2物体の衝突

2物体の衝突

カリプソ さんの書込 (2006/12/08(Fri) 03:01)

お世話様です.また大学で課題がだされたのですができずに困っております...

質量M, 速度Vの粒子と質量m,速度vの粒子が弾性衝突し,衝突後の速度をそれぞれV',v’とする.確率的に |1/2 MV^2-1/2mv^2|>|1/2MV'^2-1/2mv'^2|......(※)となることを証明せよ.

です.試しに2つの物体が衝突時になす角:θを0にして運動量保存と跳ね返り係数の関係からV'=V+m(1+e)(v-V)/m+M , v'=v-M(1+e)(v-V)/m+M と計算して(※)に代入して2乗したり試みましたがごちゃごちゃになってしまいました.なにかうまい方法はないでしょうか?

授業では熱力学をやっているのでエネルギー等配分とかとの関連かなと思ってそちらも少しは調べてはみたもののできませんでした.どなたか教えていただけませんでしょうか.宜しくお願いします.

Re: 2物体の衝突

なんとなく さんのレス (2006/12/10(Sun) 20:12)

こんにちは,なんとなくです.

レスが無いようで,難しいのでしょう.一般的に証明するのは何か工夫が要りそうです.いくつか注意点と特別な場合で考えてみたことを書いてみますが,あまり参考にならないかも.この問題はおそらく現代風な熱力学の素過程,分子運動論のミクロな衝突が個々の分子の運動エネルギーを平均化する証明だと思いますが,問題自身は力学の範囲です.気体の圧力は速度にボルツマン分布を仮定し平均速度の分散<V^2>からエネルギーを求める問題をよく見掛けますが,直接平均化を証明するのは初めてみました.

特別な例としてmの速度v=0の場合で考えてみます.弾性衝突なので反発係数は絶対値1であり,運動量及エネルギー保存則より導きます.質量Mの物体の物体を添字1,mのそれを2として,運動量をP,エネエルギーをE,衝突後をダッシュ’付きで表します.Pはべくトルp,スカラPとします. 全運動量p=p1'+p2'・・・? 全エネルギーE=P^2/2M=E1'+E2'=P1'^2/2M+P2'^2/2m・・・? ?はλ=M/mとして,P^2=P1'^2+λP2'^2=2ME・・・?としておきます. ?の2乗−?から, (1-λ)P1'^2+2P1'P2'cosθ=0・・・? ?,?より,P1',P2'を求め, P1'^2=2ME・(1-λ)^2/{(1-λ)^2+4λcos^2θ} P2'^2=2mE・4λcos^2θ/{(1-λ)^2+4λcos^2θ} これから, (1/2)MV'^2-(1/2)mv'^2=E1'-E2'=P1'^2/2M-P2'^2/2m =E・{(1-λ)^2-4λcos^2θ}/{(1-λ)^2+4λcos^2θ} 最初のエネルギー差は,Eですから,問題の不等式は, |{(1-λ)^2-4λcos^2θ}/{(1-λ)^2+4λcos^2θ}|≦1 を評価することになります. 左辺はλ=1(m=M)またはθ=±π/2の時に1となりますが,ほぼ<1であるため, 題意の確率的に成立するが言えます.

しかし,この解答はあまりにも洗練されていない.もし解答がでれば教えてください.ではまた.

Re: 2物体の衝突

トンガリ さんのレス (2006/12/11(Mon) 10:44)

問題に深い考えがあるのやも知れませんが,素人の私には題意が理解できません. 私は以下のように理解しています.

弾性衝突とは完全弾性衝突で,衝突の前後で運動エネルギーの和が保存される. 衝突の前後で運動量のベクトル和も保存される.この連立方程式を解けば衝突後の運動が求まる.

非弾性衝突では衝突の前後で運動量のベクトル和が保存されるが, 衝突の前後で運動エネルギーの和は保存されない. そこで,跳ね返り係数 e が導入されるが,その定義は私にとっては意外と, 運動エネルギーの和の保存率ではなく,衝突する二物体の相対速度の保存率だそうです.

カリプソさんは問題の説明で「弾性衝突」とも「跳ね返り係数で計算」とも言われましたが, カリプソさんの言う「弾性衝突」とは,私の言う完全弾性衝突の意味でしょうか.

Re: 2物体の衝突

カリプソ さんのレス (2006/12/11(Mon) 15:13)

トンガリさんへ

すみません.自分で弾性衝突と言いながら計算では0<e<1のつもりでやっていました.本当はe=1です.

Re: 2物体の衝突

トンガリ さんのレス (2006/12/11(Mon) 16:09)

弾性衝突で,衝突の前後で運動エネルギーの和が保存されるのに, 併進の運動エネルギーの和が減少するとは, 併進の運動エネルギーの一部が回転の運動エネルギーに変化したのでしょうか・・・

質点の衝突ではなく粒子の衝突なので剛体の衝突と考えても, 粒子の衝突によって,果たして粒子の回転が起こるのか知らん. 衝突の組み合わせによっては粒子の回転が起こる可能性があるのかな. 私には分からん.

Re: 2物体の衝突

yama さんのレス (2006/12/11(Mon) 17:48)

運動エネルギーの差が平均的には減少するということだと思います. 運動方程式のの時間対称性からは減少することは考えにくいのですが,統計力学的に考えるのでしょうね. 質量の異なる2種類の分子からなる気体が非平衡状態であれば,分子衝突を繰り返すうちに,だんだん平衡状態に近づきますが,その過程では平均として運動エネルギーの差が減少しそうですね. しかし,衝突の問題として考える場合,どのように統計性を取り入れるべきかが問題ですね.

Re: 2物体の衝突

なんとなく さんのレス (2006/12/11(Mon) 23:16)

>トンガリさん

私の想像なので,正しいかどうかは分かりませんが,もう少し簡単に考えています.2つの物体が衝突する場面で,衝突前,一方は静止しているとします.この2つの物体の<運動エネルギー差>は速度を持っている方の物体のエネルギーに等しいです.衝突が生じたとき,もし,全く同じ質量であれば,運動エネルギーが静止物体にそっくり移る現象があります.つまり,運動していた物体は静止し,静止していた物体は初めの物体と同じ速度で動き出します.ビリヤードなどでたまにありますね.このとき,運動エネルギー差は最初と同じです.しかし,これは同質量で同軸の衝突の場合に限るため,滅多に起きません.大概は最初の運動している物体は速度を落とし,静止していた物体は動き始めます.その運動エネルギー差は明らかに衝突前より小さくなります.これは衝突によるエネルギーの再分配による差が衝突前より小さくなる傾向にあることを示唆します. しかし,一般論でこれを述べるには古典力学で言う「エルゴード仮説」からエントロピーを計算しなければならない気がします.したがって,以上の説明も単に直感的なものであり,しかも正しい保障はありません. 蛇足ですが,マクロな物体では非同軸な衝突の場合,どうしても回転エネルギーへの分配を考えがちですが,例えば陽子−陽子散乱など,クーロン力を介した衝突では回転エネルギーへの分配は起こらず,上記のような衝突を考えることができると思います.

Re: 2物体の衝突

カリプソ さんのレス (2006/12/15(Fri) 03:08)

オ久ぶりです. なんとなくさんのv=0と仮定した >大概は最初の運動している物体は速度を落とし,静止していた物体は動き始めます.その運動エネルギー差は明らかに衝突前より小さくなります.これは衝突によるエネルギーの再分配による差が衝突前より小さくなる傾向にあることを示唆します. というのはわかりやすかったです.

もとの自分で仮定したので強引に計算してみたのですがm,Mの質量比がわからないので駄目でした.