測定誤差の式

測定誤差の式

ku さんの書込 (2006/11/26(Sun) 23:22)

光電比色計を用いた吸光度測定に関する問題です. T=eのときに誤差が最小になるようなのですが,以下の式の求め方がわかりません. よろしくお願い致します.

Beerの法則が成立する溶液においては濃度の相対誤差?C/Cは?A/A(Aは吸光度)に等しく 次の関係が示される.

?C/C=log(e)・?T/Tlog(T)=?T/Tln(T)

ここでTは透過率の誤差である.A=-log(T)の関係からこの式を導け.

Re: 測定誤差の式

twister さんのレス (2006/11/27(Mon) 01:05)

始めまして.

理化学辞典で,光の吸収に付いてのランバート-ベールの法則(Lambert-Beer's low)をみると,

入射光の強度 I_0 ,透過光の強度 I ,吸収物質の厚さx,濃度をC,比例係数kとすると;

\ln(I_0/I) = kxC,

と在ります.透過率, T = \frac{I}{I_0} でしょうから,

kxC = \ln(T^{-1}) = -\ln(T). \tag{1}

濃度 C が濃度 C+\Delta C に変化するとき,透過率 T が透過率 T+\Delta T に変化するとすれば,両者の関係は上式の微分を取れば定まるので,

kx\Delta C = \Delta\left(-\ln(T)\right)  = -\frac{\Delta T}{T} \tag{2}.

式(2)と式(1)とで辺々の比を取ると,

\frac{\Delta C}{C}  =\frac{ -\dfrac{\Delta T}{T}}{-\ln(T)}= \frac{\Delta T}{T\ln(T)}.\tag{3}

どちらかというと, \Delta を誤差と考えるより,変化分と考える方がイメージし易いと思います.

なお,定義から, T = \frac{I}{I_0} < 1 では無いでしょうか.

しかし,式(3)から濃度の微分式;

\frac{\frac{d C}{d T}}{C} = \frac{1}{T\ln(T)} < 0, \tag{4}

を考えて,この絶対値が最小になる,言い換えれば感度が最小な条件をだすと考えれば,上式をTで微分し,それがゼロの条件を探せば良いと思います.あとはご自分で求められますね.

Re: 測定誤差の式

なんとなく さんのレス (2006/11/27(Mon) 01:26)

はじめまして,kuさん. 何となくと言います. ちょっと目に付いたので,Beerの法則なるものは知りませんが,この問題は純粋に数学的にできそうです. A=-log(T)より,ΔA=Δ(-log(T))=-ΔT(1/T)/ln(10) したがって, ΔA/A=-ΔT(1/T)/ln(10)・(-log(T))=ΔT/Tln(T) となります. 要するに,次の2点に注意すればいいです. (1) Δを作用させる式は微分作用素と同じ式で表される.したがって Δ(log(T))〜d(log(T))/dx=dT/dx(1/T)/ln(10) と考えれば,Δ(log(T))=ΔT(1/T)/ln(10) (2) logは底10なので,底をeに変換すると,log(T)=ln(T)/ln(10)

以上.

Re: 測定誤差の式

ku さんのレス (2006/11/27(Mon) 02:07)

twisterさん,なんとなくさんありがとうございます. 大変参考になりました.また質問させていただくかもしれませんがよろしくお願いしますm(__)m