回生ですが,入ったころは電気回路位しか していなかったですね(笑)

さて,変分したい関数は q(t) としてみます. 示したいのは

δ(dq/dt) = d/dt(δq)

です.変分にも微分のような定義の仕方があって

δq(t) = lim(τ→0) {q(t+τδt) - q(t)}/τ

これが変分であり,別名 δτ 方向の微分やガトー微分といいます. 最大のポイントは ”δτ 方向の” というところ. 微分を行うときの向きが決まっているところです. δτ は定数とみなし,これをさらにtで微分してみます.同じように limの式を使って

d/dt(δq)(t)

= lim(T→0){ δq(t+T) - δq(t) } = lim(τ,T→0) [{q(t+τδt+T) - q(t+T)}/τ - {q(t+τδt) - q(t)}/τ]/h = lim(τ,T→0) [{q(t+τδt+T) - q(t+δτ)}/T - {q(t+T) - q(t)}/T]/τ = lim(τ,T→0) { d/dtq(t+τδt) - d/dtq(t) }/τ

= δ(dq/dt)(t)

方向微分の定義を使えば示すことは示せます. 数学家の方ならもっとエレガントに書き下せるのでしょうが, 僕の力はここまでです.後はお任せということで...

少しでも参考になればよいのですが.