導線とローレンツ力

導線とローレンツ力

T さんの書込 (2007/01/03(Wed) 18:41)

この掲示板を初めて使わせていただきます.大学1年です.

磁場中の導線(電流が流れている)が動くのはなぜですか?

ローレンツ力は,運動している電荷を持つ粒子に働くので,この場合は電子のみに働き,陽子には働かない.しかし,導線の質量のほとんどが陽子であるため,導線を動かすには陽子が力を受ける必要がある. 電子はローレンツ力を受けながら流れるため,導線の一方に偏り,磁場・電流に垂直方向に新しく電場ができる. ・・・まで考えたんですがわかりません.お願いします.

Re: 導線とローレンツ力

yama さんのレス (2007/01/03(Wed) 20:38)

その考え方でいいと思います. 伝導電子については,ホール電場の力とローレンツ力が釣り合いますが,静止している陽子にはホール電場の力だけがはたらくわけです. このことについては,太田浩一「電磁気学?」(丸善)に説明があります.

Re: 導線とローレンツ力

T さんのレス (2007/01/06(Sat) 01:24)

その本がなかなか見つかりません...

導線内で起電力ができて電場(ホール電場)が生まれても,それによって陽子に働く力が実際に導線が動く方向と逆なんです. もし良ければどなたか詳しく教えてください.

Re: 導線とローレンツ力

yama さんのレス (2007/01/06(Sat) 12:30)

力の釣り合いを考えれば,電子にはたらくホール電場の力はローレンツ力と逆向きになることが分かると思います. これに対して,陽子は正電荷を持つので,陽子にはたらくホール電場の力は電子の場合とは逆向きになります.つまり,陽子には電子にはたらくローレンツ力と同じ向きの力がはたらくということです.

Re: 導線とローレンツ力

りんご さんのレス (2007/01/06(Sat) 17:24)

横から失礼します.

yamaさんの言われている「ローレンツ力」は,運動荷電体(この場合,電子)が磁場から受ける力,

\vec F_{B} = (-e)\vec v \times \vec B

としていらっしゃると思います.ですから,オーム式や,ホール電場による電場からの受ける力,

\vec F_{E} = -e\vec E

とは別に考えるようです.ですからイメージする順番としては;

  1. \vec F_{B} をうけて電子が進行方向に垂直な側面で電荷の偏向を起こす.

(2)その結果,左右の側面間に生じた電荷により,静電的な電場,ホール電場が生じて,(1)と拮抗して,定常状態ができる.

(3)一度形成されたホール電場は,金属原子核にも作用し,....

なお,電子の分布に偏向が生じても,金属原子核がむき出しになるほと強い電場が出ないという事はご理解いただけますよね.

Re: 導線とローレンツ力

T さんのレス (2007/01/06(Sat) 18:42)

分かりました. 電子の電荷符号が負だということを考慮していなかったため,電子に働くローレンツ力を逆向きにとっていました. お返事ありがとうございました.