はじめまして.自分は高校に通っている学生ですが ホームページニュートンリングについてを拝見しました. これを見て疑問に思ったのですがなぜリングの中央は暗いのでしょうか? それから暗輪の半径を測るとき実験では半径を直接測らずに,直径の両端の 一座標を測定し,それから半径の値を求めますが,それよりも リングの中心と暗輪の円周の一点までの距離を直接測った方が簡単だと 思うのですがそうしないのはなぜですしょうか?よろしければ教えてください. お願いします.
ガラス間の隙間が波長に比べて十分小さい場合は,その隙間は無視できて,ガラスどうしが接触していると見なせます.同じガラスなのでその部分でガラスがつながっていると考えることもできます.そうすると光はそのまま透過し,反射光がないので暗く見えます.
半径の測定については,誤差をできるだけ小さくすることを考えれば,両端を測定するほうがよいと分かるでしょう.
「ニュートンリングで,なぜリングの中央は暗いのでしょうか?」 に対するyamaさんの回答に不満があります.
「中央での隙間は無視できて,ガラスどうしが接触していると見なせる.」 のは,結果的にはその様に考えれば矛盾がないと言う便法であって, 真実の理由を表現しているとは考え難い.
ガラスどうしが現実に接触しているのはレンズの中心の一点だけです. その周りの0番目の暗輪付近の隙間を接触していると見なすのには反対します.
これは正しくは,0番目の暗輪付近での二つの反射光の位相差に依る現象である. 上の反射はガラス→空気→ガラスで,下の反射は空気→ガラス→空気の差がある. 私も便法を使うなら,0番目の暗輪付近の光路差はゼロではなくλ/2と見なせる.
現実に原子間には隙間がありますが,X線のような短波長の場合を除けば,その隙間は無視できます.波長に比べて十分短い隙間は無視できると考えていいでしょう.
位相差によるとしても一応は説明できますが,狭い隙間の中の波の位相というものが現実に意味をもつかどうか疑問に思われたので位相差による説明はしませんでした.
近接場光のような光のしみ出しによって説明することもできそうですが,これもきちんとした説明は難しそうに思われたので,一旦書いてみましたが,削除しました.
無反射膜の話
がありました.私はこのホームページの記載を以下の様に勝手に解釈しましたが, 電子のポツポツ2重スリットの実験で撮影される干渉縞と同様に理解不可能です.
ニュートンリングに,光子を一個ずつポツポツと全面に渡って照射した場合でも, 長時間照射の集積結果として,ニュートンリングが撮影される. こんなの本当か知らん・・・証拠写真はあるのか知らん.
一方は自由端反射,他方は固定端反射なので,反射時の位相ずれが だけ異なります. しかも反射係数の絶対値は等しいので,隙間の往復による位相変化 が無視できる場合には, 2つの反射波は打ち消しあいます. 原子スケールより遥かに大きい数10分の1波長でも見られる現象です.
皆さんへ
質問者のたこすけさんの質問の意図が不明瞭なので,なんともいえませんが. 「中央点の場合,疎→密反射と密→疎反射で説明してもいいのか?」 という意図ではないのでしょうか? 中央点では,二つの密の媒質が接しているので,単に,疎→密反射または, 密→疎反射だけが現象として存在して,そもそも干渉が起こりうるのか? という意味に読めなくないような. まあ,たとえそうだとしても,明であれ暗であれ一点だけでは,肉眼で 判別できないから,周囲の暗い部分につられて暗く見えると思うのですが.w
中心付近の暗部の大部分は位相の異なる波の干渉として説明できると思います. MXKさんのおっしゃる通り,波長の数10分の1の隙間でもそれで説明できるでしょう. しかし中心のごく狭い範囲(といっても完全な1点ではなく,ある広さの範囲)については反射波の干渉によってではなく,そのまま透過するために,反射波がなくなると考えるべきだと思います. どちらにしても,反射波がなくなるのだから同じことだと考えられるかもしれませんが,少し違いがあります.干渉の場合は反射波は弱まりますが完全になくなることはありません. たとえばガラスの屈折率を1.5とすると,垂直入射のときの空気との境界面での反射率は4%になります. 上側のガラスから空気に入射した光のうち4%が反射され,96%が空気層を通過して下側のガラスに入射し,その4%が反射されます.入射光に対する割合では3.8%が反射されて上側のガラスに入射します.その96%すなわち入射光の3,7%がガラス面を透過してもとの方向に戻ることになります.多重反射を考えれば数値は少し変わってきますが大きく変わることなないでしょう. 結局入射光の4%の光と,入射光の3.7%の逆位相の光が干渉することになりますが,光の強さが異なるため,干渉によって完全に波が消えることはありません.
一方,隙間が原子間隔程度になるとそのまま透過してしまうことは明らかですが,それより大きくても波長に比べて十分小さければそのまま透過すると見なせると思います. 接触点の近傍では弾性変形によって,ガラスどうしがほとんど密着するくらい隙間が狭くなっていると思われるので,この範囲では光がそのまま透過すると考えていいと思います.
なお,No.13712では,近接場光のような光のしみ出しによって説明できそうだと書きましたが,全反射でない場合はあてはまらないようです.
多重反射を考慮すれば,反射係数は隙間の長さとともに,厳密にゼロに近づきます. 波長のずっと長いマイクロ波などでも成り立つので,原子スケールの議論は不要だと思います.
なるほど,それだったら干渉によって説明できますね. 見直してみると,反射光の減少によって透過光が増加する効果を考慮していませんでした. ご教示ありがとうございました.
ところで,私が先にNo.13714で述べた,
ニュートンリングに,光子を一個ずつポツポツと全面に渡って照射した場合でも, 長時間照射の集積結果として,ニュートンリングが撮影される. こんなの本当か知らん・・・証拠写真はあるのか知らん.
について,何かコメント願います.
トンガリさん ちゃんと理解しているわけではないですが,量子電磁力学の考えを用いると,光の干渉なども,波動関数を用いて確率として表せるので,光子を一個づつ照射してもニュートンリングは得られると思います.
ニュートンリングの写真は見たことはないのですが,2重スリットに電子を一個ずつ照射していくと,照射する数が増えるに従い干渉縞が現れる写真は見たことがあります. 残念ながら,どの本で見たのかは思い出せないのですが.
ここから類推しても, >ニュートンリングに,光子を一個ずつポツポツと全面に渡って照射した場合でも, >長時間照射の集積結果として,ニュートンリングが撮影される. は,正しいのではないかと思います.
「光学」の専門書を読みました. めちゃめちゃ,勘違いしていたことに気づき,大いに恥じております.(^_^;) ニュートンリングの場合,今まではレンズの底の反射波と, ガラス平面の表面の反射波との二波だけしか考えていませんでした. 考えてみれば,レンズとガラス平面との間で無限に反射する光波も存在するので, 光波が取りうる光路は無限に存在し,観測する光はそれらの総和であることに なるのは当たり前でした. それと,もう1つ気づいたことは,中央部が暗くなるのは,レンズとガラス面 の絶対屈折率が等しい場合(つまり,同じ媒質の場合)に限られるということ です.これも,上記の二波だけしか考えていなければ,気づかなくて当然でした. できれば,前のレスを消去したいですが,yamaさんに返信レスを頂いているので あきらめます.(-_-;)