初めまして,物理学を学んでいる大学生です. 量子力学に関してわからないところがあって,是非皆様の知恵をお貸しいただきたいです.
今,簡単のため二準位系を考えるとして,二つの状態を1,2とします. そして,系は光とエネルギーのやり取りをできるとします.(つまり,水素原子のとびとびのエネルギー固有状態などを想像してください.ただし今回は簡単のため二準位系ということにしていますが.)
こういう状況のとき,しばしば「初め状態2にあり,あるときに光を放出して状態1に遷移した」というような言い方をすることがありますよね.
しかし,本来は状態はシュレーディンガー方程式にしたがって時間発展してゆくものであって,一般に時刻tにおいて,状態は
と表せると思います. つまり,一般的に,「系の状態は,状態1にあるとは言えないし,状態2にあるとも言えない」と思うのですが, 「初め状態2にあり,あるときに光を放出して状態1に遷移した」という言い方は,「ある時刻までずっと状態2にあり,その時刻に光を放出して,その瞬間に状態1に変化した」という描像に基づいているのだと思います.
そうすると,後者の言い方は正しくないように思えるのですが,実際は後者の考え方で説明がつくように見えます.
前者の考え方をする場合,実際に光が放出されたとき,系にいったい何が起こっていると考えるべきなのか,それがわかりません.
初めに状態2にあった系を放置して,ある時光が放射されたのを観測したとします.その光のエネルギーは状態1と状態2のエネルギー差です.そのとき,系にはいったい何が起きているのでしょう?
状態間のエネルギー差に相当するエネルギーが光として放出された以上,その直後の系は状態1にあるといわざるを得ないと思うのですが,なぜ,系のエネルギーを直接測定していないのに,波動関数の収縮のようなことが起きるのでしょう?
放射される光を観測することが,系のエネルギーを測定したのと同じことだと考えることができるかもしれませんが,しかし,光の放射という現象は観測とは無関係に,自発的に起きる現象のように思えて不自然に感じられます.
初等的で単純なミスがどこかにあるなら,ご指摘いただけると嬉しいです.皆さんにとっても難しい問題だった場合,一緒に考えていただけたら嬉しく思います.
>前者の考え方をする場合,実際に光が放出されたとき,系にいったい何が起こっていると考えるべきなのか,それがわかりません.
私もわかりません.orz このあたり突っ込むと,まさに観測問題に突入します. なんで,学部生でしたら,とりあえず数学と思って勉強することをお勧めします.
ただ,最近,確率力学というのをしって,これならすっきりしそうだな〜 とは思ってます.
シュレーディンガー方程式によって計算できるのは遷移が起こる確率であって,どの時刻に遷移が起こるかを計算できるわけではありません. 遷移が起こったことは,観測によってはじめて分かります. 光の放射は観測と無関係に起こると思いますが,光が放射されたとしても,その光が観測されなければ,遷移が起こったことは分からないわけです.
いちさん,yamaさん,返信ありがとうございます.
>いちさん
確率力学というのは初耳です.どういうものなのでしょう?
>yamaさん
そんな気がしてきました.あまり観測について深く考えすぎるのはやめた方がよさそうですね.
ちょっと調べてみようと思います.ありがとうございました.
意図をよく理解できてないので,変な返答かもしれませんが 系は安定になろうとしてるだけでは・・・?あ,そういうことではない??
>「初め状態2にあり,あるときに光を放出して状態1に遷移した」
と逆過程のハミルトニアンは
とかけます.
興味があったらシュレデンガー方程式を解く訓練はやめて 統計力学を勉強してみてください.