位置エネルギーと運動エネルギー

位置エネルギーと運動エネルギー

お竹 さんの書込 (2006/08/10(Thu) 14:55)

お竹と申します. 高卒のサラリーマンです. 以前,作用反作用について質問させていただき トミーさんからお答えをいただきました. ありがとうございました.

実験結果のまとめをしていますが,下記の 疑問を生じました.どなたかお答えいただければ 助かります.

水時計の水面部に物体Aを浮かべておきます. このときこの物体は重力による位置エネルギーを もっています. 水時計下部の穴から水を噴出し,徐々に水位を 下げます.物体Aも同時に下がり,そのときAの 位置エネルギーは運動エネルギーに変換され, 最後は底面で停止します. このときの疑問ですが・・・ 水時計下部の穴が大きい場合と小さい場合を考えます. 当然,物体Aの落下速度に差を生じます. 水面部に浮かべた物体Aの位置エネルギーはどちらの 場合も同じですが,落下速度が異なれば,運動エネルギー は異なることになります. 「力学的エネルギーの保存」(位置エネルギー=運動エネ ルギー)に照らし合わせる場合,瞬時の運動エネルギー は異なり,累積すれば同じになると考えれば良いのでしょうか.

よろしくお願いいたします. 以上

Re: 位置エネルギーと運動エネルギー

toorisugari no Hiro さんのレス (2006/08/10(Thu) 15:42)

粘性があるかどうか,波の影響を考えるかどうかで状況は違うと思います.

密度が同じで物体が十分小さいなら,水面と物体の速度は同じと考えてもいいかもしれませんが(浮力が仕事をするので位置エネルギーの差と運動エネルギーは異なります),一般に水面の速度とエネルギー保存則から導かれる物体の速度は違うはずです.よって,物体は水面上で浮力を復元力として単振動すると予想されます.

粘性が強ければ,振動は減衰して水面とほぼ同じ速度で移動します(微小振動はあります).エネルギー保存則からはずれます.

粘性が弱いときも,平均速度は水面の速度に一致するでしょうが,振動の振幅はたぶん時間とともに増大するでしょう.波の発生を考えると,エネルギーがどれだけ波に奪われるか(形状によると思います)により単振動の振幅の定常値は決まるはずです.

Re: 位置エネルギーと運動エネルギー

mNeji さんのレス (2006/08/10(Thu) 16:00)

はじめまして.

難しい問題なので,スパッと答えられないようです.

少なくとも,落下物体Aは,重力だけではなく,水からの浮力を受けています.

よほど水の放出速度が速くならない限り,物体Aの位置エネルギは水を通して消費されるだけではないでしょうか.

Re: 位置エネルギーと運動エネルギー

yama さんのレス (2006/08/11(Fri) 12:07)

水の粘性が無視できるとすると,力学的エネルギーが保存されます. しかし,物体Aの力学的エネルギーが単独で保存されるのではなく,水の力学的エネルギーを合わせた全体の力学的エネルギーが保存されるはずです. 従って,穴が大きい場合,物体Aの運動エネルギーが大きくなりますが,そのかわり水の運動エネルギーが小さくなると思います.

このことは,極端に対照的な2つの場合を考えてみれば分かります. まず,穴が非常に小さい場合は,水面の低下速度も物体の落下速度もほとんど0なので,水および物体の位置エネルギーの減少分のほとんど全部が,流出する水の運動エネルギーになります.つまり,物体の位置エネルギーもほとんどが水の運動エネルギーに変わるわけです.

これに対して,穴が非常に大きく,底が抜けたような状態の場合は,水と物体全体がほぼ自由落下すると考えることができます.この場合,物体の位置エネルギーの減少分は,そのまま物体の運動エネルギーになり,水の位置エネルギーの減少分だけが水の運動エネルギーになります.