こんばんは.テスト用掲示板の件では,大変お世話になりました.さて今,電磁気の復習で,川村「電磁気学」(岩波) 172 ページの演習問題3 に取り組んでいます.
本文中では,電磁波の源と観測点との距離が波長に較べて十分長く,平面波で近似できる場合を考えた.電流や電荷が分布している領域のサイズに較べれば十分遠いが,波長と較べると短い距離で観測するときの電場ベクトルを で定義される を使って表せ( をヘルツのポテンシャルとよぶ).
この略解は,以下のとおりです.
(7.54) の次の の表式
は,この問題でも正しい.しかし (7.55) 以下は (7.46) 〔 〕 を使っているから,いまは使ってはならない. , .
領域のサイズが観測点との距離と比べて十分小さいことから,ローレンツ・ゲージで
と書け,従って,磁場が表式で表せるところまでは判るのですが,電場の式をどう導くのかわかりません.電場の導出過程をご教示願えますか.何卒よろしくお願い致します.
のぼりんさん,こんばんは. 私の手許にある 『場の古典論』 には,次のように書かれています.ただし,単位系の違いで係数が異なっています.その差異は,のぼりんさんが埋めてください.
−−−−−− <b>A</b>=(1/c)(∂/∂t)(<b>P</b>/r) …(1) ローレンツゲージ div<b>A</b>+(1/c)(∂φ/∂t)=0 …(2)
(1)を(2)に代入し,時間について積分すると, φ=−div(<b>P</b>/r) …(3) <b>E</b>=graddiv(<b>P</b>/r)−(1/c 2 )(∂ 2 /∂t 2 )(<b>P</b>/r) …(4)
<b>P</b>/r がダランベールの方程式(1/c 2 )(∂ 2 /∂t 2 )(<b>P</b>/r)=Δ(<b>P</b>/r)を満たすことに注意すれば,ベクトル解析の公式から, <b>E</b>=rotrot(<b>P</b>/r) …(5)
<b>Z</b>=−(1/r)<b>P</b>(t−r/c)(ヘルツベクトル) とおくと, <b>E</b>=−rotrot(<b>Z</b>) …(6) −−−−−−−−−−−
式の番号は,もちろん原文とは異なります. (6)は,のぼりんさんがお書きのものとあっているようですね.
山旅人 さん 早速の返信,どうもありがとうございました! 物理は独学のため自分で解決する力に乏しく,困っていたところでした. ご教示本当に助かりました.(^^)