どこから手をつけてよいのか分からず困っています よかったら教えていただけませんか?? お願いします.
1. ラジウム226はα壊変(半減期1600年)してラドン222となる.1gのラジウム226から800年間に放出されるラドン222は何mlか?
2. ある試料を中性子照射したところ核種A(半減期12時間)と核種B(半減期36時間)を生成し,その放射能は等しかった.この試料を36時間放置したときの両核種の放射能の比(A/B) およびAとBの36時間後の放射能をそれぞれAo・A:Bo・Bとすると?
○使うと思われる公式○
Bq=λN
λ=ln2/(半減期)
N=No*e^(-λt)
minaさん,初めまして.
●Q1について
「1gのラジウム226」の原子の個数; N0 = N(t=0); を出す事はできますか?
題意より半減期T_hl=1600年で,その半分の時間800年=T_hl/2に着目すると;
N(t) = N0・exp(-λt) = N0・2^[-t/T_hl]
だから,t=0 から t=T_hl/2 までにα線で崩壊したラジウムの数は;
N_decayed = N(0) - N(T_hl/2) = N0 -N0・2^[-(T_hl/2)/T_hl] = N0 -N0・2^[-1/2] = N0・[1 - 1/sqrt(2)]
なお,理化学辞典・第3版のp1507の「天然放射性核種の崩壊系列」によると,226Raから崩壊した222Rn(T_hl=3.8d)以下最終的に206Pbで安定元素になります.
この途中で一番半減期が長いものでも,210Pb(22y)です.800年というタイムスケールでは,ラドンは事実上,存在しないように思います.
>zoroさん
親切な回答をありがとうございます.
上の式から,ラドン222が1molで6.02*10^23=22.4Lであることを利用して ラドン222が何ml発生するかを求めることができるってことですよね?
>ところで,800年というタイムスケールでは,ラドンは事実上,存在しないように思います.
ってどういう意味ですか?もう少し教えてください.お願いします.
>ラドン222が何ml発生するかを求めることができるってことですよね?
だと思います.
>ってどういう意味ですか?
この分野は得意ではないので,間違っている可能性がありますので,他の本などでもご確認下さい.
前回,書きました資料で見ると,「ウラン系」という U238からの崩壊の連鎖のなかでラドン226以下のチェインを書き出すと; <pre> Ra226(1600y)→Rn222(3.8d)→Po218(3.1m)→Pb214(27m) ↓ ↓ At218(1.3s)→Bi214(5.0d)→Tl210(1.3m) ↓ ↓ Po214(0.16ms)→Pb210(22y)→Hg206(8.5m) ↓ ↓ Bi210(5.0d)→Tl206(4.2m) ↓ ↓ Po210(138d)→Pb206(安定) </pre>と書いてあります.ですから一度 Ra226から崩壊すると一週間程度のオーダで Pb210まで崩壊が進みます.多少,ここでビルドアップするでしょうが,800年という長い時間間隔で眺めれば,ほとんど Pb206に崩壊し切っていると考えました.
【追伸】 いくつかの場合で,希ガスとしてのRn222が観測されるケースを考えると,Ra226からのα崩壊直後のRn222しかないように思います.この場合,Rn222の量は,Ra222の崩壊から出来る量と,自らがPo218へ崩壊する為に失われる量のバランスで計算できますよね.
>zoroさん.
なるほど!そこまで深く考えていませんでした・・. ラドン226はα壊変してラドン222になり,それで終わりだと思ってました.
ご親切なご説明をありがとうございました.
ところで, すみませんが, 2.の問題についてもヒントをいただけないでしょうか?
前に書いた,半減期Tで崩壊する原子の数は,
N(t) = N0・exp(-tλ) = N0・2^[-t/T] ----(1)
このとき,崩壊速度R(t)は,
R(t) = -dN(t)/dt = λN(t) = λN0・2^[-t/T] ---(2)
また,
λ = ln2 / T ----(3)
に注意すれば,N0とTをパラメータで書ける.AとBとで,具体的に条件を書けますよね.
例えば,Aについては,
Ra(t) = ln2(Na/Ta)・2^[-t/Ta] ---(4a)
どうようにBについて立式して,
Rb(t) = ln2(Nb/Tb)・2^[-t/Tb] ---(4b)
これらで,題意を表せばよいのでは?
横から失礼します. 問題1は「800年間に放出されるラドン222」の量(ml)を求めることなので,800年後に存在しているラドンだけでなく,それまでに壊変してしまったラドンも含めるのではないでしょうか?
>800年後に存在しているラドンだけでなく,それまでに壊変してしまったラドンも含めるのでは
吸引しながら流量の積分をすれば可能ですね.水上置換みたいには行きませんね.
だから鉛の量を量るのが一番楽かも.←これでは,もともとの鉛と区別出来なくて駄目ですね.