斜面上での衝突

斜面上での衝突

さち さんの書込 (2006/08/04(Fri) 22:19)

こんばんわ.何度もお世話になってしまいすいません. また分からない問題があったので質問させてください.

同じ質量0.1[kg]で大きさの等しい2つの小球PとQがある. 傾斜面30°の滑らかな斜面上の点Aから,初速度0で球Pが滑り始めると同時に Aから2.0[m]離れた点Bにおいて,球Qを初速度v0で斜面に沿って投げ上げたところ Qの速さが0になる瞬間にPと衝突した. 重力加速度を9.8[m/s^2]として以下の問に答えよ.

(1)球PがQに衝突するまでの時間を求めよ. (2)球PがQに衝突する時のPの速さを求めよ. (3)衝突を完全弾性衝突として衝突直後の両球の速さを求めよ.

水平面ならわかりそうなのですが,斜面だと加速度が生じて分からなくなってしまいます. (1)(2)は運動量の変化=力積を利用して求めようとしました. (1)は,-mv0=Ft=-mgsinθt・・・で,t=v0/4.9になりました. (2)は,mv=-mgsinθtで(1)の結果を代入して-v0になりました.

(この時点で間違っていたらご指摘お願いします;)

(3)が全く分からなくて困っています. はねかえり係数が1なのを利用して式をたてると1=-(vq-vp)/2v0 でいいのでしょうか・・? あと,これだけでは分からないので運動量保存の式をたてたかったのですが分かりません. 衝突前の運動量=衝突後の運動量で式を考える時, 衝突前の運動量は 2つの小球は速度が変化しているのでどこの速度を使えばいいのか分からないんです. 衝突後の運動量は符号がわかりません; mvp-mvqでいいのでしょうか?

お答えお願いします.

Re: 斜面上での衝突

mNeji さんのレス (2006/08/04(Fri) 22:55)

始めまして.

問題が良く判らないのですが,傾いた台の上で,A点から見て,B点は真下に位置しますか?

もしそうなら「PはBに向かって初速0で台をくだり,QはAに向かって初速v0で台を上る.」と思っていいですか?

で,そう考える時

(1)の答えにAとBの間の距離 L=2m が入らないのはおかしくありませんか? 【ヒント】ぶつかる条件は,Qが止まった時に,PとQの場所は....

(2)は(1)がとければ

(3)のように衝突を考えるには,その重心とから考えると,とても話が簡単になるのですが....そう考えないにしても,

(衝突の直前のAの運動量,衝突の直前のBの運動量) = (-Pa,0) (衝突の直後のAの運動量,衝突の直後のBの運動量) =(-Pa+dp,-dp)

ですよね.

Re: 斜面上での衝突

さち さんのレス (2006/08/04(Fri) 23:21)

お答えありがとうございます.

>問題が良く判らないのですが,傾いた台の上で,A点から見て,B点は真下に位置しますか?

>もしそうなら「PはBに向かって初速0で台をくだり,QはAに向かって初速v0で台を上る.」と思っていいですか?

説明不足です.すいませんでした.その通りです.

距離のことを完全に無視していました; Qの速さが0になったときに衝突するということは,PとQは中心で衝突したということでしょうか・・? それなら(1)は1/v0,(2)はv0ですか?

(3)は衝突の直前直後に運動量が保存していることを利用すればよいのですか? 直前の方はわかるのですが,

>(衝突の直後のAの運動量,衝突の直後のBの運動量) =(-Pa+dp,-dp) が良く分かりません; dpというのは衝突後の運動量の微小変化分ですか?

これで運動量保存の式を立てると-mv0=-mv0+dp-dpで何も示さないのですが, どう考えれば両球の速さがわかるのでしょうか.

失礼ですがもう少しご説明おねがいしますm(._.;)m

Re: 斜面上での衝突

mNeji さんのレス (2006/08/05(Sat) 00:41)

おそらく高校の問題だと推定します.(1),(2)はお教えできますが,(3)はどのように教えられているかで,回答が異なりそうです.もしここら辺の状況をご存知の方が見ておられたらヘルプしていただきたいと思います.

さて,(1)ですが,座標を決めます.原点がBで,Aに向かって正の方向Xとします.小球P,Qが同時にスタートした時からの時間,tとし,単位はsです.

また斜面に沿った重力加速度の成分g_e=g*sin(θ)=9.8m*s^(-2)*91/2)=4.8m*s^(-2)

スタート時の運動量,ただしt=0sとして mVp(0)=0, mVq(0)=m*v0.

スタートからt経過した運動量は,重力による力による力積しかないから mVp(t)−mVp(0) = -mg_e*t mVq(t)−mVq(0) = -mg_e*t スタート時の運動量を代入して mVp(t) = -mg_e*t, mVq(t) = m*v0-mg_e*t.

スタートからの進行位置はVa(t)=Pa(t)/m,Vb(t)=Pb(t)/m,を考えれば,それぞれを時間で積分すると求まる.

Xp(t) = L - g_e*(t^2/2) Xq(t) = v0*t - g_e*(t^2/2)

(1)について

mVq(t)=0よりt_z= v0/mg_e

(2)について

Vp(t_z)=-g_e*t_z = -v0

あ,式は良く判りませんが,回答はあっていますね,御免なさい.

本当は,Xp(t_z) = Xq(t_z)を入れるべきと思ったのですが...

(3)はペンディング

Re: 斜面上での衝突

mNeji さんのレス (2006/08/05(Sat) 01:24)

重心Gの速さV_G(t)= (mVp(t)+mVq(t))/(m+m)=-v0/2

重心Gからみた各速さ VpG=Vp(t)-V_G(t)=-v0-[-v0/2]=-v0/2 で近づいてくる VqG=Vq(t)-V_G(t)=0-[-v0/2]=+v0/2 で近づいてくる.

完全弾性衝突なら,相対速度が反転するだけだから

VpG'=VqG=+v0/2 で離れ VqG'=VpG=-v0/2 で離れる.

重心系の速さを戻せば,

Vp'=VpG'+V_G(t)=+v0/2-[-v0/2]=0 Vq'=VqG'+V_G(t)=-v0/2-[-v0/2]=-v0

ようは,速さが完全に入れ替わる.ビリヤードの正面衝突と同じでしたね.

Re: 斜面上での衝突

さち さんのレス (2006/08/05(Sat) 09:11)

丁寧な説明ありがとうございます. 重心から見た速さを利用する方法は初めてでしたが,分かりやすくてとてもためになりました.

ただ,最後の >Vp'=VpG'+V_G(t)=+v0/2-[-v0/2]=0 >Vq'=VqG'+V_G(t)=-v0/2-[-v0/2]=-v0 は,式と答えが違いますよね・・? Vp'=VpG'+V_G(t)=+v0/2+[-v0/2]=0 Vq'=VqG'+V_G(t)=-v0/2+[-v0/2]=-v0 でいいのでしょうか?

何にしても,親切な解説ありがとうございました!

Re: 斜面上での衝突

mNeji さんのレス (2006/08/05(Sat) 11:13)

>式と答えが違いますよね・・? >Vp'=VpG'+V_G(t)=+v0/2+[-v0/2]=0 >Vq'=VqG'+V_G(t)=-v0/2+[-v0/2]=-v0 >でいいのでしょうか?

ですよね.お説の通りです,御免なさい.

なお,「重心系から衝突の直前,直後を考える」という手法が,高校教育の範疇に入るかどうか判りません.これに付いては,識者の方からのコメントを戴きたいところです.

一方,この考え方を取れは,衝突後の運動量に係数,e倍を掛けてみると,一般的な非弾性衝突を示すことができます.e=0だと,相対運動が全部内部エネルギ(熱)になって,2物体が1つになる場面まで示すことができますね.

Re: 斜面上での衝突

chick さんのレス (2006/08/05(Sat) 11:45)

> なお,「重心系から衝突の直前,直後を考える」という手法が,高校教育の範疇に入るかどうか判りません.

高校教育の範疇だと思います☆ 私が高校生だった4年前と今では教育要領が異なりますが,塾で講師をしていた頃の教え子さん達も重心系視点の解法は出来ていたので,今の高校生も大丈夫だと思います.

Re: 斜面上での衝突

mNeji さんのレス (2006/08/05(Sat) 11:53)

chickさん:

>高校教育の範疇だと思います☆ >私が高校生だった4年前と今では教育要領が異なりますが,塾で講師をしていた頃の教え子さん達も重心系視点の解法は出来ていたので,今の高校生も大丈夫だと思います.

ご意見有難うございました.ということで「重心系視点の解法」は大いに活用すると良いですね.

【独り言】 これで2次元のベクトルが使えると,衝突→散乱に一挙話が展開するのですが....

PS 熱いですが元気してますか? 後3日!!!

Re: 斜面上での衝突

山旅人 さんのレス (2006/08/06(Sun) 12:20)

横から失礼します.私は,以下のように解答します.

(1) 傾斜角が30゜の斜面の斜面方向の加速度は,gsin30゜=g/2. P が Q に衝突するまでの時間を t[s] とすると,問題の設定より, v 0 t−(1/2)(g/2)t 2 +(1/2)(g/2)t 2 =2.0 …(#1)

また題意より,衝突時の Q の速さが 0 だから,v 0 −(g/2)t=0 …(#2)

(#1)(#2)よりv 0 t=(g/2)t 2 =2.0∴ t=2.0/√g≒2.0/3.13=0.638…≒<b>0.64[s]</b>

  1. 衝突時の P の速さは,(g/2)t=4.9×0.638=3.12…=<b>3.1[m/s]</b>

(3) 衝突直後の P,Q の速さを v P ,v Q とすると, 運動量保存則より,0.1×v P +0.1×v Q =0.1×3.1+0.1×0 …(#3) 完全弾性衝突⇔反発係数=1 より,−(v P −v Q )/(3.1−0)=1∴ v P −v Q =−3.1…(#4)

(#3)(#4)を解いて,衝突後の P,Q の速さは,P:<b>0[m/s]</b>,Q:<b>3.1[m/s]</b>

Re: 斜面上での衝突

chick さんのレス (2006/08/07(Mon) 01:28)

>mNejiさん

暑いのでしんどいですが,どうにか元気を出していますー◎ 残り2日(実質1日)っ.

二次元ベクトルは,私の代はやりましたー. 今の代でも継続されているかは,定かではありませんが; どうなのでしょう.

Re: 斜面上での衝突

mNeji さんのレス (2006/08/07(Mon) 02:29)

chickさん:

>暑いのでしんどいですが,どうにか元気を出していますー◎ >残り2日(実質1日)っ.

ここは気力(思考力)が「体の防衛機構の活動」を抑制して,勉強に駆り立てる場面ですね.あと1日っ!

>二次元ベクトルは,私の代はやりましたー. >今の代でも継続されているかは,定かではありませんが; >どうなのでしょう.

二次元ベクトルをやれば,花火のドカンを説明できるし,絵が直感的に書けますよね.物理I,II,IIIとすれば,サンダーSPさん見たいな余裕の高校生に物理IIIをみっちり考えてもらうとか.ノック・オンばかりやってもイメージ付きませんね.