変数分離形方程式の展開について

変数分離形方程式の展開について

SATY さんの書込 (2007/03/20(Tue) 11:18)

「物理のかぎしっぽ」様いつも活用させていただいております. 「物理のかぎしっぽ」ホームページの中の「物理数学」→「変数分離形」で dy/dx=f(x)g(y)を展開するために,両辺に dx を掛けて dy=f(x)g(y)dx としておりますが, dy/dx=f(x)g(y) ↓(両辺に dx を掛けて) dy=f(x)g(y)dx のような展開はなぜ.できるのですか? どうしても両辺に dx を掛けるということが理解できないのです.dy/dx はyをxで微分することを表しており,割り算を表しているのではないと理解しております.ちなみに,私の数学の理解度は高校数学レベルです. 私の理解不足で大変申し訳ございませんが,アドバイスの程宜しくお願い致します.

Re: 変数分離形方程式の展開について

toorisugari no Hiro さんのレス (2007/03/20(Tue) 14:14)

> dy/dx=f(x)g(y) > ↓(両辺に dx を掛けて) > dy=f(x)g(y)dx > のような展開はなぜ.できるのですか? > どうしても両辺に dx を掛けるということが理解できないのです.dy/dx はyをxで微分することを表しており,割り算を表しているのではないと理解しております.

微分(商)は微少変位(=全微分)の分数と考えて差し支えありません.

滑らかな関数なら,そのグラフを十分に拡大していくと,どんなに曲がった曲線でも,直線に見えてきます. # ちょうど地球上にいる我々は地面が平板だと思いこんでるように.

そこにおいて,適当な2点間のxの変位 \Delta x とyの変位 \Delta y の比 \frac{\Delta y}{\Delta x} は直線の傾きになり, \Delta x を(視野に入る範囲で)どのような大きさに採ろうとも,比の値は(ほとんど)変わりません.

ですから, \Delta x の大きさ(あるいは区間)を明示する必要がなくなり,どの点から測ったのかだけが意味を持ちます(この場合ルーペの中心がある地点のことです).このとき, \Delta\mathrm{d} に書き換えたものを「その点における傾き」と考えます.これが微分(商) \frac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}x} です.

# \mathrm{d} という記号は「曲線が直線に見えるくらい拡大したグラフにおける変位」を採る操作,つまり「微小変位」を採る操作(=微分)であることを表します.

ですから分数と考えてかまいません.

Re: 変数分離形方程式の展開について

SATY さんのレス (2007/03/20(Tue) 15:25)

toorisugari no Hiro様ありがとうございます.toorisugari no Hiro様の説明は納得することができますが, dy/dx=f(x)g(y)から両辺にdxを掛けて dy=f(x)g(y)dx を求めるのではなく,微分法等の公式を活用して,dy=f(x)g(y)dx を求めることはできないのでしょうか? お手数おかけ致しますが,宜しくお願い致します.

Re: 変数分離形方程式の展開について

toorisugari no Hiro さんのレス (2007/03/20(Tue) 16:13)

裸の {\mathrm{d}y} , {\mathrm{d}x} を使うのなら,そもそも先の考えが基本であり,それを導く公式も何もないのですが...

分数と思いたくないのでしたら,

\frac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}x}\mathrm{d}x = \mathrm{d}y

を公式だと思えばいいのです.(傾き×変位=変化量,「全微分と偏微分との関係式」の常微分版)

裸の {\mathrm{d}y} , {\mathrm{d}x} という量がお嫌いでしたら

y'(x)=f(x)g(y)

の両辺を g(y) で割り,その両辺を \int\mathrm{d}x で積分し,

\int h(y(x))y'(x)\mathrm{d}x=\int h(y){\mathrm{d}y}

という媒介変数積分公式を使えば高校の範囲で解けますね. (見通しは悪いですが...)

裸の {\mathrm{d}y} , {\mathrm{d}x} といった表記は高校では使わないものですが,これは微分形式という考え方につながるので,是非理解して欲しいです.

Re: 変数分離形方程式の展開について

kei さんのレス (2007/03/21(Wed) 11:27)

SATYさん,こんにちは

dy = f(x)g(y) dx

を微積分を使って理解するということですが,僕も既出の分までの 理解しかなくこれ以上の解説は出来ませんが

y = F(x)

に対して

y' = dF(x)/dx = F'(x)

は Fの微分 でなく Fの導関数 であり,fの微分は

dy = dF(x)/dx・dx…☆

で定義されえています.この式は微積分の専門書のどこかに載っているので 本屋さんや図書館で探してみてください. つまり,☆式はHiroさんもおっしゃっているように微積分の公式の一つです.

今,問題になっている式は

dy/dx=f(x)g(y) …◎

であって解が

y = F(x)…△

で得られたとしましょう.△式を◎式に代入して

dF(x)/dx=f(x)g(y)

が成立します.この式と☆式から

dy = dF(x)/dx・dx = f(x)g(y)・dx

が導かれます.微積の公式のみで出したことになりますが恐らく☆式

dy = dF(x)/dx・dx…☆

で詰まられると思うので簡単にですが証明を以下に示します.

y = F(x)に対してxが微小変化したときのFの変化量(微分)を

dy ≡ F(x+dx) - F(x)

で定義します.ここでdxは微小な値としましょう.すると

dy = F(x+dx) - F(x) = (F(x+dx) - F(x))/dx・dx←この段階でdxはただの数字です.

となって dx→0 としてやれば

(F(x+dx) - F(x))/dx→dF/dx

と書けるので dx→0 の下で

dy = dF(x)/dx・dx…☆

が導けることになります.最後のdxの効果で dy = 0 じゃあないのかと主張されてしまうかもしれないですが, dx→0 であっても dx = 0 でないので微小ながら0でない数字が最後に掛け算されているイメージです.

少しでも参考になればよいのですが...

Re: 変数分離形方程式の展開について

SATY さんのレス (2007/03/22(Thu) 09:06)

toorisugari no Hiro様, kei様ありがとうございます. dy=dy/dx・dx は理解することができたのですが,y'=f(x)g(y)がなぜ成立するのかわかりません.何度も大変申し訳ございませんが,教えていただければと思います.宜しくお願い致します.

Re: 変数分離形方程式の展開について

SATY さんのレス (2007/03/22(Thu) 11:11)

toorisugari no Hiro様, kei様 No.15038 の私の質問は間違いです.大変失礼致しました. ありがとうございました.