運動量保存について

運動量保存について

えり さんの書込 (2006/08/31(Thu) 22:11)

こんにちは,高卒の受験生です.解説を読んでいてわからないところがあったので投稿させていただきました.

「質量mの台車Aと質量Mの台車Bを長さLの糸でつなぎ,A,Bの間にばね(自然長L0,ばね定数k)をそのばねの自然長より短く縮めてはさみ,全体を水平な床の上に静止させた.ただし,糸およびばねの質量と,床と台車の間の摩擦は無視できるものとする. この状態から,糸を静かに切ったところ,静止していたAとBはばねに押されて左右に動き始めた.ばねの長さが,自然長になったところでAとBはばねから離れ,床の上をそれぞれ一定の速度で運動した.そのときのAの速さは(L0-L)√{kM/m(m+M)}であり,Bの速さは(L0-L)√{km(m+M)}である.Aが動き始めてからばねから離れるまでの間にAが床に対して移動した距離を求めよ.」

という問題で,運動量が保存されることから,ばねから離れるときのA,Bそれぞれのx座標をx0,X0とおいて, mx0+MX0=ML -x0+X0=L0 という式が立式されるそうです.第二式がどうして立てられるのかわかりません.教えて下さい.宜しくお願いします.

Re: 運動量保存について

吾人 さんのレス (2006/08/31(Thu) 23:59)

-x0 + X0 = L0 の意味がわからないという認識でよろしいですね?

初期状態(糸が切られる前の状態)で, 両台車の真ん中を原点としています. x0はその原点からAの台車が動いた距離, X0は原点からBの台車が動いた距離です. ただし,原点からBの台車が動いた方向を正方向としています. AはBとは逆方向のため,負の値です.(x0 < 0) 両台車がばねから離れるまでの距離がx0,X0なので,その和はL0になります.

Re: 運動量保存について

えり さんのレス (2006/09/01(Fri) 00:46)

なるほど,納得がいきました.確かにそのとおりになりますね(><)どうもありがとうございました. それと,第一式は運動量保存の式をtで積分しただけの式と理解してよいのですよね…?(重ね重ねすみません…)

Re: 運動量保存について

mNeji さんのレス (2006/09/01(Fri) 10:56)

えりさん:

横から逆質問です.

最近の高校の物理がどのように教えられているか判らないのですが,私にはとても難しい問題にみえます.これは塾かなにかで,特別なクラスでの課題ですか?

ご質問自体は「全運動量の保存」に付いてですが,「相対運動の運動」について運動エネルギとバネのエネルギの表示まで習っていますか?

此処まで来ると,「換算質量」をご存知かどうかも知りたくなります.

受験勉強で忙しいと思うので,ご回答は簡単にお願いします.

Re: 運動量保存について

えり さんのレス (2006/09/01(Fri) 13:51)

こんにちは. 私は今予備校に通っているのですが,これはそのテキストからの問題です. 既に先生が解説済みなのですが,あいまいなところがやはりあるので,ノートを読んでも理解に苦しむところがあります.

私が教わっている先生は,相対運動での運動エネルギーとバネのエネルギー,換算質量のことも全て教えてくださる先生です(なにせ古典物理の世界観からお話してくださった方ですから…).ですが,まだまだ私の頭がついていかないので,苦労している次第です…

Re: 運動量保存について

yama さんのレス (2006/09/01(Fri) 15:44)

先生が解説されたときの座標のとり方がはっきり書いてないのですが,吾人さんのとり方では mx0+MX0=ML がうまく説明できないように思います. そこで次のようにとれば辻褄が合うように説明できると思います.

台車Aとばねとの接触点の座標をx,台車Bとばねとの接触点の座標をXとします. 座標の原点は,初期状態でのAとばねの接触点にとります. 従って,初期状態では x=0.X=L となります. A,Bの速度をv,V とすると,運動量の保存の式は mv+MV=0 になり,これを時間で積分すると mx+MX=定数 となります. x,X の初期値を代入すると 定数=ML となり,従ってmx+MX=ML となります. この式は,台車がばねから離れる瞬間についても成り立つので mx0+MX0=ML が得られます.つまり,えりさんのお考えの通り,これは運動量保存の式をtで積分したものです.

なお,2番目の式の意味はすぐ分かると思います. X0-x0 は台車がばねから離れるときの接触点間の距離なので,ばねの自然の長さ L0 に等しくなるわけです.

Re: 運動量保存について

えり さんのレス (2006/09/01(Fri) 16:49)

どうもありがとうございました.先生が解説して下さった座標のとり方と同じだったので,よくわかりました.m(__)m

Re: 運動量保存について

mNeji さんのレス (2006/09/01(Fri) 17:11)

えりさん:

大変に詳しくお教えされる先生のようです.もし志望校の問題とかけ離れている場合でしたら,そこまで勉強する必要は無いようにも思えます.

今回の問題も,yamaさんの解説がありました,そのご回答がある裏には,相対運動を意識しているから簡単に書けるので,キッチリ問題を把握していないと,とても不思議に見えるはずです.

いずれにしろ,難しい問題を理解しようとする時には,表面上判った振りをするよりも,判らないところを質問して,自分の頭で100%解明しましょう.

ただ,その場合,面倒くさくても「問題を完全に示した方が善い」ですよ.逆にいえば,こんなに複雑な問題を解こうとする根性は凄いと感心しています.ベストを尽くしてください.

Re: 運動量保存について

えり さんのレス (2006/09/01(Fri) 18:37)

ありがとうございます,頑張ります.私が目指しているところはそのような知識が必要なの大学なので大変です… ですから,やはり先生のおっしゃることは理解したいと思っています.

これからもお世話になりますが,どうぞよろしくお願いします. (相対運動については,あいまいなところがあるのでまた質問させていただくかもしれません)

Re: 運動量保存について

mNeji さんのレス (2006/09/01(Fri) 20:42)

状況は理解できました.

このような場合は,簡潔にいえば「中心力型の相互作用で結合した2体系」です.ワザと一般的に言いました.具体的には,

  1. 太陽と地球だけと近似した重力場系
  2. 水素原子核と核外電子からなる電場系
  3. 直線に束縛された2体のバネの力学系

などです.如何にとんでもない計算をしているか,驚いてくださいね.

いっぱいの問題を,ケース・バイ・ケースで鵜呑みするのもあるでしょうが,そんな人は,「とんでもない計算」ということは置いてしまっているので,感激する暇すらないはずです....

で,さらに留意して欲しいのは,大学生になるとベクトルや微分方程式を好きなだけ使えるので,ある意味ではとても簡単に問題を表現できます.言い換えれば見通しが良くなります.

勿論,ベクトルを使わないでも,キチンと話を進めれば混乱しないと思いますが,私は,そのような高度な受験技術を全然知りません.ですから,この問題の完璧な説明を書いていただければ,それをこの掲示版で使える数式表現で見やすく打ち出します.

そうすれば,今回回答くださった,吾人さん,yamaさんなど,多くの解説者の方々から有効な解説をいただけると思います.

そうすると,2体・中心力の運動は,一体の問題: a) 重心の直線運動 b) 重心を中心とした相対運動

として分離できるので,問題の把握と,計算がとても楽になるはずです.

この手の問題は,b)を解くのが込み入りますが,その初期条件等をつけるときに,自然とa)を解くはずですよね.

私の推測では,その先生は,3)を出題する前に,1),2)に言及するか,それを解いていませんか? もしくは,3)の出題の前に例題をだしていませんか?

もう一度,資料を再度眺めて,不明点を質問されるのが良いと思います.

Re: 運動量保存について

えり さんのレス (2006/09/03(Sun) 00:55)

ノートを見直す限りでは,1も2も説明がなく,3の例題も見当たらなかったです…

「この問題の完璧な説明を書いていただければ」とありますが,これは,先生の板書ノートを書き込めばよいのでしょうか??(>_<)

Re: 運動量保存について

mNeji さんのレス (2006/09/03(Sun) 01:53)

恐らく,私の想像できないような高いレベルの講義なのでしょうから,解説不可能だろうと思います.

この問題については,先生に質問するか,キッパリと捨ててしまうかしたほうが宜しいと推察します.じっくりと,頑張ってください.